ドラゴン・サーガブロックが一段落し、次のブロックの情報が少しずつですが公開されてきました。
新しいブロックに胸を躍らせる、春は出会いの季節ですね。
そして出会いの季節は、同時に別れの季節でもあります。
デュエルヒーローとして4年間活躍してきたユウとアツトが卒業し、デュエマスター・タカとデュエマボーイ・ダイキにバトンタッチします。
カードとしても《戦略のD・H アツト》は青黒メルゲビートや青黒赤墓地ソース系に広く採用され、DMEDHの統率者としても活躍しています。
《情熱のD・Hユウ》はアツトに比べると見劣りしてはしまいますが、赤緑ビートダウンに採用されていた実績があります。
しかし実はこの2人、これ以外にもカードがあったりするのです!
《情熱の闘志ユウ》《冷徹なる戦略家アツト》の2枚です。
《情熱の闘志ユウ》
レア
火
クリーチャー
コスト1
ヒューマノイド/ハンター
パワー1000
■このクリーチャーをバトルゾーンに出した時、自分で「ファイアー!」と叫びながら腕立てを50回する。
■成功した場合、このクリーチャーのパワーは+10000され、「ワールド・ブレイカー」を得る。
■失敗した場合、自分のシールドと手札を全て墓地に置く。ただし、その「S・トリガー」は使えない。
《冷徹なる戦略家アツト》
レア
水
クリーチャー
コスト1
リキッドピープル/エイリアン
パワー1000
■スペース・チャージ:水(自分のマナゾーンに水のカードが置かれた時、このクリーチャーのSC能力を使ってもよい)
相手にダジャレを言う。相手が笑ったら、自分の手札を全てバトルゾーンに出してもよい。相手が笑わなければ自分のシールドを1枚ずつ墓地に置く。ただし、その「S・トリガー」は使えない。
どうですかこの能力!
《情熱の闘志ユウ》は1ターン目に出せる条件付きのワールドブレイカーであり、《冷徹なる戦略家アツト》もデメリットのない1コストアタッカーです。
《情熱の闘志ユウ》はバトルゾーンに出た時に「ファイアー!」と叫びながら腕立て50回をしなければなりません。声を出しながらの運動は出してない時よりも遥かに大変で、しかも叫びながらなのでなかなかハードです。
見返りはその分大きく、1ターン目にワールドブレイカーを獲得出来れば続くターンにスピードアタッカーを投げることで2ターンでの勝利も夢ではありません。
しかし場に出たときの効果が強制であるため、《父なる大地》などで引きずり出されてしまった場合も叫びながらの腕立てをしなければならず、失敗してしまった場合は全ハンデスと全シールド焼却ときついペナルティがあります。
強力なカードではありますが、効果を繰り返し使うことになるため対戦数が多い大会にはあまり向いていないカードと言えます。
ラウンド数が少なく、かつ一本勝負であり、制限時間も長い全国大会の決勝トーナメントあたりが使用するのに最適な環境と言えるでしょう。
最近の全国決勝は動画配信もされているため、おもむろに「ファイアー!」と叫びながら腕立てを始めるプレイヤーの雄姿をモニターの前に届けることが出来るのです。
《冷徹なる戦略家アツト》はそのままでも水の1コストアタッカーとして運用できますが、やはり注目するべきはSC能力です。
ダジャレを言って笑わせることが出来れば、なんと手札のクリーチャーを全て踏み倒すことが出来ます。
《勝利宣言 鬼丸「覇」》だろうが《偽りの王 ヴィルヘルム》だろうと無制限に出せます。《「必勝」の頂 カイザー「刃鬼」》もびっくりです。
もし相手が万が一、あなたの渾身のギャグに笑わないということがあると手札とシールドを1枚ずつ墓地に送らなければなりませんが、これは逆に言えば墓地肥しシステムとしての運用も見込めると言えます。
1ターン目に《冷徹なる戦略家アツト》→2ターン目にSC、失敗して《エマージェンシー・タイフーン》→3ターン目SC、失敗という流れで《百万超邪 クロスファイア》を高速でG・0することが出来ます。《冷徹なる戦略家アツト》の打点を含めるとそのまま4ターンキルを目指すことができ、墓地ソースビートダウン系の新たな選択肢としての活躍が期待できます。
自身の色の同色のSCは本来使いやすいのですが、このカードに限って言えば《冷徹なる戦略家アツト》→《戦略のD・H アツト》という流れだと《冷徹なる戦略家アツト》のSCが発動できなくなる点は上手く調整されていると言えます。
さて、この2枚の正体ですが、エピソード・1の頃に発売された書籍「マンガでわかるE1」の裏表紙に描かれていたもので、(当然ですが)発売されていません。イラストレーターは伊原しげかつ先生ですね。
タワーデュエル等で遊んでみるのがいいんじゃないでしょうか。大声で叫ぶのはやめましょう。
効果は《デビルベッカムXXX》や《C・BOY切札勝太》などに近く、これはMTGの「アングルード」「アンヒンジド」に収録されているカードに似たようなものがあります。
アングルード、アンヒンジドとは通常では使うことが出来ないジョークカードのみを集めたセットであり、収録カードの枠が銀色になっているのが特徴です。
そのため、こういったカードは銀枠カードと呼ばれています。
MTGの公式の読み物に「両面それぞれの物語」という記事がありますが、その中ではMTGの両面カード開発に際しDMのサイキック・クリーチャーに関してこんな1文があります。
「デュエルマスターズの世界は銀枠世界なのだ。」
アンヒンジドには《Booster Tutor》というカードがあり、その効果は「未開封のブースター・パックを開封し、その中の1枚を手札に加える」というもの。
つまり、あの《カモン・ビクトリー》の元ネタとなったカードと言えます。
《カモン・ビクトリー》はCS等では特例で使用禁止になっていることが多いですが、ルール上は問題なくデッキに入れることができ、MTGでは銀枠カードとして刷られるカードが普通に使える、つまりDMはMTGの銀枠世界、広大な多元宇宙の一部であると言えるのです。
ユウとアツトは卒業してしまいますが、多元宇宙、DM世界はこれからも膨張していきます。
次のブロックも楽しみですね。