【デッキ解説】赤t白ドキンダムレッドゾーン(2015.12.20 デュエルマ・スターカップエリア代表決定戦九州大会)

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先日熊本にて行われた公式全国大会予選にて使用した、赤t白ドキンダムレッドゾーンについて記述します。同じリスト及びプランを4人で共有し、自分がTOP16,砕月がTOP4でした。

■デッキリスト

『赤t白ドキンダムレッドゾーン』

1 x 禁断~封印されしX~/伝説の禁断 ドキンダムX
4 x 勇愛の天秤
3 x 轟速 ザ・レッド
4 x 轟速 ザ・ゼット
4 x 轟速 ザ・マッハ
4 x 超轟速 レッド・エンド
4 x 轟く侵略 レッドゾーン
4 x 熱き侵略 レッドゾーンZ
4 x メガ・ブレード・ドラゴン
4 x DNA・スパーク
4 x 閃光の守護者ホーリー

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今回出場したエリア予選九州大会は「DMR-19 革命 拡張パック第3章 禁断のドキンダムX」が発売されてわずか2日、情報の解禁及び大会のプールが確定されてからわずか5日という非常に短い準備期間で開催された大会です。

その短い期間で最大限の成果を上げるために今回は「前環境で強かったデッキを更に強くする」というシンプルな考え方でデッキ構築をしました。【レッドゾーン】というデッキタイプは元々の基盤がしっかりしており、ドキンダム発売前の環境で得られたノウハウの中で引き継げるものが多かったことも追い風になっています。

■基本方針

このデッキは自発的な打点とカウンターのギミックを搭載した最速4キルも可能な高速ビートダウンです。質の高い打点形成を可能とする《轟く侵略 レッドゾーン》と、全てのデッキに対して有効なスパーク系統のトリガー、《伝説の禁断 ドキンダムX》への禁断開放による無理ゲーの捲り及び追加打点….等のrev環境における強い動きの多く取り入れています。

元々このデッキの雛形になった、自分がもし関東大会に出るなら….という想定で知人に託した構築が以下のものになります。

『赤t白レッドゾーン(関東大会)』
4 x 一撃奪取 トップギア
4 x 若頭の忠剣ハチ公
2 x 轟速 ザ・レッド
4 x 轟速 ザ・ゼット
4 x 超轟速 マッハ 55
4 x 轟速 ザ・マッハ
4 x 轟く侵略 レッドゾーン
4 x 熱き侵略 レッドゾーンZ
2 x メガ・マグマ・ドラゴン
4 x DNA・スパーク
4 x 閃光の守護者ホーリー

このときの環境では、《超復讐 ギャロウィン》を擁する【黒単ギャロウィン】、粘り強く戦える除去コントロールの【白黒赤天門】、そしてこのような形の【レッドゾーン】らによる三つ巴の戦いでした。
個人的な話になるのですが…デッキを作った時点では白黒赤天門が台頭して来るとは思っていなかったため、同型及び【黒単ギャロウィン】に対する意識の強いリストになっています。

このリストを基盤にし、新弾の情報を元にして再構築とテストプレイを繰り返し行いました。

■採用カード、及び採用しなかったカード

・《禁断~封印されしX~/伝説の禁断 ドキンダムX》
場のクリーチャーを全て片付ける除去能力、コストを払わない追加打点…等、元々負けていたゲームを逆転できる要素が多く含まれているため、今までの常識を塗り替えるようなスペックでありデッキの主軸に据えるべきカードだなという事は情報解禁時に確信していました。《伝説の禁断 ドキンダムX》を効果的に使うために残りの39枚が存在していると言っても過言ではないと思います。また、【黒単ギャロウィン】はこのカードの存在が大変脅威で対処が困難であるという結論に達したため、自分の使用候補から完全に外れました。

正直な話をさせてもらうと、能力が判明した際に「デメリット能力があるから《伝説の禁断 ドキンダムX》は弱い」という話をちらほら聞いた際に自分だけ別のゲームをやっているのではないかと不安になったくらいです。
本番でももちろん大活躍でした。
負けた試合は禁断解放して《伝説の禁断 ドキンダムX》になれなかった試合です。

・《勇愛の天秤》
役割は3つあります。
1.同型戦におけるトップギアの処理
2.手札交換によるパーツ集め
3.純粋な2ドロー

まず1.同型戦におけるトップギアの処理 に関して、
大前提として自分の結論は「自分のデッキにトップギアは必要ない」です。
例えば先攻時に2tトップギア、3tレッド+レッドゾーンorレッドゾーンZ
の組み合わせで手札を消費したとしましょう。
残りの手札は1枚、封印は4つ…….次のターン自分はもう何も出来ないですよね?

