クリエイターズ・レターVol8にて発表された認定ジャッジシステム。今回インタビューさせていただいたのは、そこへ応募されるりゅーてぃ☆(羽田野隆斗/23歳)さんです。
黎明期から岡山CS主催者として活躍し、現在は九州のイベントを支える彼はどのような人物なのでしょうか?
(※応募フォームにHNを書く欄がないことからジャッジは実名での活動が予測されるため、ジャッジ志望者インタビューでは本名を併記させていただいています)
■経歴
*入賞歴*
CS:プレイヤー個人戦績(りゅーてぃ)
*運営歴*
第2-4回岡山CS:主催者・ヘッドジャッジ
第1-2回みやこ杯:主催者
第1回城南CC:主催者
第1,3回めんたいCS:主催者手伝い
第1回九工大CS:主催者手伝い
第1-2回福岡CS:主催者手伝い・実況中継
■インタビュー
――本日はよろしくお願いいたします。まず、デュエルマスターズはいつごろからプレイされてるんですか?
「小学生の頃やってて、高校時代の終盤に復帰しました。二次試験がデッサンだったので、センター試験後はしゃかりきに勉強する必要があまりなくて時間があったんですよね。それで当時プレイしてた高校の友人に影響される形で、ディスカウントストアによく売ってるあの怪しいオリパを買って始めました」
――そこからずっとプレイされてると
「それがそういうわけでもなくて…最初は高校の友人とプレイするのが楽しかっただけなので、大学に入ってからしばらくはプレイしなくなったんです。ところが大学一年の後期かな、その頃にそういや俺ってカード持ってたよなと思ってオレタンへ遊びに行きました。」
――人生初のカードショップ訪問ですか
「そう、当時はDRの存在も知らないしショップに行ったこともないし。だからショーケースにシングルカードが陳列されてるのを見てすごい驚いたんですよ。あのころはスリーブも知らなかったなぁ」
――それまではどこでカードを買ってたんです?
「ブックオフのようなディスカウントストアだけですね。ああいうとこって袋にカードが100枚くらい詰まってて、一山いくらみたいな売り方するじゃないですか。」
――なるほど…そんな状態から主催者になられたんですね
「そうですね。初めて出たCSが2011年10月の関西CSで、初めて主催した第2回岡山CSが2012年7月かな。オレタンへ行ったのが2010年の10月とかそれぐらいなので、2010年8月の第1回岡山CSは出てないんですよね。
第2回岡山CSの時にfogion(山口CS初代主催)や004(岡山CS3代目主催・DMプロプレイヤー)と出会って、広島へ行ったときにT-BROWN(広島岡山合同CS主催者)と顔を合わせ、大学ではたしたし(岡山CSフロアジャッジ)の存在を知って…みんなあの頃に出会いました」
――CS黎明期のことですから、苦労もされたかと思います
「一番苦労したのは広島岡山合同のとき(=第3回岡山CS)ですね。結構な定員割れを起こしてしまって…冷静に考えると岡山と広島は遠すぎたんですが、それに気づかなかったんです。
後は、スイスドローかな。僕が主催を務めていた時のスイスドローは004が手動でやってくれてたんです。ペアリングツールとかそういう発想がなかった。
まあ…いろいろ大変でしたけど、でも楽しかったですね。学生時代一番の思い出ですよ。」
――そんなご自身の経験から、イベント運営初心者の方へのアドバイスをお願いします
「一番大事なのはやる気ですね。カードショップオレタンがあったり、仲間がいたりと自分が環境に恵まれていたこともあるとは思いますが、積極的に行動すればその熱意は人を動かしますし、やがて手伝ってもらえるようになるでしょう。
そうやって周りを動かすために必要なのがもう一つ、ビジョンです。何をやりたいのかという明確なビジョンを持ち、企画書に落とし込めば周りも理解できますから。
そういう、支え合える仲の集団を作ることが出来れば、大会運営のみならず勝つための調整もうまくいきますよね。それを経験することで、単なる身内ではない集団として更にまとまっていくんです。」
――004さんへ主催を引き継がれましたが、次世代の育成についてはどうされてましたか?
「自分が全部やり切ってしまわない、ことですね。人に任せるって大事なことなんです。超人のおかげで成り立つものを作ると、その人がいなくなった瞬間にダメになってしまうので。だから、どんなことをしているのかという作業フローを全員に教えていくことが大事ですね。
僕や004に依存していない運営チームだったからこそ、主催の継承がうまくいっているんです。再現可能な手順を確立しているってことですね。」
――九州へ行かれてからも同じようなことを?
「こっちではそれほど…まっつー(福岡CS主催)が出来る男で、よく気づいて自分で動けるので僕がやらなきゃいけないことってほぼないんですよね。人前で喋ること以外は本当に全部やってくれるので大きな信頼を置いています。」
――なるほど。話を岡山に戻して、チーム作りについてもう少し教えて下さい
「いつまでも同じメンバーでやるのはやはり無理なんですよね。たしたしが浜松へ行ったり、僕が九州へ行ったり…そしてPRIDE君みたいな新星が入ってきたりと、コミュニティのメンバーは入れ替わるものです。岡山CS自体、親父デュエリストの皆さんから受け継いだものですしね。なので特定個人に依存しない、カバーし合えるチーム作りが必要です。」
――今後はどのようにデュエルマスターズへ関わりたいですか?
