【デッキ解説】緑t白ベアフガン(2015.9.22:193名古屋CS)by白

はじめまして、白(ハク)と申します。
今回は9月22日に名古屋で開催された193CSにて使用した【ベアフガン】について解説していきたいと思います。

『緑t光ベアフガン』
4 x 冒険妖精ポレゴン
4 x スナイプ・モスキート
2 x お目覚めメイ様
3 x トレジャー・マップ
4 x エボリューション・エッグ
4 x 進化設計図
4 x 獣軍隊 ベアッサー
4 x 密林の総督ハックル・キリンソーヤ
1 x 天真妖精オチャッピィ
2 x 獣軍隊 ランボンバー
4 x 超獣軍隊 ベアフガン
4 x 閃光の守護者ホーリー

2 x 龍波動空母 エビデゴラス/最終龍理 Q.E.D.+
1 x イオの伝道師ガガ・パックン/貪欲バリバリ・パックンガー
2 x 勝利のプリンプリン/唯我独尊ガイアール・オレドラゴン
1 x タイタンの大地ジオ・ザ・マン/貪欲バリバリ・パックンガー
1 x 魂の大番長「四つ牙」/バンカラ大親分 メンチ斬ルゾウ
1 x 勝利のガイアール・カイザー/唯我独尊ガイアール・オレドラゴン

■このデッキの特徴
シールドをブレイクする役割を《超獣軍隊 ベアフガン》へ一任することにより、デッキ内のスロットの多くを《進化設計図》《エボリューション・エッグ》《トレジャー・マップ》といったサーチ系統に割く構築が可能になりました。この「速度と安定性の両立」が【緑単侵略】の特徴です。
また現在は軽量ブロッカーにより防御を行うデッキが多いため、《密林の総督ハックル・キリンソーヤ》を搭載できるのも大きな強みといえます。

■メタ読み
8~9月にかけてのCSラッシュの結果から【ヘルボロフ】が最大勢力、次点で【イメン=ブーゴ】、それに【赤単レッドゾーン】【赤単ガトリング】【モルトNEXT】【天門】と続くと予想しました。
このデッキはこの中で【天門】以外には強気に出ることができ、特に《超獣軍隊 ベアフガン》の破壊置換と《密林の総督ハックル・キリンソーヤ》のアンブロッカブルが【ヘルボロフ】に対して有効です。
「時よ止まれミラダンテ!!」発売直後の大会でこのデッキタイプに対しまだ意識がなされていない段階であると判断し、このデッキを選択しました。

■赤単との差別化
このデッキを握るにあたって、似通った速度を持つ赤単系統との差別化を意識する必要があると考えました。

【赤単侵略】のメリット
・《轟く侵略 レッドゾーン》や《爆炎シューター マッカラン》などの盤面除去性能
・複数のキルルートによる柔軟性
・1枚でスピードアタッカーを持つクリーチャーの多さ=高いトップ解決力

【緑単侵略】のメリット
・優秀なウィニー性能
・キルルートの一本化によるデッキ内のスロットの多さ
・1回の攻撃で盾を四枚ブレイクすることができる
・《密林の総督ハックル・キリンソーヤ》による詰めの決定力

こちらの大きな利点は《超獣軍隊 ベアフガン》の1回の攻撃で4枚のシールドを持っていくことができることです。攻撃が通りさえすれば、打点を横に並べて分けるよりも盾からの除去やスパークに対して強く出ることができます。先にシールドを《獣軍隊 ベアッサー》などで1枚割っていればこの時点でシールドは0枚になるので手札からの追加打点でゲームセットです。シールドからの《終末の時計 ザ・クロック》に対して無力なのはどちらも同じなので考慮していません。
またスロットの多さを最大限に活かし、サーチ系統によって安定性とトップ解決力を補いつつ、ST枠を確保することによって【赤単侵略】との差別化をしました。

■各カードの解説

《冒険妖精ポレゴン》《スナイプ・モスキート》《お目覚めメイ様》
初動。最大枚数は合計12枚ですが、《お目覚めメイ様》が進化前提の打点である点を重く見て2枚削ってあります。《スナイプ・モスキート》は3ターンキルが達成できなくなりますがリソースを途切れにくくしてくれる点が優秀です。

《トレジャー・マップ》《エボリューション・エッグ》《進化設計図》
このデッキの強みであるサーチ系統群。序盤は《獣軍隊 ベアッサー》《超獣軍隊 ベアフガン》、終盤は《密林の総督ハックル・キリンソーヤ》を手札に持ってきます。
中でも《エボリューション・エッグ》は他2枚と異なり必要なパーツを確実に加えられるだけでなく、2ターン目という早い段階でシールドの確認ができるためとても強力です。
《進化設計図》は手札の絶対数を増やすことができるため【ヘルボロフ】などの手札破壊をしてくるデッキタイプに対しては最優先で打ちたいカードです。
《トレジャー・マップ》は腐る場面が最も少なく、唯一進化でないクリーチャーを持ってくることが可能なので1~2ターン目での事故を回避しうる点も優秀ですね。

