【デッキ解説】青黒赤緑墓地野菜 (第5回静岡CS個人戦ベスト16:2015.5.2) by 人参

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wrote by 人参

静岡CSで使用した墓地野菜について記述させていただきます。
予選は7-1で2位通過、本選では16位でした。

『墓地野菜(2015.5.2)』
4×バロン・ゴーヤマ
4×味頭領 ドン・グリル
4×グレイト・カクタス
4×ビクトリー・アップル
4×クリクリ・イガラーズ
4×ジオ・ナスオ
1×ダンディ・ナスオ
1×レイジング・バンブー
4×緑神龍ドラピ
1×密林の総督ハックル・キリンソーヤ
1×父なる大地
4×地獄門デス・ゲート
1×インフェルノ・サイン
1×百万超邪 クロスファイア
1×熱血龍 GENJI・XXX
1×終末の時計 ザ・クロック

 

■基本方針
《緑神龍ドラピ》、《ジオ・ナスオ》などの低コストで墓地を肥やすカードから《ビクトリー・アップル》、《クリクリ・イガラーズ》などの墓地からマナゾーンにカードを移動させるカードに繋ぎ、盤面を展開します。
マナを延ばしつつドングリルのG0召喚を狙っていきます。手札が増えるほど展開力がましていくため速攻系、ビート系に十分対応でき、《味頭領 ドン・グリル》の9000というパワーラインのおかげで盤面が処理されづらいという強みを持ちます。
また、デッキの核となる《バロン・ゴーヤマ》の能力によりデッキからピンポイントでキーカードを墓地やマナに移動させることができるため、1枚しか投入していないカードであっても最大限に活用できることがこのデッキの1番の魅力です。

■デッキの動かし方

1.
《ジオ・ナスオ》or《ダンディ・ナスオ》 → 《クリクリ・イガラーズ》or《ビクトリー・アップル》 → 《バロン・ゴーヤマ》 → 効果で《グレイト・カクタス》 → 《味頭領ドン・グリル》をサーチ、G0進化

2.
《緑神龍ドラピ》 → 《クリクリ・イガラーズ》or《ビクトリー・アップル》 → 《グレイト・カクタス》 → 《バロン・ゴーヤマ》 → 効果で《グレイト・カクタス》 → 《味頭領ドン・グリル》をサーチ、G0進化

これが序盤の流れです。
《バロン・ゴーヤマ》の効果で《グレイト・カクタス》を出した場合、基本的に《味頭領ドン・グリル》をサーチしG0進化からビートダウン!するのが目標です。
単純なビートダウンによる突破が難しい場合は、《ビクトリー・アップル》、《バロン・ゴーヤマ》をサーチし次ターンの動きを優先しましょう。

 

■カード解説

《バロン・ゴーヤマ》
このデッキの核です。
シールドの把握、マナの必要色の確保、フォートE種族の確保、デッキ内カードのマナへのストック、状況に応じたワイルド・ベジーズの展開、ピンポイントな墓地肥やしを1枚で行います。
場に出てくるワイルド・ベジーズが持つ効果もキーカードのサーチ、アンタップマナの増加、マナ回収などと幅広く、自由度の高いカードであると感じています。

《味頭領ドン・グリル》
このデッキのフィニッシャーです。このカードのG0召喚をいかに狙うかがこのデッキの鍵。
9000という高いパワーから戦闘で処理されづらく【緑単サソリス】が採用している《諸肌の桜吹雪》を戦闘で破壊できるのがとても便利でした。
また、進化獣であるため【モルトNEXT】などで採用されている《英雄奥義 バーニング銀河》などのカード除去を使用されても進化元となったカードが場に残ります。この打点が途切れづらい特性は今大会で大きく勝利に貢献しました。
また同デッキタイプに採用されている《熱血龍メッタギルス》は進化クリーチャーを選べないので、そこも強みであると言えます。

《グレイト・カクタス》
デッキの核である《バロン・ゴーヤマ》、フィニッシャーである《味頭領ドン・グリル》をにサーチすることがほとんど。
《バロン・ゴーヤマ》から展開した場合、マナを1枚墓地に送りつつ手札消費なしで2体展開することができます。
盤面のワイルド・ベジーズの数によってはそのまま《味頭領ドン・グリル》に進化、ビートすることも可能です。

