Writer:@suparku3
第4回静岡CS団体戦 決勝トーナメント1回戦
N(ギフトエンドオブザワールド) VS ユウキング(白刃鬼)
静岡CS1日目、総勢207名による個人戦が劇的な幕引きを終えた。
そして2日目ともなれば会場は喧騒からの落ち着きを取り戻し少しずつクールダウンに向かって動き出していく・・・と、思っていた。いやはや、そんなことなかった。
チームとしてひとつのまとまりを持ったプレイヤー「達」の勢いは衰えることなく、会場は熱気と興奮の渦に包まれていた。そんないまだ冷めやまぬ会場で、本選を生き残りいま激突する二つのチームの熱いカバレージをお届けしようと思う。どうか少しでも会場の雰囲気を嗅ぎ取ってくれるのならば幸いである。
Nのデッキは、N選手謹製の白赤黒緑のギフトエンド・オブ・ザ・ワールドだ。
ローグデッキとしての認知を受けているエンド・オブ・ザ・ワールドだが、驚いたことに予選5-1と驚きのパフォーマンスを発揮している。また今回、個人戦ベスト8の結果を残したおでんでん選手のオボロセカンドは彼が構築しシェアしたようで、彼独自の構築能力の高さを今大会でしっかりとアピールしている。
対するユウキング、環境上位とされる≪龍覇グレンモルト≫系や≪ミステリー・キューブ≫系に強く、現環境に存在するデッキのなかでも安定感が飛び抜けている白青赤緑の刃鬼を選択したようだ。対応幅の広さが売りで、やはりユウキング自身も「環境デッキに対し高い勝率を安定し出すことができる」と語っている。ここ静岡CSフォーマットの長丁場を見据えたデッキ選択であると言えるだろう。
このマッチング。ユウキングはプレイ面での取捨選択の幅が広く、Nのコンボに対して適切な対応ができるかどうかが、この勝負を分ける重要なポイントとなる。
N(ギフトエンドオブザワールド/黒赤緑)VSユウキング(白刃鬼/白青赤緑)
GAME1
先にブーストに成功したのはユウキング。≪ピクシー・ライフ≫≪フェアリー・シャワー≫と繋ぎ足早にマナを伸ばしていく。Nも2ターン目のブーストには出遅れたものの、トップより≪霞妖精ジャスミン≫を2ターン連続で引き込みマナを伸ばしていく。
4ターン目。ユウキングはNの足止めをするべく≪パクリオ≫をプレイ。≪パクリオ≫により暴かれたNの手札は≪魔龍バベルギヌス≫≪復活の祈祷師ザビ・ミラ≫。≪黒神龍エンド・オブ・ザ・ワールド≫がないことに一安心しつつも、墓地が肥えた際のプレイを加味しリアニメイトカードである≪魔龍バベルギヌス≫を盾へと幽閉する。
鍵となる≪黒神龍エンド・オブ・ザ・ワールド≫を引き込むことのできないN。ドローゴーに続いて≪黒神龍ハイサイ・ラッシャイ≫を召喚するのみと満足のいくアクションを起こすことができない。そんなNとは対照的にユウキング。≪爆進イントゥ・ザ・ワイルド≫で3ブースト。≪蒼狼の使徒アマテラス≫から≪ドンドン吸い込むナウ≫。アマテラス自身をバウンスしマナ、ハンド両面を潤していく。どうやらNにとって刃鬼召喚の足音はすぐ傍まできているようだ。
刃鬼という名の時限装置が近づいてくる中、Nがトップしたのは≪ライフプラン・チャージャー≫! 持ってくるのは待ちに待った≪黒神龍エンド・オブ・ザ・ワールド≫。だが、マナが足りない・・・
と思いきや≪フェアリー・ギフト≫を手札から見せ即座にそれを召喚してみせる。大量の墓地が積み上げられ、墓地から≪黒神龍ハイサイ・ラッシャイ≫を3体・・・いや、少し考えたのちに2体のみを場にリアニメイトしてみせた。
一見、ワンショット時のアタッカーを減らしてしまうミスプレイのように思えるのだが、ユウキングのマナに見えている≪アポカリプス・デイ≫と、手札にある≪蒼狼の使徒アマテラス≫に対してケアを行ったプレイングだ。
現在11マナ(次ターン12マナ)を保持しているユウキングに手札から≪蒼狼の使徒アマテラス≫。デッキから≪超次元ホワイト・グリーンホール≫≪勝利のプリンプリン≫。効果によって回収が≪アポカリプ・スデイ≫・・・と、動かれてしまうと場に存在するクリーチャーがちょうど6体となりNのアタッカーが壊滅してしまう。そのため、これを避けるためべく先のプレイングを行ったものと考えられる。
余談ではあるが、どうやらNはこのデッキを半年もの間使用しているようで、その間積み上げられた経験値は場面ごとに適切なプレイングを行わせるのには十分なものであるようだった。
Nに王手を突きつけられたユウキング。しかしまだ詰んではいない。