ターボ3をデッキに入れていてレッドゾーンZ等と合わせて除去トリガーを踏まずに確実に通せるならば話は別ですが、基本的に自分がトップギアを出すのは、少なくともこのプールにおいては手札を捨てているのと同義です。《伝説の禁断 ドキンダムX》を中心としてデッキを組んでいる≒《伝説の禁断 ドキンダムX》を出せば勝ちのゲームメイクをするためには、火のコマンド以外を出す必要はない、ということです。
今まではドキンダムがなかったため、自他共に火のコマンドが何体場に出ようが関係なく、相手のトップギアに対処するためには自分もトップギアを使用し、先攻である程度動くことが重要視されていましたが、現在は《勇愛の天秤》で賄えてしまうのです。

またシールドトリガーが付いているのが非常に優秀で、先程のような先攻2tトップギア、3tレッド+レッドゾーンorレッドゾーンZを出される後手ゲームに対してシールドの中に含まれていれば形勢逆転です。ちなみにこのような後手ゲームだと今回の構築ならば「2tまでに自分が勇愛を引く or 勇愛、メガブレードドラゴン、ホーリーのいずれかが最初の盾の3枚の中にある」のいずれかで解決出来ます。実際に本番でも起きたシュチュエーションであり、《勇愛の天秤》が盾から来たことで後手ゲームから逆転勝利しました。

2.手札交換によるパーツ集め
採用はまばらであり、入っていたり入っていなかったりします。もしこのカードが《クリムゾン・ハンマー》や《爆流剣術 炎熱の技》だったならばトップギア…ないしブラッドレインやララァを出されなかった場合に打ちどころがなく完全に腐ってしまい裏目に出ます。
しかし、この手札交換効果のおかげで相手のトップギアへの対処と、自分の事故回避の両立が達成出来るのです!
ホーリーやDNA、メガブレードのようなコストを払って出すことがあまりないカードを捨てて有効牌を引きに行く動きは自分の質の高い攻め手を擁立する上で必要不可欠です。直接相手を止めるトリガーではありませんが、トリガー時に火力が必要ない場合でも手札の質を高めることは勝ちに繋がりやすいのです。

3.純粋な2ドロー
白黒赤除去天門などの長期戦を狙うコントロールデッキに対して、マナセット、侵略も込みで自分の手札が《勇愛の天秤》のみになり、2ドローして引いたカードを叩きつけて勝ち、というシチュエーションはそれなりにありました。もちろん基本的には今手札にある攻め手を優先して出す動きをするべきですが、手札が芳しくない際は狙ってもいいと思います。

これらの3つの役割が全て強く、他に優先してやりたい動きがないと感じたため、3コスト以下は勇愛1本に絞りました。

・《轟速 ザ・レッド》
・《轟速 ザ・ゼット》
基本的にはゼットの方が強いです。レッドで1点だけ入れて止める、というプレイを取ることは今のところありません。4コストSAの最大枚数は8枚で、1枚は必ず引きたいが、2枚目以降はマッハの方が強い….という特徴があります。最速で必要な同型戦の場合は勇愛での手札交換+シールドから加わる手札と合わせることでほぼほぼ確実にキープできるのでため、レッドの方を1枚少なくして7枚という数字には納得しています。
・《轟速 ザ・マッハ》
1コスト重い代わりに侵略先を手札に加えられるハイスペックな攻め手です。
何相手でも試合中1回は確実にこれが出したいのでもちろん最大枚数、増やせるなら増やしたいくらいです。また、後述しますがマッハとレッドエンドを組み合わせる事で発生するコンボに於いても無類の強さを発揮します。自分の最後の試合は勇愛の手札交換も込みでマッハが1枚も引けずに攻め手が枯渇してしまいました。。。

また、進化クリーチャーが加わる確率に関してですが、-カードゲームさらに支援-確率計算 高度版によると以下のようになります。

合計39枚の山札があり、ここから4枚引くときの場合を考えると…。
山札の中にキーカードAが12枚(対象:レッドゾーン、レッドゾーンZ、レッド・エンド)
引いた中にキーカードAが1枚以上あり、さらにキーカードAが4枚以下である確率
200000回の計算結果・・・78.6455%→約1.27回に1回の確率です!

