【認定ジャッジ志望者インタビュー】ミキプルさん(チーム川崎)

クリエイターズ・レターVol8にて発表された認定ジャッジシステム。今回インタビューさせていただいたのは、そこへ応募されたミキプル(三浦隆宏/26歳)さんです。

川崎CSという先進的なイベントを実現し、GP1stでも活躍された彼はどのような人物なのでしょうか?
(※応募フォームにHNを書く欄がないことからジャッジは実名での活動が予測されるため、ジャッジ志望者インタビューでは本名を併記させていただいています)

 


■経歴
*入賞歴*
CS:プレイヤー個人戦績(ミキプル)
公式大会:2005年スプリングチャレンジバトル関東2位、サムライリーグ関東3位

*運営歴*
第1、3-5回川崎CS:ヘッドジャッジ
第3回おやつCS:フロアジャッジ
DMGP1st:サブリーダー

 
■インタビュー
――本日はよろしくお願いいたします。まず、デュエルマスターズはいつごろからプレイされてるんですか?
「2003年…DM-7からです。それまではMtGや遊戯王をプレイしていたんですけれど、当時コロコロに乗っていたデュエルマスターズの漫画を読んでデュエマを知って…と言う感じです」

――なぐゆーさんたちと同じような時期に始められたんですね
「そうですね。彼と会ったのは2004年のエターナルリーグです。当時はまだネットコミュニティが発達しておらず、公認大会や掲示板などで知り合っていました。人によってはホームページを持っていて、そこに掲示板が設置されていたんです」

――不死鳥編なんかもありましたけど、ずっとプレイされてきたんですか?
「実は何度かまとめて売ってしまったことがあって…でも結局忘れられず、戻ってきました。やっぱり好きなんです。
お金が欲しくて処分したわけではなく、中学〜高校の…いわゆる青春時代はデュエルマスターズに夢中だったんですね。そこで他の時間を犠牲にしていた分、青春時代特有の甘い思い出や経験が少なくて後に強くコンプレックスを感じていた時がありました。
要は在庫をまとめて処分してしまうことで、過去を払拭してデュエルマスターズから離れようと思ったのですが、結局出来ていないですよね(笑)」

――僕もなんだかんだ続けてます(笑)
「少し遠回りしてしまいましたが、自分にとってのデュエルマスターズは自分の心臓に近いものだと気付きました。そして青春時代に公式大会で結果を出すために本気で燃えた記憶や、そこで出来たかけがえのない仲間がは本当に大切なものです。
そんなデュエルマスターズのために、これからもたくさん貢献していくつもりです。例えば、それが公式大会やCSに臨むプレイヤーとしてであったり、CSやDMGPの運営であろうとも全力で取り組みます」

――全力!いい言葉ですね。しかし、みなさん昔から公式大会に参加してらっしゃいますよね
「ええ、公式大会は2004年から、CSは2007年の第1回おやつCSから出場しています。関東CSも第1回から出場していますよ。
元々ショップ公認大会しかない時代から遠出もしてましたしね。僕は埼玉に住んでいたんですが、池袋まで足を延ばしたりして。強豪の集まるショップが当時あったんですよ」

――イグニスとかです?
「イグニスやアメドリですね。なぐゆー(横浜GP/CS主催・GP1stサブリーダー)やiwata(横浜GP/CSフロアジャッジ・GP1stフロアジャッジ)達とはそこで出会いました」

――そして2011年からは川崎CSの運営に携わっていらっしゃいます
「元々CS運営をしてみたいと思っていたんです。おやつCSでジャッジを経験させていただいたときに、これは接客業なんだと気づいて。僕は接客業の経験がありまして、そこでの”いかに快適に過ごしていただくか”と言う目標はCSにも通ずるものがあると感じたんです」

――接客業の経験があって、それはなおかつ好きな仕事でもあったと
「はい、人に面と向かって接するのが好きなんです」

――川崎CSの頃はようやく黎明期から脱するかしないかという時代だったと思うんですが、やはり苦労も多かったのではないでしょうか
「イベントに予期せぬトラブルはつきものですからね…何が起こっても対応できるようゆとりを持ってやるべきだと思います。
実は、初めて午前/午後の2部制を導入したのが川崎CSなんですよね」

――一番CSに出たいときって、CSが終わった直後ですもんね(笑) 個人戦で参加費1500円を導入されたのも川崎CSだったかと思いますが
「そうですね、遊戯王で当時そういう動きがあったのを取り入れました」