《獣軍隊 ベアッサー》《超獣軍隊 ベアフガン》
早期の《超獣軍隊 ベアフガン》達成には《獣軍隊 ベアッサー》への依存度がとても高いため、このリストでは最も重要な1枚です。しかし必ずしも2ターン目の攻撃で《獣軍隊 ベアッサー》に侵略する必要は無く、相手のデッキタイプや先手後手、手札の状況で判断する必要があります。
《超獣軍隊 ベアフガン》が単体でQブレイカーを持つ利点は前述の通り。1匹に打点を集中させることによるブロッカーへの弱さは《密林の総督ハックル・キリンソーヤ》がケアしてくれます。単体のステータスでパワー21000以上のブロッカーは存在しません!
また破壊をマナに置換する効果は文面以上に凶悪です。破壊されれば基本的に3マナ伸びるためサーチ+《密林の総督ハックル・キリンソーヤ》や1コスト+《獣軍隊 ランボンバー》の後続につながります。バウンスはすぐに侵略し直すことができるためほぼ意味は無く、早期に対処するのは非常に困難です。

《密林の総督ハックル・キリンソーヤ》
自然文明の速攻が擁する最高峰の突破要員。ここまでの解説で何度も登場していますね。
《西武人形ザビ・バレル》《白骨の守護者ホネンビー》《電流戦攻セブ・アルゴル》《光牙忍ハヤブサマル》などの現環境の優秀なブロッカーをまとめて突破できるため、Qブレイクを通す場面や通した後の追加打点としてこの上ない1枚です。

《天真妖精オチャッピィ》
対速攻・ビートダウンに対して有利を取るための札。【赤単】や同系など、同じような速度を持つ相手に後手を取ってしまっても盾から切り返すことが可能です。
今回はサーチとSTに枠を優先して割いたため最小限の枚数になってしまっていますが、より受けを重視するなら増量すべき札です。

《獣軍隊 ランボンバー》
《超獣軍隊 ベアフガン》が破壊されたりゲームが長引いてしまった時に継続して打点を生み出すことができる札。マナに置いておくことでリソースが切れてしまっても攻めの姿勢が崩れにくくなります。

《閃光の守護者ホーリー》
ST枠。この枠は追加の《天真妖精オチャッピィ》、除去呪文、《終末の時計 クロック》など色々試しましたが
・アタッカーとなる点
・1枚埋まってさえいれば勝敗をひっくり返す可能性が高い点
・ブロッカーに囲まれている状況でも無力化できる点
これらを考慮した結果《閃光の守護者ホーリー》採用に至りました。【ヘルボロフ】などが詰めにかかってくる場合は大抵横にブロッカーが複数並んでおり、そのような状況で《終末の時計 ザ・クロック》を踏ませても意味を成さないことが殆どでした。しかし《閃光の守護者ホーリー》ならば場のブロッカーを寝かしつつ返しのターンにプレイヤーに殴りかかることができます。《密林の総督ハックル・キリンソーヤ》と同様にブロッカーに弱いこのデッキの性質にマッチしていると判断しました。
なお対【イメン=ブーゴ】に対しては《龍覇 イメン=ブーゴ》+《爆轟 マッカラン・ファイン》のジャスキルを防ぐことができても《邪帝斧 ボアロアックス》の龍解を許してしまうため《終末の時計 ザ・クロック》の方に軍配が上がります。

超次元は《調和と繁栄の罠》をマナに置いてもらう可能性を少しでも上げる為に【ビッグマナ】系統のブラフを用意しました。このブラフ選択はまだまだ研究の余地があると思います。

■各デッキへの立ち回り

【ヘルボロフ】
《進化設計図》《スナイプ・モスキート》を優先してリソースが尽きないよう意識して戦うよう意識します。《超獣軍隊 ベアフガン》が破壊されればマナは供給されるためマナセットは最低限に留めます。
《ファンタズム・クラッチ》はほぼ採用されていると見てよいので《獣軍隊 ベアッサー》への侵略の為に盾に触りに行くのは避け、《超獣軍隊 ベアフガン》で盾に触るようにします。その後は《密林の総督ハックル・キリンソーヤ》《獣軍隊 ランボンバー》を絶えず投げ続けて追い詰めましょう。