皆さんが普段やっている体感と同じくらいの数字になっていると思います。
(デッキに8枚ライフ系統が入っているとして2ターン目までに引ける確率と同じくらいですね)
実はドキンダムがデッキに入ることで、山札の枚数が1枚少なくなっているので、進化が手札に加わる確率は同じ進化の枚数でも1%程上昇しているのです。

・《超轟速 レッド・エンド》
元々マッハ55が入っていた枠だったのですが、2つの理由によって入れ替わりました。
1.キルパターンの増加
2.ドキンダムに対するアクセスの増加1.キルパターンの増加
まずはレッドエンドのテキストを読んでみましょう。

このクリーチャーが破壊された時、その下に重ねてあったカードを1枚、自分の墓地からバトルゾーンに出してもよい。

「相手によって」って書いてないんですよね。
つまり相手のパワー6000以上のクリーチャーがタップされていて、相手のパワー5500以下のブロッカーがいなければ自分の意思で破壊して進化元を出し直す事が出来るのです。これを自分は「自爆テロ」と呼んでいます。出し直す事でアドバンテージが発生するのは《轟速 ザ・マッハ》《熱き侵略 レッドゾーンZ》《轟く侵略 レッドゾーン》の3枚。ここでは主にマッハとレッドゾーンZを使用します。

よく狙うパターンは、先にレッド+レッドゾーンで相手の盾を2枚にしておくもの。
返し手として相手もレッド+レッドゾーンを使用してくる事が予想されます。
相手の立場に立つと、スパークはなるべく早めに踏んでおきたい、という心理がはたらきます。自分の盾が0になるとどう頑張っても相手のスパークはほぼ負け確定ですし、ドキンダム込みでのワンショットを成立させようとするとやっぱりスパーク+SA+レッドゾーンで特殊敗北です。ちなみにスパーク系統が8枚入っている場合は約7割の確率でトリガーするわけで、盤面処理に徹して溜め込んでくるなら7割のスパークを相手はケア出来なくなるのでそれはそれで別にいいわけです。今回は自分のレッドゾーンが破壊されてそのまま盾を割ってきたとしましょう。手札が3枚増えて、ドローも込みで4枚増えた状態でターンが返ってきています。
この中に《轟速 ザ・レッド》or《轟速 ザ・ゼット》or《轟速 ザ・マッハ》+《熱き侵略 レッドゾーンZ》×2 or 《超轟速 レッド・エンド》があれば自爆テロによるワンキルが狙えます。マッハを使用した際の捲りの都合にもよりますが、最も必要枚数が少ないのは2枚で、最大枚数が4枚によるコンボです。

相手:封印4、盾2、レッドゾーン(タップ)
自分:封印4、盾2、場に何もない状態

自分ターンでマッハ召喚、効果で4枚捲ってレッドゾーンZ or レッドエンドのどちらか足りない方を手札に、そして相手の横になっているレッドゾーンに向かってその両方を重ねて自爆、相手の盾を1枚焼いて破壊された時の効果でマッハを蘇生します。その際にこのゲームの6体目のコマンドが登場するのでドキンダムが禁断開放されます。

相手:封印4、盾1、レッドゾーン横(封印)
自分:封印0、盾2、ドキンダム+マッハそしてこのマッハの攻撃時、レッドゾーンZを重ねて本体へ
これを相手が対処する方法はありません。確定でワンキルです。
唯一対処しうるのが、ボルシャックドギラゴンを2枚抱えていて2回連続でコマンドをトップして場に出して禁断開放することですが、そんな事はまず起きないので考慮する必要がありません。また、万に一つされた場合でも結局返し残り2枚のスパークがケアできないのです。
一番キレイなパターンがこれで、バリエーションは他にもありますが、基本的には「強い登場時能力を使い回すことで、アドバンテージと打点を獲得し、攻める際のリスクを抑える」という動きに寄与するカード、それがレッドエンドだなと思っています。

また、ややレアなケースではありますが、自分の封印の数を1に調節し、レッドエンド単騎で攻める事で「相手のレッドゾーンのプレイ及び盤面の破壊を封じる」というものがあります。
自分ではないですが、エリアで本当にあった本当に怖い話ですので覚えておくと便利かもしれません。

・《轟く侵略 レッドゾーン》
このジャンルを象徴するような強カードですね…。このカードの存在のせいで、同パワーを2体並べるという行為に大きなリスクが生じます。(ギャツビー+ギャツビー、ヴェイダー+キラードアイ等)
また、レッドゾーンZ等と組み合わせた重ねがけも大変有効であり、打点が太いレッドゾーンを一番上にして攻めるのはどのデッキ相手にも有効です。