――銀勇さんが始めたんですよね。どのような意図で取り入れられたんですか?
「こういうイベントって、上位の何人かにしか賞品がないじゃないですか。出来るだけ多くの参加者の方に満足して帰ってほしかったので、出来るだけ多くの方に賞品を出そうと思って取り入れました。
第4回川崎CSではTop8の方全てにゲーム機を提供させていただき、また1位の方にはVitaと3DSのセットを提供いたしました」

――非常に先進的なイベントだったと思います
「新しいことで差別化を図るのが大事なのかなと」

――そんなミキプルさんは、GP1stでサブリーダーとして活躍されました
「応募した動機はCS運営を志した切っ掛けに近いです。それに加えて、元々公式大会の黒服ジャッジに憧れていたということもありますね。将来的にやってみたいと思っていたところにチャンスがきて、応募しました」

――GP1stは規模的に従来のCSとは段違いでしたが、どうでしたか?
「大体1000人ですから…200人定員のCSの5倍ですよね、単純に考えても。トリプルエリミネーションだったので予選3回戦までは大変に違いないと踏んでいました」

――フロアも広かったですよね
「担当フロアの明確な区切りがなかったので、歩きすぎちゃいましたね(笑) 今後は担当分けをきっちりしていった方が良いのかもしれません。
でも、いろんな方々と志を共にして頑張るという一体感を持つことが出来て充実した一日でした!一人ではできなくっても全員ならできるんだということを実感しましたね」

――今後はと言うお話が出ましたけれど、次世代の育成についてはどう思われていますか?
「やはりノウハウをまとめることが重要だと思います。加えて、意欲のある人に声掛けをしていくこと。全員が全員積極的な方とは限りませんし、こちらから歩み寄り手を差し伸べることが大事かなと。たとえ経験が0だとしても、意欲があるのならば成長のお手伝いをさせていただきたいです」

――認定ジャッジ制度をきっかけに、新たな方が増えるかもしれませんしね
「そうですね、間口がこの制度で広がったと思います。まずは応募してほしいですね。ダメでもきっと次がありますし、それまでに経験を積んでいけば大丈夫かなと。
そのためには、自分で声をかけていくことも大事です。そうした経験は、きっと就活等でも役立つと思いますよ」

――ありがとうございます。次に、影響を受けた方について教えてください
「まず、ささぼー(ジェネレートリーグ関東優勝)です。僕の3つ下で、彼が小学6年生の時に出会いました。
カードゲームのセンスがあるプレイヤーで、とても強いんです」

――実績などは?
「中一で日本一決定戦を経験し、中二で日本一を獲得。D-0でも日本選手権の決勝に残り、MtGでは初めてわずか一年でプロツアー10位に食い込みました。プロにも実力を買われるほどのプレイヤーだったんです。渡辺雄也プロと戦った時のカバレージもあるんですよ」

――こんなすごい人、実在するんですね…
「他には、hiro(初代レギュラー日本一・日本一3回)。彼は当時、ホームページを持っていましたね。古参の中でもずば抜けて強いですよ」

――関東古参勢の方は皆さんそう仰います。運営面だと、どうでしょうか
Thunders#36(静岡CS/藤枝CC主催者・GP1stサブリーダー)君。とにかくDMに対して熱い!ストイックですよね。
静岡CSでの、マイクパフォーマンスで来場者を楽しませつつ自分も楽しむ姿勢は素晴らしい!デュエルマスターズの実力も折り紙つきですし、支持されるプレイヤーだと思います」

――同感です
「彼は第5回川崎CSで個人チームともに優勝しているんです。こんなプレイヤーがいるんだ!と思ってワクワクしました。
すごいプレイヤーを間近で見られるのも運営の醍醐味ですね。
デュエルマスターズ人生で特に影響を受けた方は…デュエルジャッカーショーさんも」

――サイキックマスターズを最後に退かれた、今でいうデュエルヒーロー的な立ち位置の方ですね
「彼の熱いキャラクターが本当に好きなんです。
中高生の当時は僕も周りも徹夜で調整して、公式大会に参戦するのが鉄板でした。まずは受付を済ませて、テーブルに着席してからは退屈なので机に突っ伏して仮眠するのですが、開会式が始まると同時にショーの元気な声で目を覚ましつつ、モチベーションを上げるのが鉄板でした(笑)」

