【第11回DM静岡CS】メタゲーム・ブレイクダウン

 TeamDM静岡CS代表のThunders#36です。
 第11回DM静岡CSにご参加して頂きました選手の皆様、そして関係者の皆様、改めまして本当に有難う御座いました。メインイベントの動員数はDAY-1が297名、DAY-2が330名の計627名となり、両日共に参加者数の歴代記録を大きく更新。会場から溢れんばかりの選手達が、静岡CSの舞台で激闘を繰り広げていきました。

 さあ、ということで新殿堂シーズン、そして2018年度のランキングシーズンが開幕となりました。
 真っ新なフィールドに、一斉に放たれた627の選手とデッキ達。新年度のランキングトップを狙う者、翌週に控える日本一決定戦を見据える者、誰も予想しないであろうデッキを持ち込む者。選手達はそれぞれの思いを胸に、デッキを手に取りフィールドへと繰り出しました。今回も、そんな彼らのアイディアと情熱が詰まったデータの海原へ飛び込んでみたいと思います。果たして、新シーズンの幕開けでは、どのようなフィールドが広がっていたのでしょうか。

 

 

■メタゲーム・ブレイクダウン

 

 流石は新環境の開幕戦、と言ったところでしょうか。1つの突出したアーキタイプを除き、多様なアーキタイプがバランスよく存在しております。そう、1つを除いては。

 言わずもがな、その1つとは「バスター」です。個人戦において76名(25.6%)、団体戦において92名(27.9%)という数値はあまりにも圧倒的。4名に1名以上がこれを使用している訳ですから、最早このデッキと相対しなかった選手はいなかったのではないか、というレベルです。
 また、このアーキタイプの中で最も人気を獲得した「青赤バスター」は、個人戦で46名(15.5%)、団体戦で65名(19.7%)の使用者を獲得。当然、全デッキタイプの中で1番人気を誇りました。これだけでも他のどのアーキタイプよりも多く、その異常さがわかるかと思います。

 ひとつの異常なアーキタイプを除くと、その下では熾烈な2番手争いが繰り広げられております。
 まず水文明のシノビとS・トリガーでビートダウン全般を封殺する「青緑カウンター」系統が個人戦にて29名(9.8%)、団体戦にて22名(6.7%)の選手を獲得。このアーキタイプは入賞ラインへの輩出数も多く、そのポテンシャルの高さを存分にアピールしました。
 そのすぐ下に控えるのが、個人戦王者・ちやす選手が使用した「サソリムカデ」、そして個人戦準優勝者・詩人選手が使用した「ハンデス」。どちらも2日間通して高水準な使用者数を維持。メタゲームにおいてかなりの存在感を残しました。
 また、個人戦では鳴かず飛ばずだった「ジョーカーズ」ですが、団体戦では第2位32名(9.7%)の使用者数を獲得し、うち4名をTop8に輩出する大躍進。『団体戦はビートダウンが数を伸ばす』という通説が、またもや事実であることが証明されました。・・・ああ、そういえば「バスター」も個人戦より増えてますね。

 ちなみに、制限を受けながらも奮闘し続けるドラグナー達が確認されております。
 《真・龍覇 ヘブンズ・ロージア》を制限された「ロージアダンテ」でしたが、個人戦では11名(3.7%)が使用し、なんとそのうち4名が入賞ラインである7勝以上に到達し、1名がプレーオフ進出。団体戦でも2名がプレーオフ進出しており、まだまだ衰えぬその強さを存分に証明しました。
 また、コンビ殿堂にて実質的に《爆熱天守 バトライ閣》を失った「NEXT」も、個人戦にて10名(3.7%)が使用。こちらは流石に「バスター」だらけの環境についていくことが出来なかったか、入賞ラインには到達出来ず、団体戦では鳴りを潜めてしまいました。しかしながら、初日に10名の支持者を獲得した人気は流石。今後メタゲームが回転するにつれ、再び頂点にカムバックする未来もあるかもしれません。

 

