先日、クリエイターズ・レターVol8にて認定ジャッジシステムの概要が発表されました。
応募資格はたったの二つ。14歳以上で、そしてデュエルマスターズの知識とやる気を持っていること。
この条件のもとに応募される方々はどのような経歴を、そして考え方をお持ちなのでしょうか?
早速浜名湖CSに参加された応募予定者の方にインタビューさせていただきました。
トップバッターはみなさんご存じ静岡CS主催、Thunders#36(松浦元気/26歳)さんです!
(※応募フォームにHNを書く欄がないことからジャッジは実名での活動が予測されるため、ジャッジ志望者インタビューでは本名を併記させていただいています)
■経歴
*入賞歴*
CS:プレイヤーデータ(Thunders36)
公式大会:EM中部エリア予選(ベスト8)、DS中部エリア予選(優勝)
*運営歴*
第6回浜松CS:フロアジャッジ
第1-6回静岡CS:主催者
第1-3回藤枝CC:主催者
第1回浜名湖CS:フロアリーダー
デュエマGP1st:サブリーダー
■インタビュー
――本日はよろしくお願いいたします。最初にCS運営のきっかけと、これまでの経歴を教えてください
「黎明期以来ずっとCSに出続けていたんですけれど、自分の求める”競技”とはどこかずれているような気がしていました。競技性を求める友人たちはMtGへ移って行ってしまい、DMって競技性を追い求めたイベントがほとんどないと感じるようになって。そんな中、遠征して参加した桃太郎決闘祭で旧友のLumines(※静岡CS初代SK・GP1stサブリーダー)と再会したんですよね。自分がずっと思っていた”競技”に関する思いをぶつけて、”自分たちでやろう!”と言ったら同意してもらえて…それで、2012年の8月に静岡CSを始めました」
――競技性について触れていただいたんですけれど、競技性と言うのはレギュレーション、あるいはルールのどちらでしょうか
「両方です。当時は依然として卓制のイベントが多かったですし、選手もどちらかと言えばみんなで騒いで楽しむことを目的としていたフシがありました。そんな現行の体制を変えたいと思って静岡CSを始めたんです。
もっとも第1回大会は僕らも卓制でしたけど…第1回はおやつCSさんの関東大会と被ってしまって定員が埋まらない不運もありました。それで第2回からはスイスドローを採用して、そのまま現在に至ります。」
――状況は変わったと感じますか?
「変わったと思います。dottoさん(※関西のトッププレイヤー)のようなストイックな選手が現れていて、自分としてはとてもうれしいです。大会も、今年の8月にデュエマGPが開催されましたよね」
――Thunders#36さん、デュエマGP1stではジャッジへ応募されてましたね
「当初は選手として出場する予定だったのですが、ジャッジ応募の2次募集が始まったことで心が揺らぎ…最終的にジャッジへ応募し、Luminesとともにサブリーダーを務めました。直接静岡CSへお越しいただいてお話をさせていただき、またこれまでにない環境、ルールの整備を行ってくださったメーカーの担当の方の熱意へ応えるにはそれが最も良いと思ったんです。今のデュエルマスターズは間違いなく良い方へ向かってますし、それを応援したいです」
――担当の方は時間をかけて各地へ足を運ばれてましたものね
「そうですね、本当にありがたかったです。CSサポートが強化されて、藤枝CCのような賞品にゲーム機を用意しない大会も開けるようになりましたし。自分は賞品を安直にゲーム機にすべきではなく、デュエルマスターズに関連したものが良いと思っているので、こうしたユーザー目線のサポートは嬉しい限りですね。
デュエルマスターズの歴史ではかつてないことですし、これを積極的に生かしていくべきだと感じます」
――CSサポートもあってかCSは増えていますが、新しく運営スタッフに挑戦したいという人はどのような準備をすべきでしょうか?
「ジャッジの基本はその場に止まらず動くこと、これを出来るようにしましょう。加えて、プレイヤーとしてCSに参加する際にフロアジャッジ達がどのような動きをしているのか見ておくことが大事ですね。自分は勉強のためにMtGのグランプリへ幾度か行ったことがあります。練度の高いジャッジ達がどのような動きをするのか、問題に対してどう対処するのか、大変勉強になりました。
主催する場合は、今だとまずCCを行った方が良いです。ノウハウもそうですけど、一緒に運営してくれる仲間集めって案外大変ですから…出来るだけ負担の少ない形式で経験を積み、仲間を探すのがベター。だから004(※岡山CS3代目主催・DMプロプレイヤー)君の提案したCC形式は素晴らしいと思ってます!」
――関連してもう一つ、次世代の育成についてはどうお考えでしょうか
「内気で腰の重い子が多いので、いかに励まして表に出してあげるかが重要。いろんなタイプがいますけれどね。
今期待しているのはジェニー(静岡CS/浜名湖CS/GP1stフロアジャッジ)。なんと自分からジャッジを経験したいって言ってきてくれて、そのままGP1stにも応募してたんですよ。まだ18歳と若いですし、将来性も十分。どうなるか楽しみです」
――CSのために尽力されているThunders#36さんですが、ジャッジ専門になるご予定は?
