【環境考察】2015年春のメタゲームについて

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「双剣オウギンガ」「超戦ガイネクスト」がリリースされ、2014年度に展開されたエキスパンション、《ドラゴン・サーガ》もとうとう全てのカード群が出揃いました。この環境の大会はゴールデンウィーク中にも数多く予定されておりますが、ここで一旦現状のメタゲームを振り返ってみましょう。

■カードプールの変遷

2014年3月14日、殿堂レギュレーションが一新されました。

プレミアム殿堂入り
《蒼狼の始祖アマテラス》


殿堂入り
《超次元ホワイトグリーン・ホール》

《ミステリー・キューブ》

これにより、前環境における最大手の一角だった【キューブブラスター】【刃鬼】が大打撃を受けました。前者は構築不能なレベルになり、後者は対ビートダウン性能、もといデッキパワーが落ち込んだことにより構築の見直しが求められるようになりました。

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2015春メタゲーム図1

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上の図は現時点でのメタゲームを簡単に表したものです。

【サソリス】
【ヘブンズ・ゲート】
【イメン=ブーゴ】
【ヘルボロフ】
【刃鬼】

筆者の考える環境上位のデッキ群です。もちろんこれ以外にも勝てるデッキはあると思いますが、使用者が多く、現状目立っているのはこの5つでしょう。これらの中でも現状は【イメン=ブーゴ】【ヘルボロフ】の2つが特に勝ちやすい、と考えています。


■デッキタイプ別考察

①【サソリス】

【キューブブラスター】のようなビートダウンに強かったデッキ群が弱体化したことで、中速ビートダウンである【サソリス】に注目が集まる事になります。

【サソリス】
はかつての【Mロマ】【シューゲイザーワンショット】 のようなとても攻撃性能の高いデッキで、それによって瞬く間に環境を支配しました。並の受け札ではサソリスによるワンショットを安全に受け流すことが出来ないのです。マナ武装というデッキの性質上緑単で構成されるのが最もメジャーですが、デッキパワーの底上げを狙って《龍覇 グレンモルト》と組み合わせる構成もあります。この構成は【イメン=ブーゴ】に対して優位性が持てるのです。

「緑単サソリス@こすお」
(第3回平城CS 優勝)

「赤緑サソリス@半ズボン」
(DMGP2 in 横浜 チーム戦 優勝)

②【ヘブンズ・ゲート】

【サソリス】に対して圧倒的に有利が取れるデッキタイプであり、また《天獄の正義 ヘブンズ・ヘブン》、《奇跡の精霊ミルザム》+《音感の精霊龍 エメラルーダ》のような相手を選ばないフィニッシャーを用意できるようになり、パワーの高いデッキになっています。

単純なビートダウンに対してとても強い代わりに、【イメン=ブーゴ】【ヘルボロフ】等の中盤域で膨大なリソースを生み出すデッキをやや苦手にしています。特に後者に対する苦手意識はとても強いためそれが今後の課題になっていくでしょう。デッキの型としては青のドローまたは魔天降臨等の黒をミックスしたタイプと、マナ武装のある白単色タイプの2つがあります。

「ドロマー天門@しくろろ」
(第2回めんたいCS 優勝)

「白単天門@ガリガリ君」
(DMGP2 in 横浜 チーム戦 2位)

 

③【イメン=ブーゴ】

2015年3月制限が適応される少し前から猛威を奮っていたデッキタイプです。
鎧亜戦隊ディスマジシャンを中核にしたループからワンショットする構造のどこにも規制がかからず、対抗馬が登場しなければそのまま一強状態になるかと思われましたが、実際はビートダウンに対する脆さを【サソリス】に攻められた為かそうはなりませんでした。
しかし研究が進まるにつれて、他デッキへの勝率を残したままその【サソリス】に対して意識を寄せた構成が現れ始め、上位デッキとして現状トップメタになっています。

「イメン=ブーゴ@◆斉藤」
(DMGP2 in 横浜 チーム戦 優勝)

「イメン=ブーゴ@カジュアル」
(第2回江戸前CS 優勝)

④「ヘルボロフ」

「超戦ガイネクスト 極」がリリースされたことによって構築可能になったデッキタイプです。黒の持つハンデスと除去を基板に、妨害をしながら自分はドラグナーによる展開でアドバンテージを爆発的に増やしていく様はまさに黒の【イメン=ブーゴ】…..なのですが、イメンとは違って出たばかりのデッキタイプであったためか研究が浅く、また構築の自由度も高かった事から環境に適応した強いリストが出回っていませんでした。

第2回大阪CS(午後)でdotto選手が優勝するまでは。

これにより【ヘルボロフ】が多くのプレイヤーの目に留まり、その勢力を伸ばしていきました。
動かし方が難しく、勝つまでに時間がかかるという難点こそあれど大きく不利がついたデッキが現状あまりないという性質があります。プレイヤーの理解度が大事というわけですね。

「ヘルボロフ@dotto」
(第2回大阪CS(午後) 優勝)

「ヘルボロフ@鮭くれーぷ」
(第6回岡山CS 優勝)

⑤【刃鬼】

規制によって従来のような構成はできなくなってしまいましたが、中核パーツは残っており、《調和と反映の罠》等のビートダウンに対する別の防御札を駆使して復活を遂げました。

人気があり、どの会場でもとにかく使用者が多く、それによって勝ち上がっています。
自らが一方的にメタ対象として意識されることはなくなりましたが、【サソリス】【イメン=ブーゴ】に対して有効なカードはまるで違い、あちらを立てればこちらが…となりやすい為、どれに対して一概に有利不利というのが言えないのです。
うまく環境を読みきってそれに適した構成が取れるかどうか、という事が試されるデッキだと思います。

「刃鬼@vol」
(第2回大阪CS(午前) 優勝)

「刃鬼@スリービー」
(第2回江戸前CS 2位)

 

■今後は

「超戦ガイネクスト真」はリリースされてまだ間もないエキスパンションなので、今後はこれらのカードを使用した新しいデッキがメタゲームに現れるのではないか、と考えています。
メタゲームはプレイヤーの研究によって進みます。それは常に古びていくものであり、ここで挙げた5つのデッキタイプも、新たなデッキや考え方の登場によって以前のようには勝てなくなるかもしれません。

筆者も次の大会に向けてまた新しいデッキを考えようと思います。
では!


カテゴリ:メタゲーム・ブレイクダウン