 さて、どのデッキがどれだけ居たのか、というのは大体お分かりいただけたかと思います。「バスター」が圧倒的に多い環境だった、というのが率直な感想でしょう。
 しかし、『多い=強い』という等式が必ずしも成り立つわけでは訳ないということは、皆さんもよくご存知のことでしょう。どのデッキが、どれにどれだけ勝ったのか。それを知るべく、今回よりこのような表を用意してみました。

 

 

■DAY-1 個人戦 マッチアップ別勝率表

 こちらはDM:Akashic Record技術班が作成したツールにて算出した、個人戦スイスラウンドにおける各アーキタイプのマッチアップ別勝率表です。まだ始まって間もないメタゲームを、開発したてのツールで解析しているので、算出された数値が完全なものとは限りません。デュエル・マスターズは数値を突き詰めるだけのゲームという訳でもありませんから、あくまでも参考程度にお楽しみいただければ幸いです。

 さあ、この表を見て何に気付けるでしょうか。
 まずはやっぱり「バスター」に纏わる数値から見ていきましょうか。「バスター」自身の総合勝率は49%と僅かに50%を下回りました。Tier2に位置するアーキタイプに対しては非常に高い勝率を叩き出していますが、逆に2番手争いをしているTier1のアーキタイプには苦戦している様子。当たり前のことではありますが、「バスター」に高い勝率を残すことがTier1入りの必須条件である、ということの裏付けとなりますね。
 しかしながら、この49%と言う数値は絶妙ですね。意外と高くないんだな、という印象を抱いてしまいがちですが、実際のところはほぼ5割。突出した勢力を擁するアーキタイプがほぼ5割の勝率を誇るということは、数の暴力で入賞ラインへガンガン押し寄せてくることも全然有り得る訳です。早速「バスター」包囲網が張られ始めたように見えるメタゲームですが、それでもまだまだ「バスター」の猛威は留まらなそう?

 さて、そんな「バスター」に高い勝率をキープしているTier1群ですが、他のアーキタイプにも高い勝率を残しているのがわかります。特に「サソリムカデ」はTier2群に対して滅法強く、全体的に優秀な数値が並んでいます。「ハンデス」も特に各ビートダウンに対し高い勝率を残し、総合勝率56%はTier1群において1位。「墓地ソース」等に勝てないという弱点も露呈しておりますが、それらがまだ勢力を拡大しないうちはメタゲームの一角を張り続けることでしょう。

 そして、もう1つ注目したいアーキタイプがあります。それは「ロージアダンテ」。対「バスター」で最優秀である勝率71%をはじめ、他のアーキタイプにも高い勝率を残し総合勝率63%というハイスコアを叩き出しました。対「サソリムカデ」と対「ジョーカーズ」に不安が残りますが、それ以外にはほぼ5割以上、得意なアーキタイプ達には7割以上を残すこのスペックは見逃せません。隠れた勝ち組デッキ「ロージアダンテ」、今後の華々しい活躍に期待です。

 

 

 

■各アーキタイプ解説

【バスター】

 《“龍装”チュリス》リリースにより、DM史上でも類を見ないスピードと展開力を手に入れてしまった「バスター」。いつかの「黒赤緑バスター」がマナゾーンに闇、火、自然を1つずつ揃え《フェアリー・ギフト》から《絶叫の悪魔龍 イーヴィル・ヒート》を発射しておりましたが、それと同じ速さの動きを1枚で達成してしまうのがこのチュリス。発表から日本中のプレイヤーが研究し、気付けばとんでもない支配率を誇るアーキタイプとなってしまっておりました。

 そんな《“龍装”チュリス》を使いこなすべく開発されたのが、現環境を牛耳るデッキ「青赤バスター」。《月光電人オボロカゲロウ》《プラチナ・ワルスラS》で手札を整えながらビートダウン、チュリスバスターが揃えばその瞬間に発射。《異端流し オニカマス》をはじめ、《奇天烈 シャッフ》《“乱振”舞神 G・W・D》《メガ・マグマ・ドラゴン》といったメタカードも無理なく搭載することが出来、速度と対応力を兼ね揃えたデッキとなっております。人気になるのも当たり前ですよね。