――選手としてのお話が出ましたけれど、最近の調子はどうですか?
「今はベスト8に入れば《龍覇 イメン=ブーゴ》のプロモーションカードがもらえるので、それをモチベーションに最近積極的に参加しています。もう自力で3枚集めたんですよ。そろそろ優勝して《「必勝」の頂 カイザー「刃鬼」》を取りたいですね」

――運営のみならず、選手としても意欲的なんですね
「ジャッジもプレイヤーも両立したいと思ってます。少ない時間を有効に使わないといけませんが…現状をただ嘆くに止まるのではなく、少しづつでも改善していくことが大事だと思っています」

――今後やりたいと考えていることはありますか?
「川崎CSをまた開きたいですね。それと、認定ジャッジになれたら今度は昇格を目指したいとも思っています。
後は…今って、おやつさんが全国ツアーをやってらっしゃるじゃないですか。僕らが運営同士で協力し合ってああいうことをやれば、おやつさんの負担も減るのかなと。1か所に負担が集まるのは良くないですよ。
おやつさんはCSのお祭りとしての側面を重視してらっしゃいますし、それとは別に競技性を求める参加者の方にそれを提供できるイベントがあってもいいじゃないですか」

――確かに、そうかもしれません
「すぐには無理かもしれませんけど、やっていければと思いますね。次世代の方とも協力し合って、目標を共有していければと」

――競技性に関連してちょっとアレな話ですが…川崎CSって現行犯で不正を摘発した数少ないイベントですよね
「イカサマはなくならないですね…第3回川崎CSの一件は、当時観客だったぎんば(CS Start管理者)がターン初めに2ドローしているプレイヤーを見つけてくれて。何かの間違いかもしれないですし、継続して確認するよう頼んだところ、次ラウンドでも同様の行為を確認できたため3ラウンド目で摘発しました」

――摘発が午後の部ですよね。該当プレイヤーは午前の部で3位入賞していました
「これはGP1stの時に中嶋ジャッジマネージャーが仰っていたことなんですけれど、”ジャッジはロスを取るためにいるのではないし、イカサマなんてするプレイヤーはほぼいない”と。だからそういう面ばかり見て、普通のプレイヤーに嫌な思いをさせてはいけないということなんですね。
勿論明らかな不正は断罪せざるを得ませんが、ジャッジが誤って不正と断じてしまった場合、その選手はもうプレイできなくなるかもしれないわけです」

――仰る通りです
「ジャッジとしてルールを覚えるのはもちろん、きちんとした認識を持って事に当たることが重要だと思います」

――しかしぎんばさん、すごいですよね。公式大会の《「智」の頂 レディオ・ローゼス》の時もそうですが
「ぎんばはうまいですね、彼がいると安心して運営できます。彼はシステムも触れますしね。
実際のところ、ジャッジだけでは運営できません。裏方あってのイベントです。役割分担の重要性を感じますね」

――ありがとうございます。最後に伝えたいことがあれば是非
「Twitterを見ていると、公式大会の身分証の件などで色々な意見を目にします。関心があるからこそあまり良くない言い方をしてしまうのかもしれませんが、WotCさんやタカラトミーさんは頑張っていると思いますよ。どんどん改善されてますし、これからも楽しみです。
折角デュエルマスターズをプレイしてるわけですし、楽しみたいですよね!だから自分だったらどうするかを考えながら、悪いところではなく良いところを見ていくといいんじゃないかと思います」

 

■インタビューを終えて
ミキプルさんと初めてお会いしたのは、GP1stの前日。八王子が遠すぎて衝撃を受けていた僕に声をかけてくださいました。
そして先日の横浜CSで再会し、インタビューをさせていただきました。

第一印象は、”非常に丁寧な方”。関東古参勢の方は皆さんそうですが、その中でもミキプルさんは特に丁寧に接してくださいます。今回、接客業のご経験があると伺って得心しました。
元々ミキプルさんのことは川崎CSをきっかけに存じ上げていまして、前から気になっていた川崎CSの先進性について伺うことが出来て良かったですね。川崎CSで導入された午前/午後の二部制はその後の大阪CSなどに引き継がれていくなど、一つの流れを作ったイベントでした。

ミキプルさんは、ややもするとルール面の議論に偏りがちなCSにあって、現場におけるジャッジの対応について体系的に語ることのできる方。これから様々なプレイヤーにイベントへ参加していただくためには、ミキプルさんのような存在が欠かせないと思います。
認定試験に、ミキプルさんが合格されることを祈っています。


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