AKASHIC RECORD CSや浜名湖CSにて、このゲームの数少ない実況者として活動するバートレット(渡邉康史/26歳)さん。8/27-28に行われる第8回DM静岡CSでも決勝トーナメントにて実況を務めるとのことです。
彼は最初にフロアジャッジとして静岡CSに参加し、そして現在ではGP2ndや静岡CSなど多くのイベントでスコアキーパーを務めています。ジャッジとして順調にキャリアを積んでいた彼が実況をはじめるに至った経緯、そしてイベントにおける実況について聞いてみました。
■経歴
*運営歴*
第6回浜松CS:フロアジャッジ
第4-8回静岡CS:フロアジャッジ→スコアキーパー
第1-3回浜名湖CS:スコアキーパー/ニコ生実況
第1回AKASHIC RECORD CS:スコアキーパー/ニコ生実況
デュエマGP2nd:スコアキーパー
第1回志太CS:フロアジャッジ/スコアキーパー
*ニコニコ大百科*
・バートレットP
■前回のインタビュー
・【認定ジャッジ志望者インタビュー】バートレットさん(チーム静岡/浜名湖)
■インタビュー
――本日はよろしくお願いいたします。まず、実況を始めたきっかけを教えてください。
「デュエルマスターズで自分が最初に実況をしたのは、2016年3月のアカレコCSの時ですね。
あの時は本来りゅーてぃ(認定ジャッジ)さんがやる予定だったのですが、直前で”おそらく現着が間に合わない”との連絡があって…。
自分はもともと機材の準備だけする予定だったのですが、そういう理由でヤスさんから実況役を振られ、ぶっつけで挑戦することになりました」
――それまでは僕がUstでやっていた実況中継ですが、レコードCSからニコ生にしたんでしたよね。
「ええ、自分がニコニコ動画のプレミアムユーザだったこともあってそうしました。その時の配信風景を見ていたクワ(浜名湖CS主催/認定ジャッジ)さんが”うまいな…”と感心してくれて、5月の第2回浜名湖CS個人戦でも実況を担当させていただきました」
――Thunders#36(静岡CS主催/認定ジャッジ)さんと一緒に配信していたやつ?
「はい。自分はまだそれほどメタゲームに詳しくないので、スポーツの中継よろしく実況+解説という形で臨みました。
解説役を務めてくださったThunders#36さんはとても熱を入れてやってくださいましたよ。入れすぎて、個人戦終了後にひっくり返ってらっしゃいましたが…」
――流石、何事にも全力なThunders#36さん!ところで、バートレットさんはもともと実況的なことをやってらしたんですか?
「もう5年以上前のことになりますが、Ustreamでネットラジオのようなものを配信していた時期がありました。2010年の暮れか、2011年の頭ぐらいから始めたんだったかなぁ。1年ぐらい続けてましたね」
――どんな内容だったんです?
「音楽のジャンルに、ハードロックやへヴィメタルってあるじゃないですか。それとアイドルマスターを組み合わせたMAD動画がニコニコにたくさん上がってるんですけれど、そうした動画を紹介する形式で放送していました」
※MAD動画参考→アイドルマスター × BonJovi ― It’s my life コラボPV Short.ver
――Bon JoviやWIG MAMは僕も好きですよ。放送は週1ぐらい?
「そうですね、他のプロデューサーさんたちの動画を週1で紹介していました。
こうやって他の方の作品を紹介するのはアイマス界隈ではよくあることなんです。他の方のネットラジオに僕がお邪魔するようなこともありましたね」
――そういう経験をもとに、TCGという分野へ挑戦されたと。
「実は、実況を始める前にヴァンガードの対戦動画(※)を作っていたことがあったんです。Deadman(WotC)さんが入社前に作っていたようなものとは違って、一般に”闇のゲーム”動画と呼ばれるものでしたが」
※参考→俺たちのヴァンガードファイト!~神話大戦編5~(その133)
――お、ヴァンガードですか。
「ええ、このゲームの対戦動画は数こそ少ないものの、活動されてる方はみな個性的です。
ガチの対戦を撮る、というよりは魅せプレイに拘る方が多いですね、プレイをショーアップしたいという気持ちが強いんです。
ヴァンガードはトリガーの捲れ方でゲームの行方が左右されるので、ネタカードでも光るんですよ。僕らはマイナーカードを使いすぎて”wikiを見ないとわからない”とコメントされたことも(笑)」
――ヴァンガードからデュエマに移ったのは何故ですか?
「クワさんのような、周囲の人間が始めたからですね。僕はそれまで、MtGのようないわゆるマナコストのあるゲームをまともにプレイしたことがなくて…それで、一度やってみるかという気持ちで始めました」
――そこから運営、そして実況へ…というのは結構珍しいですよね。
「最初に運営として参加した静岡CSでは、主催者のThunders#36さんがマイクを持って実況するのが常になっていました。そのときは違和感もなく、そういうものかなという感じでした。
そのあとにニコ生で見たMtGのGP静岡の実況。MtGにも実況があると知って驚きました。こういう関わり方、盛り上げ方もあるんだと。
そうしたら、デュエマGP1stでも真木(WotC)さん、Deadmanさんが実況をやってらして、デュエマでも出来るんだと確信しましたね。公式でもあるし、非公式でもあったっていいだろうと思って。Thunders#36さんがマイクを握っていた姿も後押しになりました。
元々、静岡でヤスさんがUstで中継を行っていましたしね。ハードルは低かったです」
――媒体としてニコ生を選んだ理由を教えてください。
「きっかけは、GPの生放送がニコ生を使って行われていたこと。見ていたんですけれど、リアルタイムでコメントが流れるというのは素晴らしい。ガヤとして機能しますからね。
コメントを拾って場をつなぐこともできますし、視聴者はコメントに応えてもらうことで一体感を覚えます。
それに、ニコ動はYoutubeなんかと性質が違うと思うんです。Youtubeはじっくり見たい時、ニコ動はみんなで盛り上がりたいときに見るものだと僕は思っているので、盛り上げるための実況にはニコ生が適切だと感じました」
――確かに、ゲームの実況はニコ動によく上がってます。
「実況や解説の知らないカードやコンボが万一出てきても、視聴者がコメントでフォローしてくれますしね。自分がネットラジオを放送していた時、知らないバンドは視聴者に聞いていたことを思い出しました。
コメントがつなぎになるんですよね。GP1stでもDeadmanさんが”どんなデッキが勝つと思う?”って視聴者に振ってコメントを拾ってましたし…当日来れなかった人も一緒になって盛り上がれるんです。
競技イベントってハードル高そう、と思っている方には是非実況を見ていただければと。場の空気を共有できて、なんとなく雰囲気がわかりますよ」
――今まで実況してきた中で、印象に残っている選手はいらっしゃいますか?