Hirokazu選手 - 「青赤バスター」
第11回DM静岡CS 団体戦 優勝 / 殿堂レギュレーション(2018.03.04)
DMvaultハッシュ:24a4192cf5800dc87c67ad8f6485f575

-メインデッキ(40)-
4 x 月光電人オボロカゲロウ
4 x 異端流し オニカマス
4 x 熱湯グレンニャー
4 x プラチナ・ワルスラS
4 x 終末の時計 ザ・クロック
4 x ドンドン吸い込むナウ
4 x “龍装”チュリス
1 x 音精 ラフルル
3 x “乱振”舞神 G・W・D
4 x 勝利のアパッチ・ウララー
4 x 蒼き団長 ドギラゴン剣

-超次元ゾーン(8)-
1 x 勝利のプリンプリン/唯我独尊ガイアール・オレドラゴン
1 x 勝利のリュウセイ・カイザー/唯我独尊ガイアール・オレドラゴン
1 x レッド・ABYTHEN・カイザー/シャチホコ・GOLDEN・ドラゴン
1 x 勝利のガイアール・カイザー/唯我独尊ガイアール・オレドラゴン
1 x 時空の指令 コンボイ・トレーラー/司令官の覚醒者 コンボイ
1 x アクア・アタック〈BAGOOON・パンツァー〉/弩級合身!ジェット・カスケード・アタック
1 x 紅蓮の怒 鬼流院 刃/バンカラ大親分 メンチ斬ルゾウ
1 x ガイアール・カイザー/激竜王ガイアール・オウドラゴン


 

 チュリスを活かす、という意味では、こちらのアイディアも負けてはおりません。
 「赤緑バスター」は、《次元の霊峰》や《ディメンジョン・ゲート》等のサーチカードで《バスター》や《勝利のアパッチ・ウララー》、《音精 ラフルル》を確実に用意し、安定してバスターフィニッシュを決めていきます。ブーストが入っている分、《超次元ムシャ・ホール》や《メガ・マグマ・ドラゴン》を1ターン早くキャスト出来るのもポイント。特に「ジョーカーズ」のような横展開するデッキには有利に立ち回れることでしょう。


tomo@選手 - 「赤緑霊峰バスター」
第11回DM静岡CS 個人戦 Top8 / 殿堂レギュレーション(2018.03.03)
DMvaultハッシュ:eb6f9365bb037889f21a7b80c9d6d4ec

-メインデッキ(40)-
1 x 爆砕面 ジョニーウォーカー
4 x フェアリー・ライフ
3 x 次元の霊峰
1 x 光牙忍ハヤブサマル
1 x 単騎連射 マグナム
3 x 神秘の宝箱
1 x ディメンジョン・ゲート
1 x 五郎丸コミュニケーション
2 x “龍装”チュリス
1 x 漢の2号 ボスカツ剣
1 x 音精 ラフルル
3 x 超次元ムシャ・ホール
2 x 勝利のアパッチ・ウララー
2 x リュウセイ・ジ・アース
4 x ハムカツ団の爆砕Go!
2 x メガ・マグマ・ドラゴン
4 x 蒼き団長 ドギラゴン剣
1 x 百族の長 プチョヘンザ
3 x 爆殺!! 覇悪怒楽苦

-超次元ゾーン(8)-
1 x 勝利のプリンプリン/唯我独尊ガイアール・オレドラゴン
1 x 勝利のリュウセイ・カイザー/唯我独尊ガイアール・オレドラゴン
1 x レッド・ABYTHEN・カイザー/シャチホコ・GOLDEN・ドラゴン
1 x 勝利のガイアール・カイザー/唯我独尊ガイアール・オレドラゴン
1 x 時空の指令 コンボイ・トレーラー/司令官の覚醒者 コンボイ
1 x アクア・アタック〈BAGOOON・パンツァー〉/弩級合身!ジェット・カスケード・アタック
1 x 紅蓮の怒 鬼流院 刃/バンカラ大親分 メンチ斬ルゾウ
1 x ガイアール・カイザー/激竜王ガイアール・オウドラゴン


