【DUEL MASTERS GRAND PRIX 2】チーム戦/セミファイナル ナダル vs Hrist

 

昨日の激戦が冷めやらぬ中、日々の調整や練習の成果が大きく出るであろう、チーム戦が行われた2日目。総勢84チーム計252名で競われ、局面はベスト4。数々のドラマがあったこの貴重な瞬間を出来る限り、詳しく伝えていきたいと思う。

 

 

チームNSYは古今東西のプレイヤーが手を組んだいわゆるドリームチーム。使用デッキも3人とも全く同じリストで、その背景には関西の古参にして無二の強豪、修羅無双がデッキを手掛けていたのも大きなポイントだろう。

対する発富士勢は、同地域でも指折りのプレイヤーが組んでおり、今回紹介するHrist氏に筆者も大会で戦い、負けた記憶があるほどだ。それぞれの強豪が揃い、頂点がようやく見えてきたこのマッチアップ、果たして軍配はどちらに挙がるのだろうか。

 

ナダル(カイザー刃鬼)/チーム:NSY

VS

Hrist(墓地モルト)  /チーム:初富士勢

 


 

Game1

先攻はナダル。【刃鬼】が勝つための必達条件となる《未知なる弾丸 リュウセイ》をどうケアしていくか。

ゲームは2ターン目からお互いに《フェアリー・ライフ》《霞み妖精ジャスミン》を使ってのマナブースト、3ターン目もナダルは《セブンス・タワー》、Hristは《白骨の守護者ホネンビー》で墓地肥やしとリソース確保と、互いにゲームを組み立てていく。

動き出したのはナダル。次のターンに《龍覇 M・A・S》を召喚し、《龍波動空母エビデゴラス》を招来、減りゆく手札のリカバリーを狙う。

負けじとHristは《カモン・ピッピー》から《勝利のリュウセイ・カイザー》を引き連れ、盤面にプレッシャーをかけていく。勝利リュウセイのマナタップインが刺さったようで、第5ターン目、ナダルは2枚の手札を持ったまま、ターンを終了。

ひとまずの優位を得たHristのターン。エビデゴラスがある以上、長期戦は避けたいはずだが、決定的な攻め手が欠けているのか、《天真妖精オチャッピィ》の召喚のみで、ターンを終了。まだ攻める時ではないと見て、静かに構える。

そしてナダルにターンが渡り、第6ターン目。

 

ナダル「弾丸かな」

 

そう呟いたナダルは《龍素記号Sr スペルサイクリカ》を召喚。墓地のセブンス・タワーからマナを一気に伸ばしつつ、手札にセブンスを加える。こうしておく事で、弾丸リュウセイが出ても再びマナを《必勝の「頂」 カイザー刃鬼》圏内へと維持できる。少なからずゲームがそう長引かない事を暗示しつつ、ターンを渡す。

予想されていたとおり、Hristの手札から弾丸リュウセイが盤面に現れ、お互いのマナのリセットにかかる。そしてゲームを詰めるべく3体のクリーチャーでいよいよ攻撃、勝利リュウセイが宣言と同時にタップされ、ゲームを分かつS・トリガーは・・・

ない。計4枚目のシールドを割り、Hristはターンを終了。ゲームの主導権を握る事に成功する。

S・トリガーやニンジャ・ストライクによるガードの期待もあったのだろう、プランを大きく崩されたナダルの表情に焦りが出る。

返すナダルは《超次元フェアリー・ホール》から《勝利のプリンプリン》を呼び出し、弾丸の動きを止める。そしてサイクリカとMASでHristのリュウセイとオチャッピィを討ち取り、盤面を捌く。

ここでHristは2体目の弾丸リュウセイを呼び出し、さらにマナを締め付ける。ナダルの表情から完全に余裕が消え、Hristは先のターンを生き残ったカモンで最後のシールドを殴りにかかる。ようやく出たS・トリガーは《フェアリー・シャワー》。

ナダルの第8ターン。エビデゴラスによる手札補充の後、プレイされたのは《ドンドン吸い込むナウ》。山札に回答を探しに行くも、戻っていくのは弾丸リュウセイ。

Hristの弾丸リュウセイによって再びマナを6に戻され、バトルゾーンにいたリュウセイの攻撃が一本目の終わりを告げた。

 

ナダル0-1 Hrist

 


 

Game2

畳みかけるような弾丸リュウセイの連打により惜敗となったナダル。再び到達点を目指すべく、先攻でゲームを開始する。

先ほどのゲームのように、2ターン目はお互いにマナブースト、3ターン目、ナダルは《フェアリー・シャワー》、Hristは《白骨の守護者ホネンビー》と着々とゲームを組み立てていく。そして第4ターン目、ナダルはここで《ドンドン吸い込むナウ》をプレイ。山札から《セブンス・タワー》を手札に加え、Hristの《白骨の守護者ホネンビー》を手札に戻す。

本来ならば疑問に思う光景に見えるが、実はこの局面、ゲームに影響する小さくも大きな駆け引きが生まれていた。

ここでHristがホネンビーをプレイすれば、次のターン、ナダルは確実セブンスタワーがプレイできる。また、ゲームの決め手となる弾丸リュウセイにアクセスしやすくなるため、決して悪い話ではない。

言ってしまえば、「俺の増やしたマナはどうせなくなるんだから、ちょっと使わせてくれよ」

というネゴシエーションにも捉えられる。

ナダルのささやかな誘いに、先のゲームを制しているHristはどう答えるのか。

 

――答えはNO。

 

そう言わんばかりにHristの手札からプレイされるのは《解体人形ジェニー》。ナダルの交渉の真相を暴きにかかる。公開された手札にあるのはセブンス・タワーと《勝利宣言 鬼丸「覇」》。Hristは納得の様子でセブンスタワーを手札から落とす。ナダルの誘いを受けていれば、弾丸リュウセイの着地前にゲームが決している可能性があるからだ。

続く5ターン目、ナダルはトップデックの吸い込むナウでフェアリーホールを回収し、ターンエンド。2枚の吸い込むが使われ手が止まったと踏んだHristは、ここで《龍覇 グレンモルト》をプレイ。

何もなく2回の攻撃を通し、《熱血星龍 ガイギンガ》に龍解。シールドは攻撃せずにターンを返す。

続く第6ターン、ナダルはフェアリーホールからプリンを出し、モルトを選択。そして《ピクシー・ライフ》をプレイ、マナゾーンから刃鬼を手札に加える。

Hristの攻勢は続き、ここで先のゲームでもナダルを苦しめた弾丸リュウセイが降り立つ。マナを強制的に6マナに押し戻し、場にいるジェニーで追撃の1ブレイク。

すると吸い込むナウがトリガーする。これがもし前のターンで発動していれば、8マナある状態でターンを迎えたナダルから大きな反撃があったかもしれない。それを見越しての攻撃中断だったのか?

Hristの集中力は最高潮に達していると言えるだろう。

ナダルは長考の末、察したかのように弾丸リュウセイをバウンス、次のターン、プリンで、ジェニーを討ち取り、重々しくターンエンド。

Hristの最終ターン、手札に戻った弾丸リュウセイが再び降り立ち、マナゾーンに決定打を与える。そして、ガイギンガと弾丸の前にナダルが勝負を降りた。

 

ナダル0-2 Hrist

 


カバレージライター:@K.BLUE


カテゴリ:カバレージ