「可能な限りプレイヤーでいたいとは思ってますが、色々落ち着かないとちょっと大会は…デュエルマスターズは楽しいですし、ほんとやりたいんですけどね。今は、3月19日のアカレコCSを成功させることにベストを尽くします!」
――今後のデュエルマスターズに望むものは?
「GP1stが一つの区切りでしたね、個人的には。今後はさらにレベルアップしていくのかなって期待してます。
ただやはり、関東以外…大阪でやっていただけるだけでもだいぶ違うとは思います。勿論開催できるような土壌作りが先決ですけどね。
現状に不満を覚えているというわけでは全然なくて、こうなったらいいなっていうぐらいの感じです。僕は東京だろうが大阪だろうが行きますよ!」
――やはり大型イベントへは行きたいと
「出るのも運営するのも面白いですからね!。アカレコCSも、運営するために九州から行きますよ。」
――影響を受けた方について教えてください
「筆頭はポリゴン(岡山CS初代主催者・hippo杯運営者)さん。”大会をやると人が喜んでくれるからうれしい”っていう考えが似ているんです。やっぱり他人が喜んでくれると楽しいですし、hippo杯なんかでそういうことを続けてらっしゃる姿を見ると憧れますね。
プレイヤーではせんだかな?」
――せんだ?
「もう今はデュエル・マスターズをやってないプレイヤーなんですけど、とにかく滅茶苦茶強いんですよ。遊戯王もやってたんですが、そちらでは有名になるほど勝っています。身近にいる中では一番でしたね…調整とかでもまったく勝てなくて。
他にはライカル(横浜CS主催・GP1stサブリーダー)さん。僕がCSに出始めたころ既に勝ってた方で、雲の上の存在って感じでした。プレイヤーで言うと他にも智リットル(かつて大阪で活動していたトッププレイヤー)やいづき(関東方面で活動する強豪)なんかもそうです。きりがないですね(笑)」
――付き合いも広いですものね
「あと一人上げさせていただくと、やっぱりK.BLUE(カバレージライターなど幅広く活躍されている中の人)さんかな。彼が出てる動画とか全部見ましたよ。」
――交友関係って、どんな感じで広がっていったんです?
「興味を持った方には積極的に声をかけていくことですかね。Twitterのおかげで知り合いになるための障壁は下がったと思います。コミュニケーションに必要なコストと言うか…リアルで声をかける前にTwitterで絡みがあると話しやすいですよ。そういうとこで言うと、僕は運が良かったと思います。」
――運?
「早い時期に下町CSで入賞したおかげで、いろんな方に声をかけてもらえるようになったんです。昔はイベントが少なくて、1度勝つだけで結構注目してもらえたんですよ。今はイベントもプレイヤーも増えたので、知ってもらうためのハードルは上がっちゃいましたよね。もうTIGHT(カウンティCS運営)さんぐらい段違いに勝たないと難しいんじゃないかなぁ…」
――なるほど…はだのさんの周囲でそういう強いプレイヤーと言えば?
「さっき挙げたせんだ、それに加えてモグミとみさいるず君は本物の天才だと思いました。殆どプレイしてないのに、デッキを渡すと強い。ああいうのを見ちゃうと、やっぱ自分は違うんだなって思い知らされますね…偽物って言うとおかしいですけど、感覚としてはそう思います。
それとは逆の努力型がdotto(関西のトッププレイヤー)君ですね。彼はCSに出始めの頃から常に勝っていたわけではなくて、ある時を境に急に強くなったんです。多分何かしらメタゲームで勝つためのコツをつかんだんでしょうね。
自分はそのどちらでもなくて、デッキへの理解度の高さが強みだと人には言われます。」
――ありがとうございます。最後に伝えたいことがあれば是非!
「選手として出たい気持ちもジャッジをやりたい気持ちもあるので、両方並行して活動を続けることになると思います。実際、GP1stは選手として出ましたから。
今の目標は3月のアカレコCSの成功です!是非ご来場ください!」
■インタビューを終えて
彼を初めて見かけたのは、第5回関東CSの会場。あの時は大好きなキリコ―M期の最終盤で、僕が一番力を入れていた時期というのもあって思い出深い大会です。そんな思い出深い大会で見かけた彼の第一印象はヤクザだったんですけれど。
いやだって、元ラガーマンの恵まれた体型+金髪ですよ。今で言えばベアフガンぐらいの力強さです。スゲェのがカードやってるなぁ…と思っていました。
その3か月後の下町CS。後ろからの「ヤスさーん」という声に振り返ってみれば、なんとあの金髪マッチョが満面の笑顔で手を振りながら近づいてくるではありませんか!!その時点ではまだ彼がだれなのか全く知らず、俺はこんなところで死ぬのか…と思いながら振り返っていました。デュエルマスターズで命の危険を感じたのは後にも先にもあの時だけです。
そんな彼でしたが、実際にはめっちゃいいやつで特にヤクザではありませんでした。そうか、もう4年近い付き合いになるんですね。
彼主催の岡山CSへ行ってfogionさんやたしたし、004君と知り合い、そして今年の夏にはまたまた彼の縁でポリゴンさんにご挨拶させていただきました。なんとポリゴンさん、3月に僕らが開くCSのために賞品を送ってくださっています。もうすぐ公開しますので、しばしお待ちを!
本当に彼の交友関係は幅広く、僕は何度も助けられています。新しいことを始めるときに欠かせない人物ですよ。
認定試験に、りゅーてぃ☆さんが合格されることを祈っています。