 

 

【青緑カウンター】

 《怒流牙 佐助の超人》《斬隠蒼頭龍バイケン》のパッケージを軸に、様々な水文明のコンバットトリックにてビートダウンに逆襲するアーキタイプを「青緑カウンター」と言う名前でまとめました。ほぼ青単なビート寄りのデッキや、ビッグマナ寄りのデッキが一括りとなっており、広い範囲のデッキがここに属することとなりました。メタゲームが熟して行くにつれ、細分化と新たな命名がされることでしょう。

 まずはビートダウン寄りなデッキからご紹介。
 最早定番のアタッカーとなった《プラチナ・ワルスラS》を筆頭に、軽コストの水クリーチャーが名を連ねます。このタイプの目指すフィニッシュは《奇天烈 シャッフ》と《時の法皇 ミラダンテXII》、RevF環境で活躍した「シリンダダンテ」の最新型という表現がわかりやすいでしょうか。
 注目のカードは《拘束の毒 ジェリフィ》。《バイケン》を繰り出しながら複数のアタッカーを止めるS・トリガーとして、このデッキタイプの殆どのリストに採用されておりました。複数のアタッカーを止められることの偉大さは、《Dの博才 サイバーダイス・ベガス》《超次元ガロウズ・ホール》パッケージで皆さんもご存知ですよね。ビートダウンからすると本当に厄介な存在です。


上田麗奈選手 - 「準青単シリンダダンテ」
第11回DM静岡CS 個人戦 Top8 / 殿堂レギュレーション(2018.03.03)
DMvaultハッシュ:31987240c27f67975360791c3ac49b5e

-メインデッキ(40)-
4 x 貝獣 ホタッテ
1 x エメラル
4 x 異端流し オニカマス
4 x 一なる部隊 イワシン
1 x 光牙忍ハヤブサマル
4 x プラチナ・ワルスラS
1 x ストリーミング・シェイパー
3 x 奇天烈 シャッフ
3 x 怒流牙 佐助の超人
4 x 拘束の毒 ジェリフィ
1 x 音精 ラフルル
3 x 革命龍程式 シリンダ
4 x 斬隠蒼頭龍バイケン
3 x 時の法皇 ミラダンテXⅡ

-超次元ゾーン(8)-
2 x 時空の踊り子マティーニ/舞姫の覚醒者ユリア・マティーナ
1 x 時空の霊魔シュヴァル/霊魔の覚醒者シューヴェルト
4 x ヴォルグ・サンダー/雷獣ヴォルグ・ティーガー
1 x 超時空ストームG・XX/超覚醒ラスト・ストームXX


 

 次にビッグマナ気味のコントロールタイプのご紹介。

 こちらはとにかく堅い防御力に注目です。デッキの半分程がディフェンスに関わるコンバットトリックカードで、生半可な攻撃は一切通りません。攻撃をシャットダウンしたら、《ロスト・ソウル》で相手を機能不全にし、最終的に《水上第九院 シャコガイル》や《ジョリー・ザ・ジョニー Joe》でエクストラウィンを狙います。まさにTHE・コントロールなデッキですね。
 デッキリストが複雑で、かつコンバットトリックを多用する為難しい印象を受けますが、やることは『受けて』『エクストラウィン』とシンプル。攻めるDMも趣がありますが、守るDMもまた一興。新時代のコントロールデッキ、お手に取ってみてはいかがでしょうか?


ラプト選手 - 「青緑タッチ黒ターボロスト」
第11回DM静岡CS 団体戦 4位 / 殿堂レギュレーション(2018.03.04)
DMvaultハッシュ:5763c7af68db6211a275b6fb0a9a2202

