Writer:@suparku3
第4回静岡CS団体戦 準決勝
えすふん(呪印グレンモルト) VS チョイヤ(青黒緑コントロール)
静岡で有名なものと言えばなにを思い浮かべるだろうか?唐突にそう聞かれた時、おそらくきっと10人に10人がこう答えるであろう。そう、さわやか・・・ではなく「富士山」と。
そんな富士山の麓で行われている第4回静岡CS団体戦も、残すところあと4チーム。遥か遠くおぼろげに見えていたはずの「頂」も、しっかりと目視できるところまで来ていた。
頂。頂点に君臨するこの大会の「無敗の頂」として
高みとして。ゼニスとして。その、頂点に立つことを許されるのはいったいどのチームになるのだろう?
えすふんとチョイヤはここ静岡を拠点とするプレイヤーだ。前日の個人戦を通しひとつ筆者が感じたことがある。静岡以外の地域の人が練り上げられた環境デッキをここ静岡CSに持ち込んで来るのに対し、静岡近辺を活動の中心とする多くのプレイヤーが一風変わった、言わば通常の枠には当て嵌らないローグデッキを多数持ちこんでいるということだ。今回この2名が持ちこんだデッキもそれにあたるだろう。
えすふんのデッキは、少し前より注目されつつある≪復活と激突の呪印≫の墓地利用を主としたデッキだ。その効果により攻撃の手数を増やしつつSTによる受けを両立している非常に合理的なデッキだ。また、全体的にカードパワーが高く同系など単体でのカードパワー同士を比べる勝負となると負けることはまずない。本人も「シナジーよりもカードパワーに注目しデッキを組んだ」と話しており、その暴力的なまでのカードパワーを遺憾なく発揮することができるだろう。
対するチョイヤのデッキは、現環境では非常に珍しい闇水自然を軸としたコントロールデッキだ。構築もかなり特徴的で1枚刺しが非常に多いものとなっている。現環境のカードがインフレし強力なカードを4枚積みまとめあげるのがトレンドとなりつつある今。1枚環境に逆流している非常に珍しいデッキと言えるだろう。また、会場全体を見てもこのデッキの使用者が1名なのにも関わらず、ここまで予選6-0本戦1-1とかなりのハイスコアを叩きだしている。
えすふん(呪印グレンモルト/黒赤緑) VS チョイヤ(コントロール/青黒緑)
GAME1
先行はえすふん。≪霞妖精ジャスミン≫から≪天真妖精オチャッピィ≫と流れるようにブーストを繋ぐ。どうやら最速での≪龍覇 グレンモルト≫を目指していくようだ。チョイヤもイージーウィンを簡単に通させるわけにはいかない。えすふんに負けじと≪フェアリー・ライフ≫≪ドンドン吸い込むナウ≫と繋ぎ、≪天真妖精オチャッピィ≫を一時的にでも退かせることで最速龍解を防ぐことに成功する。
吸い込まれてしまったが、盤面に≪龍覇グレンモルト≫を召喚し≪将龍剣ガイアール≫を装備するえすふん。おそらく、≪龍覇グレンモルト≫をもう1枚持っているのだろう。≪ドンドン吸い込むナウ≫で≪腐敗無頼トリプルマウス≫を回収したチョイヤに対してかなり強気なプレイングだ。
誘われたかのように≪腐敗無頼トリプルマウス≫を出すチョイヤ。その効果によりマナを伸ばし落とすのは≪復活と激突の呪印≫!・・・なるほど。どれをハンデスされたとしても必ず≪龍覇グレンモルト≫を出すことができたということだろう。この場面において、環境に存在する他の≪龍覇グレンモルト≫系デッキと比較して異なる大きな利点だろう。
えすふん。予定調和の≪龍覇グレンモルト≫から≪銀河大剣ガイハート≫を装備する。場にはそれぞれドラグハート・ウエポンを持つ2体のドラグナーが。
彼らはその剣に眠る龍を開放することでチョイヤの盾を一瞬で吹き飛ばしてしまった。
えすふん 1-0 チョイヤ
GAME2
気持ちを入れ替えチョイヤの先行。先程は序盤の猛攻に押し切られてしまったが、先行の利を活かしえすふんのクリーチャーを捌くことができるかがポイントとなる。・・・が、なんとチョイヤ、2ターン目のブーストを引くことができない。
一方のえすふん。チョイヤに与えられた先行の利も霞として消さんと≪霞み妖精ジャスミン≫からスタートを切っていく。続いて≪白骨の守護者ホネンビー≫≪次元流の豪力≫を山札から墓地に落とし即座に回収。マナブーストに失敗しもたついているチョイヤに早くも回答を迫る。
またしても受け手へと回ってしまったチョイヤ。待ったをかけるため≪パクリオ≫をプレイする。オープンされたハンドは≪次元流の豪力≫≪百万超邪 クロスファイア≫≪天真妖精オチャッピィ≫≪復活と激突の呪印≫。そのなかからやはり危険度の高い≪次元流の豪力≫を盾へと送る。このビーストフォーク、山札から墓地へ行ったり手札へいったり盾に埋まったり・・・実に忙しいやつだった。
≪パクリオ≫の返し。トップはなんと≪カモン・ピッピー≫! ≪次元流の豪力≫と双璧をなすファイヤーバードが即座に≪勝利のリュウセイ・カイザー≫を呼び寄せる。さらに次のターン。マナが詰まりドローゴーしているチョイヤに≪絶叫の影ガナル・スクリーム≫を出し墓地を増やすえすふん。手札の≪百万超邪 クロスファイア≫への少しの手助けをしつつ効果によって同名カードの≪絶叫の影ガナル・スクリーム≫を回収する。≪怪力の化身≫とは訳が違う。次に繋がりチャンスを作るプレイだ。
チョイヤはドローゴーしてしまったものの、まだ≪龍覇グレンモルト≫が見えないためか幾分か余裕があるようだ。≪超次元ミカド・ホール≫で≪カモン・ピッピー≫を溶かしつつ殴り返し要因兼墓地対策となる≪時空の封殺ディアスZ≫を場に出しターンを返す。
この試合のえすふんは、どこかもっているようだった。ドローしトップから捲れたのは・・・≪龍覇グレンモルト≫! 強い! 1本の剣を携えた少年に強大な悪魔が討伐される。
・・・どうにか、最後の盾から≪ドンドン吸い込むナウ≫で≪勝利のリュウセイ・カイザー≫だけはバウンスするものの、疑似アンタッチャブルを持つ≪熱血星龍ガイギンガ≫を処理することはできなかった。
ブースト事故から始まりとことん引きが付いてこなかったチョイヤ。試合が終わり、ただただ悔しそうに天井を見上げた・・・。
えすふん 2-0 チョイヤ
関連リンク:[第4回DM静岡CS団体戦/入賞デッキ]