【モルトNEXT】
真っ先に《エボリューション・エッグ》でシールドを確認しに行くべき相手。《閃光の守護者ホーリー》がシールドに埋まっている場合はかなり余裕を持ってゲームを進めることができます。埋まっていない場合は《超戦龍覇 モルトNEXT》によるジャスキルとの速度勝負となる場合が殆どであるため、こちらも3キルを目指します。
しかしこちらが先手の場合であれば2ターン目にシールドに触りに行くリスクを冒す必要はありません。3ターン目の《獣軍隊 ベアッサー》召喚から《超獣軍隊 ベアフガン》へ侵略していきましょう。

【イメン=ブーゴ】
相手の《天真妖精オチャッピィ》1回で《電流戦攻セブ・セブアルゴル》に、複数あれば《龍覇 イメン=ブーゴ》に到達してしまいます。《ドンドン吸い込むナウ》《終末の時計 ザ・クロック》もあるため最も不安要素が多い相手です。
《龍覇 イメン=ブーゴ》着地前にシールドを0にして《密林の総督ハックル・キリンソーヤ》を投げる流れを目標に、相手のマナセットや次元の《勝利のプリンプリン》の枚数をよく観察して押す場面を見極める必要があります。

【ガトリング】
殴り返しの為に《冒険妖精ポレゴン》を優先して召喚。やはり《エボリューション・エッグ》でシールドを確認しにいきます。《デュアルショック・ドラゴン》《フレイムランス・トラップ》などのカウンターが存在するため、超過打点を作るまではシールドに触るのは避けましょう。場に6打点+αを並べる速度はこちらの方が上なのでやや有利ですが、《爆炎シューター マッカラン》が厄介なので複数回投げられると《閃光の守護者ホーリー》が埋まっていない場合厳しい展開を強いられます。

【レッドゾーン】
この場合は《デュアルショック・ドラゴン》《フレイムランス・トラップ》の採用率は低いため2ターン目の《獣軍隊 ベアッサー》侵略は比較的安全です。《早撃人形マグナム》が着地すると侵略を用いたルートは閉ざされてしまうため、その意味でも序盤から攻勢を仕掛けていくのが理想です。その後は返しの《轟く侵略 レッドゾーン》で盤面が壊滅するのを防ぐためにパワーの低いクリーチャーはタップし過ぎないよう心がけましょう。
こちらが後手の場合でかつ2ターン目に《一撃奪取 トップギア》を引かれている場合は2択を強いられます。《獣軍隊 ベアッサー》で動けば《轟速 ザ・レッド》などからの侵略で殴り返され、動かなければ《早撃人形マグナム》で侵略を封じられてしまうのです。

【ビッグマナ】
このデッキの天敵である《調和と繁栄の罠》が搭載されています。6マナに到達してしまうと《調和と繁栄の罠》+《龍素記号Sr スペルサイクリカ》が達成されてしまうため猶予ターンが最も少なく、不利な相手。
6マナに届くまでが勝負なので、盾からのマナ加速を複数踏んでしまうパターンは割り切り、《冒険妖精ポレゴン》《お目覚めメイ様》を優先し3キルを目指します。

【天門】
《ヘブンズ・ゲート》が埋まっていれば負け、無ければ勝ちです。信じて突っ込むしかありません。《サイバー・I・チョイス》《プロテクション・サークル》が搭載されていればより敗色濃厚に。諦めましょう。

■簡易レポート
予選1回戦:【白刃鬼】○
予選2回戦:【緑単ベアフガン】○
予選3回戦:【天門ループ】×
予選4回戦:【ドロマー超次元】○
予選5回戦:【黒単ヘルボロフ】○
予選6回戦:【赤緑モルトNEXT】○
準々決勝:【赤単t白レッドゾーン】○○
準決勝:【赤緑t黒青モルトNEXT】×○○
決勝:【イメン=ブーゴ】×○×

■終わりに
8月から毎週のように行われていた今夏のCSラッシュもそろそろ一段落を迎えようとしています。これからは店舗予選やエリア予選に向けて「革命編ブロック構築」の研究に差し掛かる方も多いと思います。「時よ止まれミラダンテ!!」に収録されている新カードを目にする機会はさらに増えていくでしょう。Rev環境ではどんなデッキが活躍を魅せてくれるのか、今から楽しみですね!


 

■紹介
HN:

【主な戦績】
第3回静岡CS(個人戦)best8
おやつチャンピオンシップ2015Winter(5人チーム戦) 準優勝
193名古屋CS 準優勝

日本の中央、名古屋の本山で活動しているプレイヤー。「しろ」でも「うす」でもなく「はく」であり、相手がジャッジであろうと名前を間違える人間は許されざる。
最新のカードを使ったデッキをいち早く実戦投入することに長け、10年以上のDM歴に裏打ちされた堅実な構築には定評がある。

DMEDH、キューブ・ドラフト、タワーデュエルといった多くの変種ルールにも精通し、そうしたゲームでは自身で手書きのプロキシを製作している。出来栄えは一見の価値ありである。


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