-メインデッキ(40)-
1 x セイレーン・コンチェルト
4 x 電脳鎧冑アナリス
1 x お清めトラップ
4 x 怒流牙 佐助の超人
2 x クリスタル・メモリー
2 x 英雄奥義 スパイラル・ハリケーン
4 x フェアリー・シャワー
1 x 龍素記号 Xf クローチェ・フオーコ
4 x Dの博才 サイバーダイス・ベガス
3 x 斬隠蒼頭龍バイケン
1 x 超次元ガロウズ・ホール
1 x 龍素記号Sr スペルサイクリカ
1 x 疾封怒闘 キューブリック
3 x 怒流牙 サイゾウミスト
3 x ロスト・ソウル
4 x テック団の波壊Go!
1 x ジョリー・ザ・ジョニー Joe

-超次元ゾーン(8)-
1 x シルバー・ヴォルグ/撃墜王ガイアール・キラードラゴン
1 x 勝利のプリンプリン/唯我独尊ガイアール・オレドラゴン
2 x ヴォルグ・サンダー/雷獣ヴォルグ・ティーガー
1 x 勝利のリュウセイ・カイザー/唯我独尊ガイアール・オレドラゴン
1 x 時空の凶兵ブラック・ガンヴィート/凶刀の覚醒者ダークネス・ガンヴィート
1 x アクア・アタック〈BAGOOON・パンツァー〉/弩級合身!ジェット・カスケード・アタック
1 x 勝利のガイアール・カイザー/唯我独尊ガイアール・オレドラゴン


 

 

 

【サソリムカデ】

 現代デュエルマスターズにおいて、最早ループのない環境など考えられない?
 《ベイB ジャック》が禁止され「ジャスティスループ」が衰退した今、殿堂レギュレーションのループと言えば、まず名前が挙がるのはこのアーキタイプです。

 ループの起動には最低でも《戒王の封》をプレイする為の6マナと、パーツが墓地に落ちていることが必要な為、それを揃える為のカード達が名を連ねます。「バスター」をはじめとした高速ビートダウンが多い環境であるという読みからか、《オニカマス》や《貝獣 アホヤ》を厚く採ったリストが大半を占めました。後者は墓地肥やしを兼ねるブロッカーであり、非常にこのメタゲームに合ったカードと言えるでしょう。
 また、特に「ジョーカーズ」を見て採用されているというのが《壊滅の悪魔龍 カナシミドミノ》。《堕魔 ドゥポイズ》や《アホヤ》でのブロックとの組み合わせは最高で、クリーチャーが1体でも破壊されるとドミノ倒しの如く相手の場を崩壊させます。トリガー《戒王の封》でも蘇生してくるので、ビートダウンはとにかく注意して攻撃しなければなりません。


ちやす選手 - 「青黒サソリムカデループ」
第11回DM静岡CS 個人戦 優勝 / 殿堂レギュレーション(2018.03.03)
DMvaultハッシュ:88626c4f3de9426b19037e4ec0f77dae

-メインデッキ(40)-
4 x 異端流し オニカマス
3 x 堕魔 ドゥポイズ
4 x エマージェンシー・タイフーン
1 x 光牙忍ハヤブサマル
4 x 貝獣 アホヤ
4 x パイレーツ・チャージャー
2 x 壊滅の悪魔龍 カナシミドミノ
4 x 戒王の封
4 x 凶鬼07号 ジャバランガ
3 x 唸る鉄腕 ギリガザミ
2 x 復活の祈祷師ザビ・ミラ
4 x 阿修羅サソリムカデ
1 x 偽りの星夜スター・イン・ザ・ラブ

-超次元ゾーン(8)-
1 x 時空の踊り子マティーニ/舞姫の覚醒者ユリア・マティーナ
1 x 時空の霊魔シュヴァル/霊魔の覚醒者シューヴェルト
1 x 勝利のプリンプリン/唯我独尊ガイアール・オレドラゴン
4 x ヴォルグ・サンダー/雷獣ヴォルグ・ティーガー
1 x 超時空ストームG・XX/超覚醒ラスト・ストームXX


 

 

 

