【ドラフト】「ハムカツ団とドギラゴン剣」環境におけるドラフト環境考察

dmr21

こんにちは、若院所属プロプレイヤーの004です。
5/28にDMR-21ファイナル拡張パック第1章 「ハムカツ団とドギラゴン剣」が発売されました。このパックを用いたドラフトイベントとして第1回地下ラボCS、第9回岡山CS等が予定されています。
ドラフトは 「ハムカツ団とドギラゴン剣」2パック×3回の計30枚を用いて行われます。この記事ではより多くのプレイヤーがドラフトを楽しめるよう、カード評価や練習法を紹介します。

ドラフトの基本的な遊び方を知らない方は先に公式ホームページの記事をご覧ください。
また、ドラフトの基本方針は以前の記事で紹介しています。

○ドギラゴン剣環境について

以後、DMR-21ファイナル拡張パック第1章 「ハムカツ団とドギラゴン剣」6パックを用いるドラフト環境をドギ剣環境と呼びます。

ドギ剣環境はドラフトが推奨され始めてから初の多色エキスパンションであり、カードパワーが高くテンポが大切な高速環境です。
最重要テーマはずばり「革命チェンジ」です。
多色カードは赤黒/青黒/白緑/白青/赤緑の友好色5種のいずれかに属し、各組合せに革命チェンジ能力を持ったカードがあります。
革命チェンジでどのデッキも容易にコスト踏み倒しを行えるため、普段のドラフト環境と違い7マナ7000Wブレイカーのようなカードが全く間に合いません。

もう一つの特徴として「除去カードが弱い」があります。
使いやすい除去の枚数が非常に少なく、パワー4000を超えるだけである程度の除去体制があります。
トリガーカードも安定して運用できるカードが少なく、一方のプレイヤーだけが序盤からしっかり展開すると簡単に逆転ができません。
パワーラインでは単色小型が2000、小型革命チェンジが4000付近、大型革命チェンジが6000付近でここを基準に考えることが多いです。
有効トリガーも少なく、パワー4000以上の致死打点+1を作るとそのまま止められずに勝てることが多いです。

ざっくりとした優先度としては、
大型革命チェンジ>小型革命チェンジ>2マナ多色クリーチャー≧ドラゴン≧D2フィールド>その他
でピックしていくとそれなりのデッキが組めます。
ここにレアカードやデッキの指針を加味して考えていきましょう。

ドギ剣環境では3色+1色~2色のデッキにまとめるのが理想です。
多色カードを活かすために単色カードでシナジーを生みながらテンポを取る」ゲームであり、従来よりもアーキタイプを意識してデッキの完成形やプレイングを意識したピックが求められます。
強いレアを活かせる構成を狙いつつ、空いているアーキタイプに座るのを目標にしたいところ。

D2フィールドの多くは維持できると簡単にゲームが終わるカードパワーですが、張り替えられたときのテンポロスが激しく、呪文感覚で使えるものでないとしんどいです。
相手に貼られたときに貼り返せるように3枚程度はピックしておきたいです。1巡目で取られることは少ないので、卓で出た枚数を把握出来ているのが理想。
実際のデッキを見てみましょう。

beru1べる3さん(練習チームの仲間で、地下ラボCS2位)のピックしたデッキです。
青黒白の理想的なピックで、2マナクリーチャー→3マナ革命チェンジ→6マナ革命チェンジの流れが非常に安定してプレイできます。
基本的な革命チェンジ絡みの多色以外にも、青黒白のアーキタイプだと非常に輝くUナーギが4枚も取れており、出てきたカードを片っ端からバウンスしながらUナーギを革命チェンジで手札に戻しつつビートするだけでゲームが終わります。
相手が先行してチェンジしてきてもUナーギでテンポを取り返したり、サイケデリックガーデンパーフェクトマリアといったレアパワーで切り返す力も十分あります。

 

0041次に僕、004(地下ラボCSベスト8)がピックしたデッキです。
赤黒青のビートダウンであり、このカラーに特徴的なあまりマナを伸ばさずどんどん展開して前のめりにビートダウンしていく構成です。
テンポよくクリーチャーを展開して革命チェンジが安定して行え、ビートダウンのキーカードであるスットバースKも取れています。

 

moko1次に某もこうさん(練習チームの仲間で、地下ラボCS4位)のピックしたデッキです。
これも革命チェンジを軸とした軽量のビートダウンで、ハムカツマンンババの黄金必勝パターンが太く取れているのが特徴です。
重いカードが不要なくらい序盤の安定感があり、ギガトロンなどの押し込み力も十分なデッキです。

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特筆すべきアーキタイプとして、ヘブンズフォースアミュレックスがあります。
これは練習の時に組まれたデッキですが、 大量の2マナ多色クリーチャーをヘブンズフォースで展開しテンポ差で勝ちます。アミュレックスを引けた時が圧倒的で、とてつもない速さで場が展開されて物量で勝ちます。
卓の2マナ域が自分に集中するので、他の3人のデッキが序盤に動きづらくなるのもポイントです。
アミュレックスが見えた時には考慮に値します。

 

もちろんここにレジェンドやイーヴィルヒートなどのパワーカードが加わることでよりパワフルなデッキになりますが、それ以上にデッキ全体でのシナジーを重視し、「どうやって勝つデッキなのか」を考えながらピックすると良いでしょう。