Nの墓地を複数回確認した上で長考し、≪「必勝」の頂カイザー「刃鬼」≫を召喚することを決める。Nのデッキの中身が≪黒神龍エンド・オブ・ザ・ワールド≫の能力によって高コストに固定されてしまっていると予想できるため、ガチンコジャッジで複数回勝つことは困難である。
しかしながら、マナゾーンに存在している≪ボルバルザーク・エクス≫へとアクセスすることができれば、
≪「必勝」の頂カイザー「刃鬼」≫≪ボルバルザーク・エクス≫≪蒼狼の使徒アマテラス≫≪超次元ホワイト・グリーンホール≫≪アポカリプス・デイ≫
と繋ぐことで場をリセットすることができる。≪パクリオ≫の盾追加をも含めた6回のガチンコジャッジを行い、辛くも1勝することに成功したユウキングは、目論見通り≪アポカリプス・デイ≫をプレイすることでなんとかターンを返すことに成功した。
場が壊滅してしまったN。ドローと同時にデッキトップのカードをオープンする。自分のターンが始まる前に既にリアニメイトするカードは決まっていたようで、≪邪龍秘伝ドラゴンボーン≫から≪魔龍バベルギヌス≫、≪R.S.F.K.≫の順で悩まずして釣り上げる。
そして、≪R.S.F.K.≫のアタック。あらかじめ有利なガチンコジャッジは・・・なんと全勝。勝負ありとばかりにユウキングのシールドが手札へと滑り込んでいく。
が、無情にもユウキングの盾に埋まっていた≪ドンドン吸い込むナウ≫が≪R.S.F.K.≫の最後の一撃を虚空へと弾いてしまう。次のターン。ユウキングの召喚した≪不敗のダイハード・リュウセイ≫をNが突破することは不可能であった。
ユウキング 1-0 N
≪「必勝」の頂カイザー「刃鬼」≫を召喚したターン。実はユウキングの手札にそのターン中の敗北を無効とする≪不敗のダイハード・リュウセイ≫を持つことが出来ていた。
しかし、Nの墓地に存在している≪復活の祈祷師ザビ・ミラ≫を警戒するため、ガチンコジャッジによる危険な橋を渡り≪アポカリプス・デイ≫をプレイすることを決めたようだ。もし、ユウキングが≪不敗のダイハード・リュウセイ≫を召喚することで攻撃による即死を防ごうと考えていたのならば、≪ヴォルグ・サンダー≫のLOによってこのゲームに敗北してしまっていたことだろう。
GAME2
先行はN。あと1歩のところで負けた悔しさがデッキに伝わっているかのようで、またしても2連続で≪霞妖精ジャスミン≫によるブーストを決める。負けじとユウキングも同様の2ブーストを決め、あっという間に6マナへと到達する。先程のリプレイでも見ているのだろうかと錯覚してしまうような互いのゲームメイクだ。
ブーストにより7マナに到達することが出来たがまたしても≪黒神龍エンド・オブ・ザ・ワールド≫に触ることのできないNは渋い顔だ。Nがもたついている間にも≪蒼狼の使徒アマテラス≫と≪セブンス・タワー≫を使用し順調にマナを伸ばしていくユウキング。Nのハンドがないものの、更なる優勢を築くため≪「智」の頂レディオ・ローゼス≫をプレイしていく。
≪「智」の頂レディオ・ローゼス≫の返しのターン。もはや必然とでもいうべきなのであろう。≪黒神龍エンド・オブ・ザ・ワールド≫だ。だが、惜しい。あと1歩遅い。墓地から沸かせた≪黒神龍ハイサイ・ラッシャイ≫も、≪ボルバルザーク・エクス≫≪超次元ホワイト・グリーンホール≫≪アポカリプス・デイ≫の順にプレイされすぐさま墓地へと追い返されてしまう。
決着までデジャブとなってしまうのだろうか≪R.S.F.K.≫。またしても同様のGJによって6枚ものブレイク効果を得る。しかし、ユウキングが≪超次元ホワイトグリーン・ホール≫によってあらかじめ仕込んでおいた盾は当然のように≪ドンドン吸い込むナウ≫だった。STによってNの最後の希望を吸い込んだユウキング。
勝利の力が、今、最高潮に!
ユウキング 2-0 N
【デッキ紹介】
「黒赤緑/ギフトエンドオブザワールド」
プレイヤー:N
成績:団体戦Top16
-メインデッキ(40)-
1《光牙忍ハヤブサマル》
4《黒神龍ハイサイ・ラッシャイ》
3《魔龍バベルギヌス》
2《復活の祈祷師ザビ・ミラ》
4《黒神龍エンド・オブ・ザ・ワールド》
3《邪龍秘伝ドラゴン・ボーン》
3《モエル・鬼スナイパー》
2《R.S.F.K.》
4《霞み妖精ジャスミン》
4《フェアリー・ギフト》
4《フェアリー・ライフ》
4《ライフプラン・チャージャー》
2《悠久を統べる者フォーエバー・プリンセス》
-超次元ゾーン(8)-
1《時空の喧嘩屋キル/》
2《時空の戦猫シンカイヤヌス/》
4《ヴォルグ・サンダー/》
1《超時空ストームG・XX/》