【ハンデス】

 最大の敵「NEXT」が制限改訂で弱体化、そして得意とする「バスター」が覇権を握らんとする新環境。そんな状況で、このアーキタイプが黙っている訳がありません。

 「ハンデス」と言えば「青黒ハンデス」か「ドロマーハンデス」の2種類が代表的ですが、今回躍進したのは後者。《オリオティス・ジャッジ》や《天使と悪魔の墳墓》といったキラーカード達が、様々なデッキの戦略を狂わせます。
 このアーキタイプも《超次元ガロウズ・ホール》を制限され、攻守共に不安が残る開幕となりましたが、各プレイヤーは《Dの博才 サイバーダイス・ベガス》を残した上で《ガロウズ・ホール》の穴を埋めるべくリストを改造したようです。多くのリストに取られていたのは《テック団の波壊Go!》と《百族の長 プチョヘンザ》、そして3枚程採られた《オリオティス・ジャッジ》。「バスター」をはじめとしたビートダウンは絶対に取りこぼさない、という意図が伝わってきます。


詩人選手 - 「白青黒ハンデス」
第11回DM静岡CS 個人戦 準優勝 / 殿堂レギュレーション(2018.03.03)
DMvaultハッシュ:a389aa16d4395890f27780652a5ce832

-メインデッキ(40)-
3 x 異端流し オニカマス
4 x 特攻人形ジェニー
1 x 光牙忍ハヤブサマル
2 x 黙示護聖ファル・ピエロ
3 x オリオティス・ジャッジ
4 x ブレイン・タッチ
3 x パクリオ
3 x デモンズ・ライト
2 x 天使と悪魔の墳墓
3 x 超次元リバイヴ・ホール
2 x 超次元ミカド・ホール
4 x Dの博才 サイバーダイス・ベガス
1 x 魔天降臨
1 x 超次元ガロウズ・ホール
3 x テック団の波壊Go!
1 x 百族の長 プチョヘンザ

-超次元ゾーン(8)-
3 x ヴォルグ・サンダー/雷獣ヴォルグ・ティーガー
1 x 勝利のリュウセイ・カイザー/唯我独尊ガイアール・オレドラゴン
1 x 時空の凶兵ブラック・ガンヴィート/凶刀の覚醒者ダークネス・ガンヴィート
1 x 激天下!シャチホコ・カイザー/絶対絶命ガロウズ・ゴクドラゴン
1 x 勝利のガイアール・カイザー/唯我独尊ガイアール・オレドラゴン
1 x 超時空ストームG・XX/超覚醒ラスト・ストームXX


 

 

 

【デスザーク】

 DMRP-04魔にてリリースされた《卍 デ・スザーク 卍》と魔導具を中心に構築されるコントロールデッキ。その殆どが黒単で構築され、《爆霊魔 タイガニトロ》や《超次元リバイヴ・ホール》等の闇文明のパワーカードが脇を固めます。黒単らしく、ハンデスで相手の行動を縛りながら盤面をコントロールし、目指すは《ヴォルグ・サンダー》でのライブラリーアウトや、《爆霊魔 タイガニトロ》を維持しながらのダイレクトアタック。

 とにかくビートダウンに強いのがこのアーキタイプの特長、「バスター」「ジョーカーズ」「レッドゾーン」「墓地」「NEXT」「落城」との対面で非常に高い勝率を叩き出しております。逆にそれ以外との対面にてあまり勝率が高くないのが気になりますが、それは使用している選手達もわかっていることでしょう。これからそのウィークポイントをどう解消していくのか、はたまたこのデータを覆す選手が現れるのか、注目です。


フルス選手 - 「黒単デ・スザーク」
第11回DM静岡CS 個人戦 17位(7-2) / 殿堂レギュレーション(2018.03.03)
DMvaultハッシュ:ce6df5a7dbfc6f2ed78614f8c256641f

-メインデッキ(40)-
2 x 悪臭怪人ゴキーン
4 x 堕魔 ドゥグラス
3 x 堕魔 ドゥポイズ
3 x 堕魔 ドゥシーザ
3 x 洗脳センノー
4 x 堕魔 グリギャン
3 x 堕魔 グリペイジ
4 x 堕魔 ヴォガイガ
3 x 爆霊魔 タイガニトロ
3 x 超次元リバイヴ・ホール
2 x 超次元ミカド・ホール
2 x ハインリヒ・ダーマルク
4 x 卍 デ・スザーク 卍