《ビクトリー・アップル》
フォートEにより墓地からのマナ確保とマナ回収を同時に行うことのできる珍しいクリーチャー。
墓地からマナに置くカードはアンタップインするため、実質1コストでの召喚が行えます。
フォートEの関係で、基本的にマナのクリーチャーをコスト+1、墓地のクリーチャーをコスト+2で使用できるため《バロン・ゴーヤマ》などでマナや墓地に送ったクリーチャーを生かす場面が多くあります。
今大会では、墓地の《百万超邪 クロスファイア》を再利用する動きが強力でした。
2コストのメリット持ちアタッカーでありながらパワーが2000あるため、《天真要請オチャッピイ》、《成長の面 ナム=アウェイキ》などに相討ちを取られずビートしていけるのも魅力です。

《クリクリ・イガラーズ》
墓地からのマナ確保orマナ回収を行うカードです。
《ビクトリー・アップル》と比較するとマナがタップインする点とどちらか一方しか行えない点で劣って見えますが、こちらはフォートEが必要ないため《バロン・ゴーヤマ》や《地獄門デス・ゲート》などから効果が使用できる点で優れています。
《バロン・ゴーヤマ》から出した場合、消費したマナを回収しながら展開することもできます。ただこのデッキの場合、6コストの《地獄門デス・ゲート》を採用しているため、5マナを残してターンを終えることを優先する場面が多くありました。

《ジオ・ナスオ》
序盤の墓地肥やしを行うカードです。墓地を肥やしつつアンタップマナを増やすため、実質1コストでプレイできます。
《バロン・ゴーヤマ》から出した場合、《バロン・ゴーヤマ》の効果を含めて2枚のマナをアンタップ状態で確保できる為、そのターン中に《ビクトリーアップル》等を追加で召喚できるようになるのです。

《ダンディ・ナスオ》
《ジオ・ナスオ》の上位カードです。流石は殿堂入りクリーチャー。
《ジオ・ナスオ》で行える事に加え、シールドの把握、マナに置くカードの選択までできます。

《レイジング・バンブー》
今回のMVP。大会中最もテキスト確認されたカード。
そしてフィーチャー席で熱く語らせていただいたカード!
多くの《ワイルド・ベジーズ》が生み出す1マナを有効活用するために採用しています。

《バロン・ゴーヤマ》を出すと、アンタップマナが1枚追加される為、効果で盤面に出る《グレイト・カクタス》からこのカードをサーチし召喚することで《バロン・ゴーヤマ》1枚からのワイルド・ベジーズ3体展開が可能になりました。
《味頭領 ドン・グリル》をフィニッシャーとしているこのデッキでは、盤面に並べるワイルド・ベジーズの数がとても重要です。
盤面に1体しかワイルド・ベジーズがいない状態から《味頭領 ドン・グリル》に繋げられるこの動きは主に中速ビートダウンデッキと対戦した際に役立ちました。
また、予選での黒緑速攻との試合では先行3ターン目に《ジオ・ナスオ》、《ビクトリー・アップル》、《レイジング・バンブー》と展開し、前ターンに出していた《ダンディ・ナスオ》と合わせて4体の《ワイルド・ベジーズ》をそろえることができたため《味頭領 ドン・グリル》に間に合い、相手クリーチャーを処理することができました。

【ワイルド・ベジーズ】を使う人にはぜひ試していただきたいです!ぜひ!