「第2回浜名湖CS個人戦の優勝者、紗那選手です。彼はループ型の【ヘブンズゲート】を使用していました。
一つ印象に残っているゲームがあって…決勝戦にて対戦相手の【緑単サソリス】がクリーチャーを横に並べてきていたんですね。それに対して紗那選手は手札からシールドへカードを1枚埋めました。
サソリス側としてはセオリーに従うならば、紗那選手が埋めたシールドをブレイクしておくべき場面。しかし、アタックによってブレイクされたシールドから現れたのはまさかの《アポカリプス・デイ》でした。
紗那選手は【サソリス】をケアするために入れていたとのことで、彼の読みが完璧に的中したわけです。
彼は視聴者人気も高く、放送時は”紗那選手をフィーチャー卓に呼んでほしい”といわれつづけていました(笑)」
――最近は運ゲーになったなんて言われますが、勝利にはそれなりの理由がありますよね。
「印象に残っている選手をもう一人上げさせていただきますと、アカレコCS3位の秘龍選手です。
BBPが出てまだそれほどたっていないタイミングで《ニコル・ボーラス》を使っていたこと、彼の駆る5Cジャックポットが練り込まれたリストだったのでよく覚えていますね」
※【プレイヤーインタビューIN浜名湖CS】秘龍さん(アカレコCS 3位)
――ありがとうございます。今後、実況をされるご予定はありますか?
「8月の27,28日に行われる第8回静岡CSでやりますよ!もしお嫌でなければ選手の方も実況席にお呼びできればとか、色々考えています」
――選手にスポットを当てる、と。
「ええ。最近では公式もそういう方向に動いているのかなという印象を受けますし、実況を通じて選手をフィーチャーしていければと。
自分はまだデュエルマスターズというゲーム、そして選手の皆さんにとても詳しいというわけではないので、これを通じて勉強させていただければと思っています。
中継を見ていただいている方の中にはカジュアルプレイヤーもいらっしゃると思うので、そういう方へ向けては出来るだけプレイングの意図の解説などしていく予定です」
――今までは結果発表を待たないと大会の様子はわかりませんでしたから、こういう試みは良いですね。
「実況ならリアルタイムでわかりますからね。
こうしたチャレンジによって共通の話題が生まれ、トーナメントシーンが盛り上がればいいなと考えています。
プレイヤーとしても活動する身としてはやっぱり、努力に対しては相応の評価があるべきだと思うんです。せっかくCSへ出るからには頑張って練習した結果を残したいという思いがありますから」
――トーナメントシーンと言えば、見る専の誕生が不可欠ですよね。スポーツのような…。
「はい、そういう意味では競技イベント出場には興味がない人や、プレイしたことがない人にも見ていただけるようなものにしなければと思っています」
――最後に、これから実況を始めてみたい…なんて人にアドバイスはありますか?
「まずは、他TCGの実況を見てみることをお勧めします。その次はしゃべりの練習として、対戦動画を作って上げてみるとか。
動画を作ることで、画面の向こうの人を意識するようになれます。見てくれる人の存在は大きいものです。
対戦動画はちょっと面倒…という人には、ゲーム実況なんかいいかもしれませんね。シャドバなんかはアプリから簡単に配信が出来ると聞きましたし、プレイしながら解説していくのは練習になるかも。相方がいるとより良い放送になるかもしれません。
もし実況や中継をお考えのイベントチームがあれば、相談に乗りますよ!ウェブカムやコード類、マイクはまとめて2万ほどあれば帰ると思います。ニコ生は枠をとろうとすると30分当たり500円です。
相談していただければレコードのニコニコ生放送コミュニティをお貸しすることもできますので、ご予算と相談してみてください」
――ありがとうございました
■インタビューを終えて
バートレットさんへのインタビューは2度目です。1度目はジャッジ検定志望者として、2度目は実況者として。
最初会ったときは他TCGから移ってきたプレイヤー…ぐらいの情報しかなかったのですが、段々と色々な技能を持っていることが明らかに。動画絡みを難なくこなせると聞いた時にレコードの技術グループへ誘いました。
実況や中継は機材のめんどくささもあって、なかなか手を出しづらいもの。以前、実況に関しては他イベントから相談を受けたことがあるのですが、やっぱり色々面倒だったみたいで、相談されたうちの一件はお蔵入りしてしまいました。
先行事例がないとやりづらかったり、やっても人が集まらなかったりということはあると思うので、実況のみならず今後はイベント全体の相談にもチームとして対応出来ればなと思っています。
ひとまず、スコアキーパーや実況絡みでお困りの方はバートレットさんへご相談ください。
バートレットさんが、今後も自身の能力を活かして活動されるよう応援しています。