-超次元ゾーン(8)-
2 x ヴォルグ・サンダー/雷獣ヴォルグ・ティーガー
1 x 勝利のリュウセイ・カイザー/唯我独尊ガイアール・オレドラゴン
1 x 時空の凶兵ブラック・ガンヴィート/凶刀の覚醒者ダークネス・ガンヴィート
2 x 激天下!シャチホコ・カイザー/絶対絶命ガロウズ・ゴクドラゴン
1 x 勝利のガイアール・カイザー/唯我独尊ガイアール・オレドラゴン
1 x 時空の封殺ディアスZ/殲滅の覚醒者ディアボロスZ


 

 

 

【ジョーカーズ】

 新殿堂で《破界秘伝ナッシング・ゼロ》を制限されるも、それに代わる新たな兵器《ジョジョジョ・マキシマム》を手に入れた「ジョーカーズ」。《ナッシング・ゼロ》より決定力のあるこのカード、殆どのプレイヤーが投入したリストを使用しました。

 勝率表によると、「青緑カウンター」や「青黒サソリムカデ」に対し善戦しており、Tier2群にも高い勝率を残せているのですが、圧倒的勢力を誇る「バスター」にあまり勝てていないのが大きく足を引っ張ったか。総合勝率も50%を下回りました。
 これには現状「バスター」側が《G・W・D》等を搭載した盤面制圧力の高いリストが多いのが原因として考えられます。《ジョジョジョ・マキシマム》や《超特Q ダンガンオー》をメインウェポンとして構える以上、ジョーカーズクリーチャーを横に展開するのは必須。今後「バスター」の天下が続く中、どうこの状況を打開していくのか。もしかしたら、全く違うリストが生まれるなんてこともあり得そうですね。


じゃかりこ選手 - 「ゼロ単ジョーカーズ」
第11回DM静岡CS 団体戦 優勝 / 殿堂レギュレーション(2018.03.04)
DMvaultハッシュ:ce674eafa6da4bb32a073695b941851b

-メインデッキ(40)-
4 x ジョジョジョ・ジョーカーズ
4 x ヤッタレマン
4 x チョコっとハウス
4 x パーリ騎士
4 x 洗脳センノー
4 x ゼロの裏技ニヤリー・ゲット
4 x ヘルコプ太
3 x 消王ケシカス
3 x 超特Q ダンガンオー
2 x ジョリー・ザ・ジョニー
1 x 破界秘伝ナッシング・ゼロ
3 x ジョジョジョ・マキシマム


 

 

 

【墓地ソース】

 《一なる部隊 イワシン》を手に入れ、山札を掘るスピードが更に速くなった「墓地ソース」。ビートダウンが多いなら当然このアーキタイプだって活躍の可能性は大いにあります。それに気付いた選手も少なくなかったようで、両日共に12名が使用し、1名がプレーオフ進出を果たしました。

 ビートダウンに強いのは勿論、「ハンデス」にも強いのがこのアーキタイプの特長。今大会で「ハンデス」が数を伸ばしたのはかなりの追い風だったのではないでしょうか。また「青緑カウンター」系との対面でも、対戦数は少ないながら60%の勝率を記録。「墓地ソース」と言えば「ビッグマナ」のようなデッキはあまり得意としない印象がありますが、「青緑カウンター」系との対面ではその常識は当て嵌まらないようです。

 しかし、本当によく《プラチナ・ワルスラS》が使われる環境となりましたね。旧環境の「青赤ブランド」、そして新環境の「青赤バスター」「準青単シリンダダンテ」「墓地ソース」。テキスト自体は非常に強力なのですが、リリース当初は殆ど使われていませんでした。もしかしたら今のカードプールにも、このような『強いのに使われていないカード』が眠っているかもしれません。次のシンデレラカードはどれになるのでしょうか?


