皆さん、はじめまして。第1回武州CSヘッドジャッジのおでんでんと申します。 第1回武州CSのジャッジレポートを書かせていただきます。
ちなみに、CS名に使っている『武州』とは、『武蔵國』の別称で、現在の東京、埼玉、神奈川に当たります。
運営陣の住んでいる地域がちょうど該当していることや、大宮以外で開催したときにも同じ名前を使える事から、運営の一人であるK君が名付けました。
それでは、以下よりジャッジレポートとなります。
■CSデータ
開催日:2016/11/13(日)
会場:埼玉県さいたま市『市民会館おおみや』
参加人数:138名
当日キャンセル人数:16名
当日受付希望人数:26名
当日参加人数:26名
サブイベント参加人数:52名
■運営陣紹介 【メインイベント】
・主催:養分丸 第1回ハチ公CS/ヘッドジャッジ
・ヘッドジャッジ:おでんでん 第1回ハチ公CS/スコアキーパー DMGP3rd/フロアジャッジ
・フロアジャッジ:あーくん 運営歴なし ・フロアジャッジ:万博 運営歴なし
・フロアジャッジ:葵 運営歴なし
・フロアジャッジ:K 運営歴なし
・フロアジャッジ:蓮タソ 運営歴なし
・スコアキーパー:み墨なぎさ 第1回福岡CS/スコアキーパー
・スコアキーパー:あかぼん 運営歴なし
計9人
【サブイベント】
・ヘッドジャッジ:み墨なぎさ
・フロアジャッジ:あかぼん、K、蓮タソ 計4人
■予選スイスドローにおけるジャッジ対応案件
【誘発忘れ】
プレイヤーBの『アルカディア・スパーク』により、プレイヤーAの『伝説の禁断 ドキンダムX』を除去し、プレイヤーBが勝利。 しかし、スコアシートを記入している途中、プレイヤーBが封印を1枚つけ忘れたままゲームが進行しており、本来ならば山札がなくなっていたことが判明した。
対応:ヘッドジャッジ、フロアジャッジ
盤面がそのままで、状況について両者からの確認が取れており、スコアシートはまだ提出されていなかったので、プレイヤーBの敗北とし、両プレイヤーに警告を与えた。
【過剰なカードを見た】
対戦相手のデッキをシャッフル中に、カードを落としてしまい1枚見てしまった。
対応:フロアジャッジ
気を付けるように注意し、警告を与えた。
【過剰なカードを見た】
ターン開始時のドローを『蒼神龍ヴェール・バビロニア』の効果で置換した後、さらに通常ドローを行おうとしてしまい、デッキトップを1枚見てしまった。
対応:フロアジャッジ
見てしまったカードをトップかボトムに置くか対戦相手に選択してもらい。警告を与えた。
【過剰なカードを見た】
場に対戦相手の『獣軍隊 ヤドック』がいる状態で『共鳴の精霊龍 サザン・ルネッサンス』を場に出し、効果でドローしようとしてしまい、デッキトップを1枚見てしまった。
対応:フロアジャッジ
見てしまったカードをトップかボトムに置くか対戦相手に選択してもらい。警告を与えた。
【過剰なカードを見た】
『Dの花道 ズンドコ晴れ舞台』が場にあると勘違いして、デッキトップを1枚見てしまった。
対応:フロアジャッジ
見てしまったカードをトップかボトムに置くか対戦相手に選択してもらい。警告を与えた。
【順序違いの連続行動】
『熱血龍 バクアドルガン』のアタック時の効果を解決した後に、元々手札にあった『蒼き団長 ドギラゴン剣』の革命チェンジを宣言した。
対応:ヘッドジャッジ、フロアジャッジ
本来のタイミングであれば得られない情報を得た後に宣言をしたため、革命チェンジは行えないままゲームを進行させた。
■決勝トーナメントにおけるジャッジ対応案件
【順序違いの連続行動】
『メガ・マナロック・ドラゴン』のアタック時の効果を解決した後に『蒼き団長 ドギラゴン剣』の革命チェンジを宣言した。
対応:ヘッドジャッジ、フロアジャッジ
一連の処理を正しい順序で行ったと仮定しても、すべての行動が適正であったため、革命チェンジは行わせてゲームを進行させた。(『超次元ホワイトグリーン・ホール』の効果より先に『勝利のプリン・プリン』の効果で相手のクリーチャーを選択した場合と同様の扱い。)
【非紳士的行為 軽度】
対戦に負けたプレイヤーがデッキをテーブルに投げながら騒いでいた。
対応:フロアジャッジ