「まだ日本一になってないし、GPでも優勝してません!というわけで、これからも選手とジャッジ、両方でベストを尽くします。
やっぱりイベント専門だと自分はダメなんです。元々選手としての不満を解決するために運営を始めたわけで、選手としての自分がなくなってしまったらイベント運営もダメになってしまう。
これからも選手として出場し、その選手目線で得た経験を次の運営へ活かす。これを続けていきます」
――選手としてのThunders#36さんについてお聞かせください
「ピノキオってお店を中心に、広い静岡のあちこちでプレイしてます。ピノキオではシングルの値付けも担当してますよ。ジェニーやGAJIRABUTE(静岡CSフロアジャッジ)達と出会ったのも、そうした場所でした」
――調整メンバーもそうしたところから?
「そうです。今の調整チームで一番環境を把握しているのは、ジオの人(静岡CS初代HJ)ですね。昨年のエリア予選で自分が代表を取った時のトリガービート、今年の藤枝CCでお披露目されたRev限定の白黒赤天門はともに彼がビルディングしたデッキです。本当に能力のあるプレイヤーなんですよ」
――例年安定して新作を出してる方ですよね!ところで、影響を受けた選手の方っていらっしゃいます?
「ライカル(横浜DMGP/横浜CS主催・GP1stサブリーダー)君です!何度か遠征先で遭遇して知り合いになって、当たったのは川崎CSの決勝が初めてですね。もう本当にかっこいいんですよ。どこに影響を受けたか?と聞かれたら、全部!と答えます。
後は…面識は全然ないし、他のゲームの方ですけれど、齋藤友晴(MtGプロプレイヤー・晴れる屋店主)さん。遠征した時に晴れる屋へ行ってみたんですが、とにかく居心地がいい。あまりカードショップに長居するタイプではないんですが、ここならいくらでも滞在できると感じました」
――晴れる屋は凄いらしいですね。にしても、あの規模の店を作るなんてなかなか出来ませんよね
「MtGもプレイしているLuminesから聞いて知ったんですけれど、齋藤さんは明確なビジョンとそれを実現する行動力をお持ちで、かつ能力を十全に発揮してらっしゃいますよね。そういった…なんていうんでしょう、彼のライフスタイルかな?に憧れています」
――さて、話をデュエルマスターズに戻して、DMの今後についての展望をお聞かせください
「今、CSサポートはどんどん強化されています。先ほども述べましたが、これは絶対に生かすべき。DM人口が増えているという実感も自分にはありますし、CCの提案とCSサポートによって大会を開きやすくなっていると思います。
自分の理想は、毎週遠征して大会に出ること!そのためにもっともっと大会が増えてほしいですね。自分でも更に大きい大会を開こうかと考えたことはあって、MtGのGP静岡で使われた会場の使用料を見てみましたが…まだ手が出ないですね(笑)」
――今年の8月は奇しくも静岡CSとデュエマGPが被ってしまいましたが、GPはCSにどう影響するでしょうか
「150-200人程度の規模であれば、同月でも問題ないと思ってます。大きなイベントによる影響ってGPだけの話じゃないですしね。
例えば今日の浜名湖CS、ジャンプフェスタと被ってますよね?だから関東勢の姿が少ない。今は複数のTCGをプレイするハイブリッドプレイヤーが多いですから、他のゲームのイベントも影響してしまうんです。
他のイベントとは関係なしに、いかに自分たちのイベントの質を高めるかが今後の課題になるでしょう」
――それでは最後に、他の方へ伝えたいことを一つ!
「遠征をガンガンすべき!
近くのイベントだけでなく、遠くのイベントへ出向くことで人とのつながりはどんどん増えていきますし、なんといっても他県の選手との試合はすげぇ燃えるし楽しい!
自分は積極的に遠征するタイプで、おかげで付き合いはとっても増えました。デュエルマスターズは、自分の世界を広げるアイテムにだってなり得るんです。皆も是非!」
■インタビューを終えて
僕がThunders#36さんと初めてお会いしたのはPM中部。それからも遠征先で何度かお会いし、そしてDM:Akashic Recordの設立を機に共通の目標に向かって進むようになりました。
僕から見たThunders#36さんの印象は、”挑戦者”です。どれだけ経験を積もうとも守りに入ることがなく、新しいものを恐れずに徹底して挑戦を続ける。レコード技術班としてオンラインペアリング、実況中継などを静岡CSへ導入させていただきましたけれど、それが可能だったのはほかならぬThunders#36さんのぶれない姿勢があったから。
前例のないもの、特に新システムの導入には常にリスクが付きまといますが、それを認めてくださったThunders#36さんのスタンスは、ご自身が影響を受けたとおっしゃっていたライカルさんや斎藤プロを連想させます。
そうした中で今回認定ジャッジシステムが始動し、やる気のある方がそれを発揮しやすい方向へと進み始めたのは本当に良かったと思います。
インタビュー中でも触れられていましたが、担当の方の熱意に応えるべくこれまで以上に頑張らないといけませんね。
認定試験に、Thunders#36さんが合格されることを祈っています。