・《熱き侵略 レッドゾーンZ》
リスクの少ない攻め手であり、前述したコンボの超重要パーツですね。
絶対引きたいので4枚です。減らす理由がありません。

・《メガ・ブレード・ドラゴン》
ドヤるために割いた枠…ではないです。役割としては主に2つあります。
1.トップギアの絡んだ後手ゲームをひっくり返す
2.相手ターン中に禁断開放するギミック

1は《勇愛の天秤》の際にも書きましたが、後手ゲームで場に残るコマンドが出た際に逆転の布石とするためです。もちろん侵略もできるのできちんと盤面を返して自分が盾を攻めれば先手と後手がキレイに入れ替わっています。

2ですが、相手ターン中にコマンドが出せるギミックはこのプールには5種類があります。

《ボルシャック・ドギラゴン》
→どう考えても防御札として信用に足る値にならず、特化させるには弱点が多すぎると感じました。どこかで外して負けます。

《リベレーション・オブ・ジ・エンド》
→火力の範囲が中途半端で、場に残らないのにレッドゾーン2種もダンテもギャツビーも焼けず使い勝手が悪かったです。

《熱血龍バトクロス・バトル》
→場に残らないので実質呪文、ドラゴンであることを活かせないとなるとこの構築ではリベレーションの下位ですよね。

《音速 タルボ》
→無難…っちゃ無難ですが、一度もコストを払って場に出すことはありませんでした。

《メガ・ブレード・ドラゴン》
→今回選ばれたのはメガブレードドラゴン君でした。ミラーマッチでホーリーが焼けて大きなアドバンテージになる事、《ナチュラル・トラップ》等を使用する除去天門がこちらの侵略先にうっかりナチュラル・トラップを合わせてきた場合、8マナ払って出せた事が決め手です。

《マスター・スパーク》ではダメなのか?と思われるかもしれません。考え方としてはスパークの3種類目とほぼ同じです。もちろん自分はメガブレードが一定の確率で盾にある事を知っていますし、それを前提としたプレイを取ります(封印1で止めておく等)
1種類はスパークでは解決出来ない後手時のつっぱゲームに対する捲りの為に対して割きたかった、またその後手ゲームに対する意識をしつつ、デッキの中のスパークをプレイングによって増やすこと出来るというのが理由です。

・《DNA・スパーク》
・《閃光の守護者ホーリー》
DNAの場合、盾が増えることで打点がずれるケースがあるのがとても計算が狂うことが多く、殴り合いに対して有効札になりやすいです。唯一の裏目が最初の2枚で踏み抜かれてしまうことですが、リターンがあまりに大きいので特に問題とは感じなかったです。
ホーリーは….どのタイミングでも踏ませるだけで打点1つ増えるのでやっぱりリターンが激しいです。赤でなくてもスパーク系統はこのデッキのコンセプトに合致しているため、赤t白という前環境も強かったコンセプトを継続する事に決めました。

・《メガ・マグマ・ドラゴン》
もともとが【黒単ギャロウィン】を強く意識した採択であったため、ドキンダムの登場とともに必要がなくなりました。

・《若頭の忠剣ハチ公》
3体目を出すことはほとんどなく、封印落ちがあってもそこまで弱くはなっていないかな…?とは思っていましたがやはり以前のようなポテンシャルを発揮できなくなっている部分が重たく感じられ、コマンドでもないので今回は採用しませんでした。

・《単騎連射 マグナム》
天門が除去呪文を多く積んでいる現状ではあまり出番はないと思っています。
ドキンダムによって高速化した環境に対して遅いメタカードはそぐわないです。

・《轟速 S》
火のコマンドなので採用圏内ではあるのですが、このプールに於いては基本的に3ターン目にしか出番がなく、それ以外の場面で死に札になるリスクに対して出すリターンが薄いという結論になりました。
またこれはマグマにも言えるのですが、スピードアタッカーではない生物での禁断開放は盾が残っている際にターンを渡すことになるので基本的には推奨されません。その意味でもスピードアタッカーではなく火のコマンドでもない攻め札はあまり採用したくなかった、というのが今回の構築です。

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以上になります。
最後はシールドトリガーに泣かされて悔しい結果に終わってしまいましたが、やれることはやりました。カバレージを書いてもらったり、志を同じくした仲間が頑張って入賞を果たしてくれたりとあながち悪いことばかりでもなくて、今回こうやって一生懸命研究して良かったなと思っています。もう今年のチャレンジが終わった人は自分も含めてお疲れ様でした。これからエリアに出る人は悔いのないように楽しんで頑張って欲しいです^ー^ では!

 


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