この行動が『非紳士的行為 軽度』に該当することを説明し、警告を与えた。
■サブイベントおけるジャッジ対応案件
【過剰なシールドを置いた】
シールドが6枚のままゲームが進行していた。
対応:フロアジャッジ
対戦相手に裏向きのままシールドを一枚選ばせ、デッキの下に送りゲームを続行させた。
【コミュニケーションの齟齬】
プレイヤーAはクリーチャーへのアタックを宣言したが、プレイヤーBはシールドを殴られたと勘違いしてシールドを1枚見てしまった。
対応:ヘッドジャッジ
殴った側のプレイヤーに、そのままにするか、山下に送って新しい盾を山上から追加させるかを選ばせた。 「シドを攻撃」が「シールドを攻撃」に聞こえてしまったことから起こったミスであり、プレイヤー間のコミュニケーションの齟齬によるお互いのミスに取れたため、どちらにも警告を下さなかった。
補足 :そもそも、ブレイクされるシールドはアタックしている側が選択するものである。相 手の選択を待たずにシールドを見てしまったプレイヤーに対し、【過剰なカードを見た】として警告を与えるべきであった。
■イベント中の想定外のトラブル
・受付の人数不足
受付作業を2人で行ったところ、列が長くなってしまいました。
一人に複数の作業を行わせず、分担すると同時に作業は効率化していく必要がありました。
・枠の増員
当日枠希望者をすべて含めた人数が138名であったこと、使用できる席の数がちょうど138席であったため、募集時の参加定員は128名でしたが138名での開催となりました。
枠の増員について賛否は別れると思いますが、増員した場合に誰も参加枠から漏れない、5勝1敗のラインが確定でトップ16に残れるため、今回は参加枠の増加に踏み切りました。
しかし、枠を増員したことでスコアシートの枚数が足りなくなり、一回戦を開始してから増員した分を印刷しました。今回は何とかなりましたが、取り返しのつかない障害も起こりうるので、枠の増加は慎重に行いましょう。
・会場の設備の性能不足
会場の音響設備の性能が不十分であったため、会場全体にアナウンスが届かず運営の負担が増えてしまいました。
また、会場に空調設備がありましたが、建物で一括管理しているため暖房しか使用できませんでした。 そこで、窓を開けて換気を行おうとしましたが、近隣住民から苦情が来るとのことで、窓を開けることも制限されてしまい、会場内が非常に暑くなってしまいました。
初めて使用する会場での開催を検討する際には、広さや収容人数だけでなく、使用する機材がCSでの使用に充分な性能であるかなども確認する必要があると思います。
・スコアシートの回収
スコアシートの回収はフロアジャッジが行っていたが、会場が縦に長い構造になっており、スコアキーパーに届けている間、手薄になってしまう箇所がありました。
スコアシートは選手に届けてもらい、ジャッジは対応に専念してもらう必要があったと思います。
・64位賞品の配布
順位確定に時間がかかってしまい、64位賞の配布を始めるまでに時間がかかってしまいました。 参加人数が64を超える場合、何時から配布するか、あらかじめ決めておくといいと思います。(決勝トーナメント開始と同時にするなど)
・ゴミの放置
会場にポイ捨てしている人はほとんどいませんでしたが、ロビーなどにゴミが放置されていました。 ゴミは各自で持ち帰るようにアナウンスしておりましたが、長時間拘束し、しかも席の移動が頻繁に起こるCSにおいてゴミをすべて持ち帰らせるのは難しいのかもしれません。
今回はそこまで多くなかったため運営で分担して持ち帰りましたが、業者に依頼するなど、ごみの回収にも費用を割く必要があるかもしれません。
ポイ捨てで会場が使えなくなるよりはマシだと思います。
・CS初参加者への配慮
今回はじめてCSに参加された方に「ドロップって何ですか?」と質問されました。 普段から積極的にCSに参加している人からすれば当たり前のことでも、初めて参加した人からすればよく分からないことはたくさんあると思います。
そういった方に配慮した案内や参加しやすくなる工夫が必要だと思いました。
■事前に準備しておいてよかった物
・おつりの500円玉
・参加費を管理するケース
