【イベント統計】プレイヤーは、何度CSに参加しているのか

【前回の記事】
【イベント統計】CSの実態をデータから探る

前回に引き続き、CSの実態について調査しております。今回は「プレイヤーが複数回参加しているか否か」がテーマです。

○目的
CSの参加者は何度CSに参加しているのか数値を出し、直近のCS参加者増加の原因を探ります。
今回は個人戦のCSを選定しましたが、これらのCSの参加者リストはどれほど重複しているのでしょうか。重複が多ければ多いほど、多くのCSが同じ参加者で構成されていることになります。

 

○対象CS
2014年3月以降に開催された個人戦で、予約者リストがテキストで公開されているもの。すなわち、
おやつ2015,ズンドコ2014秋,山梨ダイナマイト2014,第1回ぱるく,第1回めんたい,第1回江戸前,第1回山形,第1回鹿児島,第1回町田,第1回北海道,第2回DMGP,第2回プラスワン,第2回めんたい,第2回火の国,第2回江戸前,第2回庄内,第2回富山,第2回平城,第3回静岡,第3回富山,第3回平城,第4回ゆけむり,第4回静岡,第6回ファイヤーボール,第6回岡山,第6回下町,第6回浜松,第7回ファイヤーボール,藤沢2015冬
です。(50音順、CS略)
※アクティブなプレイヤーについて調査したいため、ここ1年ほどの開催、かつチームメンバー等他人の都合が関係しづらい個人戦のみを抽出します。

 

○調査方法
各CSにて公開されているキャンセル者、キャンセル待ち者を含む予約者リストを全て調べ、リストに掲載されている名前の重複をチェックします。参加する意思があるかどうかという部分の問題であるため、キャンセル待ち者等も含みます。
この方法はHNを大きく変えて出場されている方を別人として見做しており、そういった方はさほど多くないという前提に立っています。
また、本記事内で「初参加」「X回参加」という表記が出てきますが、それらの表記はあくまでこの調査対象の中で何度参加しているかということであり、ここ6年全てのCSを調査した結果ではありません。

 

○結果
上記29CS、のべ4583人分のリストを調べました。
確認されたHNは2639人分。各HNの平均参加回数は1.8回でした。
最も参加回数の多いHNは12回参加されており、1人だけいらっしゃいました。次に多いのは10回で、3人いらっしゃいました。

CS参加者の参加回数

 

1度しか参加したことのないHNが全体の64%を占めます。5回以上参加したHNは、全体のわずか5%にすぎません。

 

○直近のCSを構成するプレイヤー
直近のCSは、予約開始時にすぐ枠が埋まってしまう状態になっています。このようなCSに参加するプレイヤーは、ここ1年で何度CSに参加しているのでしょうか。
比較するために、夏に開催された第4回静岡CSのデータも掲示しています。

・第4回静岡CS
静岡CS参加者の参加回数

 

関東圏から近い第4回静岡CSでは、初参加者は20%。5回以上参加したことのあるHNの割合は27%。
静岡CSは、第3回静岡CSも集計対象に入っている関係上リピーターが含まれ、初参加者は少し減ると推測されます。5回以上参加したことのあるHN割合はDMGPとさほど変わらないため、関東圏や中部圏には何度もCSに出場しているプレイヤーが一定数存在するのでしょう。

・第2回DMGP
DMGP参加者の参加回数

 

DMGPの参加者のうち、29%がCS初参加のHNです。5回以上参加したことのあるHNの割合は25%でした。

・第6回岡山CS
岡山CS参加者の参加回数

第6回岡山CSにおけるCS初参加のHNは42%。5回以上参加したことのあるHNの割合は14%でした。

県名 CS開催数
東京 25
神奈川 16
静岡 13
岡山 5

前回の記事中で示したように、関東圏と比べて岡山方面のCS数は少なく、そのことが初参加者の多さに影響を与えていると考えられます。

 

○比較結果
夏に開催された静岡CSと3月に開催されるDMGPの予約者を比較すると、顕著な差があるのは初参加者の割合でした。しかし、静岡CSのリピーターが含まれるためはっきりと断言はできません。
そこで、第3回静岡CSの予約者リストを消去したうえで、第4回静岡CSと第2回DMGPのグラフを作り直しました。

・第4回静岡CS
静岡CS参加者の参加回数-3回抜き

初参加者は25%。2-4回参加者は53%。5回以上参加者は22%。

・第2回DMGP
DMGP参加者の参加回数3回抜き

初参加者は29%。2-4回参加者は48%。5回以上参加者は23%。

明らかに増えているのは初参加者で、5回以上の参加経験を持つプレイヤーは微増にとどまっています。即ち、直近の受付時の争いは新規層の増加によって引き起こされていると言えます。
無論第2回DMGPの定員が第4回静岡CSより大きいことを忘れてはなりません。ここで示されているのは「参加者は全体的に増えているが、その中でも突出して増えているのが初めて参加するプレイヤーである」ということです。「初参加とは、調査対象のCSの中で初参加である」ということにも留意しなければなりません。

岡山CSではよりこの傾向が明確になっていると考えられます。CS数の少ない地方では、界隈全体の「新規層の増加」という傾向が如実に出ているのでしょう。

 

○結論
今回の調査手法が正しければ、今後もしばらくこの予約枠争いの状況が続くのではないかと思われます。言い換えれば、CSを主催してみたかった方にとっては非常に大きなチャンスであるということです。
前回の記事で示したようにここ2年はCSの規模の拡大が続いていますが、CS数自体は増えていません。2011年―2012年ごろは人口の増大に伴ってCS数も増えていたのですが、2013年―2014年はCS自体の規模の拡大によって増加した人口を捌いていました。しかし各CSの規模の拡大には会場という問題があり、ついにこのタイミングで人口増加に対応しきれなくなったのだと考えられます。

状況が変わるには時間がかかりますし、しばらくは既存の手法で運営していくしかありません。現在の状況は、誰がやっても同じ結果になる仕方のないことだと思います。
CSを主催するのは大変なことですから、参加者である我々もこれまで以上に運営側に協力しつつ、あるいは運営側に回ったりして、より良いイベントの成立を目指せるといいですね!


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