下手なスーパーレアよりアンコモン革命チェンジの方が優先順位が高いことも多いです。
VR以上のざっくりランク分けでは、
ドギ剣イーヴィルプチョヘンザエメラルドリュウセイデモンカヅラミラクルスタークエスチョンギガトロンパーフェクトマリアアミュレックスヘビーポップマウリエルゴッドファーザー≧その他
くらいの感じです。
ギガトロン以下は革命チェンジ持ちの方が優先されます。
前述のように、普段であればそこそこ評価される7マナ域が非常に弱いです。イーヴィルは革命チェンジ先が1枚あれば絶対死なない打点になり、2枚コンボで勝ってしまう圧倒的パワーカード。
レアの大型革命チェンジでは、
ジーンベロリンガーウェカピポベルファーレブリキン将軍
といった評価です。

色の決定は難しいですが、序盤の選択は以下のことを考慮したいところです。
黒……革命チェンジやレアが強く、赤黒にも青黒にも行ける受けの広さがある。レアが強い分、当たりを引いた人が黒決め打ちしてくる可能性がある。攻めにもコントロールにも行きやすく、強いカラー。
青……一部の単色カードがプール最弱クラスでよく流れる。そのインパクトが強く弱いカラーに思いがちだが、アイソトープやUナーギなどコモンが強く、テンポを取るためにアドバンテージを失いにくい。レジェンドへのアクセスがしにくいカラーだが、コントロールしやすい。
白……全体としてそこそこのカードパワーがあるがフィニッシュ力に欠け、他のカラーや強いレアが無いと相手の革命チェンジに対応できない。アドバンテージが大事な環境なら強いプールだが、テンポが取りづらいためイマイチ。
赤……長期戦がしにくく、自分から殴っていく構成になりがち。状況を選ぶカードが多いためハマれば強い。ハマりやすいデッキを作れると活きる。
緑……中盤域のカードが少なく、非常に戦いづらい。レジェンド2種にアクセスできるが、リソースを稼ぎにくいため5マナ域までにテンポを取られすぎない構築にしていないと辛い。

 

革命チェンジ以外で見たときに注目したいカードは以下の通りです。
地獄の暴漢 スットバースK》:6000のパワーが高く、除去されない。相手の小型革命チェンジを一方的に倒せるため、盤面を維持しやすい。コントロールにもビートにも活きる。
U・ナーギ》:バウンスは弱いのが通例だが、相手の革命チェンジ後に合わせると一方的に場をコントロールできる。自身のcipが使い回しやすいのも大きい。青黒を扱えるデッキで、理想は青黒白。
九極の精霊 マウリエル》:出たときにはゲームが決まる。こいつが出るまでに盾が複数枚残っている状況は非常に難しいが、多色チャージャーなどでアドバンテージを重ねていくデッキを狙っていけば可能性はある。相手がやたらマナを伸ばして来たらこいつを警戒すべき。
Dの地獄 ハリデルベルグ》:特に青黒白で活きる。相手に攻めさせる+相打ちを絡めて一気に盤面を取り返せる可能性を秘めている。基本的に場に残ることは期待しない方が良いので、呪文感覚で膠着した盤面を一気に返したい。
シャイニング・近未来・シティ》:除去が弱いため、アンタップしていると生き残りやすい。上手いタイミングで張れるとこのカード1枚で勝ちに持っていけるものの、相手のD2次第でムラがあり運用が難しい。
レスキュー・タイム》:普通のデッキではトリガーしても自分の盤面も減るためジャスキルを防げるかも、程度のカードで弱い。しかし、青黒系のデッキではUナーギの使い回しを見越した上でプレイアブルになる。
不敗の悪魔龍 ラフデジア》:ドラゴンが付いているのがかなり大きい。必ず1枚は回収でき、タマネギル等で失ったアドバンテージを回収できる。赤黒軸のコントロールではこいつ+ミテトル等の赤いカードをシナジーさせるピックを意識したい。
インディア・カレッチ》:序盤にマナに置けて、中盤トップして強くて、トリガーして強い。コモンであることに一番意味があり、複数枚卓にある前提で枚数の所在をチェックしておきたい。
爆G コステロ》:除去が弱い=なんか死なない。強くはない……と思うのだが、ちょいちょい盾を削られて鬱陶しい。軸がずれすぎてて強いカードの部類。
虹守の精霊龍 ミランダカー》《友愛の精霊龍 ニコラス》:安く拾えて4マナの光ドラゴン。ミラクルスターやベルファーレ、ウェカピポが見た目より展開しやすいのはこいつらのおかげ。
暗黒鎧 Kフック》《西瓜の玉 ボーダメロン》:殴れるブロッカー注意
Dの楽園 サイケデリック・ガーデン》:盤面に維持は難しいが、出たターンに盾を2枚増やせるのが大きい。1枚しか追加できなくても積極的にデンジャラスイッチしていきたい。

強いと思ったら案外弱い枠。
メガ・ヒット・ドラゴン》:5マナはこの環境では重く、出した時に赤緑の多色を手札にキープするのはしんどい。除去できて強そうなのだが、思いのほか活きないため注意が必要。
族長の霊弓》:最も除去したい革命チェンジに当たらず、使い勝手が非常に悪い。7マナのデカブツを立ててエンド、という動きがあまりないのも逆風。システムクリーチャーが強い環境なら強いのに。
メガ・デストロイ・ドラゴン》:書いてあることはドラフト一線級の最強カードかと思いきや、8マナが重たすぎ、効果の不確実さからもこいつのおかげで勝てることは滅多に無い。
D2K ジゴクシヴァク》:ハリデルベルグを貼ってダースシスKを出すことでコジローごっこができる。

 


初の多色プールでのドラフトは、非常に奥が深くとても面白かったです。
最初はちょっと練習するくらいのつもりでいたら、気付けば48時間耐久ドラフト合宿をやってしまうほどのめり込んでしまいました。
噛めば噛むほど味が出るプールだと思います、ぜひ皆さんも楽しんで下さい!

 


カテゴリ:ブースタードラフト