・事前予約者とキャンセル待ちの名簿及びそのエクセルデータ →受付やツールへ名前を入力する際に役立ちました。
・小さいホワイトボード →最後尾の案内などに活用。写真撮影にも使用する予定でした。
・腕章 →首から下げる名札よりも、運営と参加者の区別がつけやすかった。
・シフト表 →タイムテーブルと各人がどこに配置されるか全員で共有できました。
・ルール回答用紙 →どのような質問を受けどのような回答をしたのかわかりやすくメモをできるようにしました。
・決勝トーナメント用のトーナメント表 、ゴミ袋 、クリアファイル →壁などにクリアファイルを貼っておき、紙を出し入れするだけでペアリングを貼りだせるようにしました。テープを張る作業がなくなるため、スムーズに終わらせられると思います(GPを参考に採用しました)。
■運営陣の感想
運営陣から感想をいただきました。
・養分丸
情報共有を大切にしましょう。 運営での会議は何回か行いましたが、どうしても自分の頭の中にある事を他人が分かっている前提で進めがちになります。 CSは一人の力では成り立ちません。故に、全員で協力し、団結力を深めて運営に挑めるようにしましょう。
・あーくん
体力が必要なのと水分補給が大事。前夜はしっかり寝ること。 やる前は失敗など考えていたけれど、参加者や周りのジャッジの協力もあり、自信を持って行動できて良かった。
あと、インタビュー記事を担当しましたが、思ったより好評で嬉しかったです。他のCSでもこのように選手がフィーチャーされているところを見てみたいです。
・K
前日はしっかり睡眠をとり、当日はこまめな水分補給と食事をとり120%の状態でCSに挑めるように努めましょう。
今回のCSが大きなトラブルもなく進行できた要因は、臨機応変な対応ができたこと、スタッフ間での連携、細かいコミュニケーションがうまくいったことだと思いました。CS開催の際は、事前にスタッフ同士で問題点を炙り出して、マニュアルなどを作ると良いと思いました。
・蓮タソ
初めての運営で緊張しましたが、経験者の方がリードしてくださり落ち着いて望めました。大会を円滑に進めるためには参加者の皆様の協力、運営内での協調性が大事だと思いました。また機会があればやらせていただきたいと思います。
フロアジャッジごとに定位置などを細かく決めて動くと、連携がとりやすくなり、同じ場所に2人で急いでいく必要はないかなと思いました
・万博
円滑な大会の進行や差し入れなどをいただき、CSというものは参加者の協力があって出来る事だと改めて感じました。参加者の皆さんありがとうございました!
・葵
考えていることを共有することの難しさと重要性を知りました。体力に自信はありましたが、当日はかなり空腹になりました。食事をしっかり摂ることがヒューマンエラーの防止にも繋がると思いました。
決勝トーナメントのデッキタイプ、プレイヤー名を書いた表を作ってくれるCSが増えると嬉しいです!
・あかぼん
スコアキーパーの視点から全体の様子を伺うことが出来たのは非常に貴重な経験だと思います。 参加者の皆様ならびにツール面で協力いただいたアカシックレコード様にこの場を借りてお礼申し上げます。
・み墨なぎさ
体調管理には気をつけよう!
■総括
第1回武州CSは運営経験者が非常に少なく、その経験者も1.2回運営に関わったのみと、素人で構成されています。
また、TOP8インタビューやテキストカバレージなど、様々なことに挑戦をしてみました。 それにもかかわらず、進行上大きなトラブルもなく、ほぼスケジュール通りに終えることができたのは、参加者の皆さんや、事前の準備に力を貸してくれた方々の協力があったからだと思っています。 この場を借りてお礼を申し上げます。ありがとうございました。
このジャッジレポートが、今後CS運営に携わろうと考えている皆さんの助けになることを願います。 (おでんでん)
【ライター紹介】
・おでんでん
第1回ハチ公CSにて初めて運営に参加、未経験ながらもスコアキーパーを務める。
その後、認定ジャッジの資格を取得し、CS運営へ携わるように。今回の武州CSではヘッドジャッジを務めた。
元々は競技プレイヤーとして活動しており、ランキングでも上位に顔を出している。