《緑神龍ドラピ》
《ビクトリー・アップル》のフォートEを満たすために採用したカードです。
《ビクトリー・アップル》を使用するデッキでは《斬隠蒼頭龍バイケン》をはじめとして人それぞれ様々なドラゴンを採用していますが、今回自分は自然文明である点と初動として機能する点からこのカードを採用しました。

フォートEの関係上《バロン・ゴーヤマ》の効果で優先的にドラゴンをマナに送りたい状況は珍しくなく、そのターン中の他のカードのプレイを考えるとドラゴンが自然文明であることは重要でした。
また、《ワイルド・ベジーズ》には墓地のクリーチャーをマナに送ることのできるカードが2種類存在しており、このカードの自壊と合わせることで《シビレアシダケ》のような動きが可能となります。
滅多にありませんが《密林の総督ハックル・キリンソーヤ》のマナ進化元にすることでカード除去に対するプレッシャーをあげることもできます。

《密林の総督ハックル・キリンソーヤ》
マナ回収からの奇襲要員として採用しました。
SFがとても便利で、【黒単ドラグナー】などの軽量ブロッカーが採用されるデッキに対してシールドを削った後のフィニッシャーとして活躍しました。
《ビクトリー・アップル》などからの回収を含めてマナからでも5マナで使用できるのも長所。《百万超邪 クロスファイア》とのコンビは強力です。

《父なる大地》
展開を阻害するシステムクリーチャーなどの早期除去と疑似ランデスのために採用したカードです。
元々は複数枚投入していましたが、調整で使用する機会が少なかった事とスペースの関係で減らしました。
今大会では【イメンループ】に採用されている《霊騎ラグマール》などのカードを利用して場の合計コストを減らすといった働きをしてくれました。

《地獄門デス・ゲート》
墓地のカードを増やしやすいこのデッキに相性の良いSTです。
《終末の時計 ザ・クロック》、《バロン・ゴーヤマ》などを状況に合わせて出していきます。
除去と展開を同時に行うことができ、《ワイルド・ベジーズ》はコストの低いカードが多いため不発になりづらいのも魅力です。

《インフェルノ・サイン》
《地獄門デス・ゲート》と異なり除去能力はありませんが、相手の場に依存せず確実に7コスト以下のカードを蘇生できます。
5コストであるため手札からの発動も難しくなく、墓地に存在するG0が満たせていない《百万超邪 クロスファイア》などで奇襲を行うこともできます。

《百万超邪 クロスファイア》
墓地にクリーチャー6体というG0の条件が満たしやすく、マナに火文明を要求しない火文明SAです。
このデッキは多くのクリーチャーが自然文明であるため《調和と繁栄の罠》の影響を大きく受けてしまいます。
そのため自然文明を持たず無理なくデッキに入れることのできるアタッカーであるこのカードを採用しました。
《バロン・ゴーヤマ》からの《クリクリ・イガラーズ》でこのカードを回収すると、場に《ワイルド・ベジーズ》がいなくても《バロン・ゴーヤマ》1枚でSAが作れるようになることは採用に大きく寄与しています。
《ビクトリー・アップル》などからの使い回しもとても強力でした。

《熱血龍 GENJI・XXX》
調整時に勝率の低かった【白単ヘブンズゲート】と【黒単ドラグナー】に対するメタカードとして採用しました。
基本的には《地獄門デス・ゲート》、《インフェルノ・サイン》から出すことになります。今大会では使用する機会がなくって残念です。

《終末の時計 ザ・クロック》
ターンスキップを行う強力STです。
このデッキではデッキ、マナから墓地に特定のカードを容易に送ることが出来ます。
そのため、1枚のみでの投入であっても《地獄門デス・ゲート》、《インフェルノ・サイン》からターンスキップを行い反撃の為の1ターンを獲得することができます。
自身が攻撃を行うこともでき、《調和と繁栄の罠》を採用しているデッキとの対戦ではこのカードの1打点が重要になると考えています。

 

■最後に
ハンドルネームの関係から使い続けてきた野菜デッキを紹介することができ、とてもうれしく思っています。本選で《レイジング・バンブー》が実況された時の喜びは忘れません。
この紹介を通して【ワイルド・ベジーズ】に興味を持ってくださる方がいらっしゃれば、幸甚の至りです。ありがとうございました。


 

■紹介

HN:人参

岐阜県の花火屋という店で活動しているプレイヤー。
幼き頃、「将来の夢は人参」と書いてしまったがばかりに現在まで”人参”と呼ばれ続けている。
DRで彼に敗北した小学生たちは皆、【ワイルド・ベジーズ】を使うようになっているらしい。
第5回静岡CSの生中継席では、《レイジング・バンブー》について熱く語ってくれた。ありがとう!

 


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