都宮選手 - 「青黒赤墓地ソース」
第11回DM静岡CS 個人戦 Top8 / 殿堂レギュレーション(2018.03.03)
DMvaultハッシュ:909e41eef6e5e5fd29c88e510ac170d0

-メインデッキ(40)-
4 x 異端流し オニカマス
4 x 一なる部隊 イワシン
4 x 戦略のD・Hアツト
4 x 【問2】 ノロン⤴
4 x 終末の時計 ザ・クロック
3 x 埋葬の守護者ドルル・フィン
4 x プラチナ・ワルスラS
1 x 盗掘人形モールス
3 x 暗黒鎧 ダースシスK
4 x 百万超邪 クロスファイア
2 x 撃髄医 スパイナー
3 x 暴走龍 5000GT

-超次元ゾーン(8)-
1 x シルバー・ヴォルグ/撃墜王ガイアール・キラードラゴン
1 x 勝利のプリンプリン/唯我独尊ガイアール・オレドラゴン
1 x 勝利のリュウセイ・カイザー/唯我独尊ガイアール・オレドラゴン
1 x レッド・ABYTHEN・カイザー/シャチホコ・GOLDEN・ドラゴン
1 x アクア・アタック〈BAGOOON・パンツァー〉/弩級合身!ジェット・カスケード・アタック
1 x 紅蓮の怒 鬼流院 刃/バンカラ大親分 メンチ斬ルゾウ
1 x 勝利のガイアール・カイザー/唯我独尊ガイアール・オレドラゴン
1 x 時空の指令 コンボイ・トレーラー/司令官の覚醒者 コンボイ


 

 

 

【ロージアダンテ】

 「ロージアダンテ」の”ロージア”の部分が制限された訳ですが、それでも非常に優秀な成績を収めたアーキタイプ。制限を納得させる実力を披露したアーキタイプですが、それ以上にこのアーキタイプの可能性を諦めていなかった選手達も流石としか言いようがありません。

 とにかく幅広い相手に高い勝率を残せることを証明した今大会。「サソリムカデ」「ジョーカーズ」が苦手であることは露呈してしまいましたが、それ以外の対面を殆ど苦にしていないのは見事。今回のデータでは「デスザーク」との対面成績を得ることが出来ませんでしたので、それが気になるところです。実際にデッキを手に取って、自分で確認してみたいですね。

 今回特に優秀な成績を収めたのは白青黒、所謂ドロマーカラー。《ロージア》制限によって空いた枠に《超次元リバイヴ・ホール》等の超次元呪文が入り、また《裏切りの魔狼月下城》が制限した影響か《ブレイン・タッチ》を採用した選手が非常に多く、なんだか益々コントロールっぽさ溢れるデッキリストへと進化しました。


ブラックアイズ片倉選手 - 「白青黒ロージアダンテ」
第11回DM静岡CS 団体戦 3位 / 殿堂レギュレーション(2018.03.04)
DMvaultハッシュ:4ef33ef8ed598a4394cfd2b2483539fb

-メインデッキ(40)-
2 x コアクアンのおつかい
4 x ブレイン・タッチ
4 x デモンズ・ライト
4 x 解体人形ジェニー
2 x ミラクルストップ
2 x クリスタル・メモリー
2 x 音感の精霊龍 エメラルーダ
1 x 龍素記号 Xf クローチェ・フオーコ
4 x 青寂の精霊龍 カーネル
4 x ドラゴンズ・サイン
2 x 超次元リバイヴ・ホール
1 x 超次元ガロウズ・ホール
1 x 真・龍覇 ヘブンズロージア
3 x 時の秘術師 ミラクルスター
3 x 時の法皇 ミラダンテXⅡ
1 x 百族の長 プチョヘンザ

-超次元ゾーン(8)-
1 x 革命槍 ジャンヌ・ミゼル/聖槍の精霊龍 ダルク・アン・シエル
1 x 龍魂城閣 レッドゥル/極真龍魂 オール・オーバー・ザ・ワールド
1 x 天獄の正義 ヘブンズ・ヘブン/天命讃華 ネバーラスト
1 x 真聖教会 エンドレス・へブン/真・天命王 ネバーエンド
1 x ヴォルグ・サンダー/雷獣ヴォルグ・ティーガー
1 x 勝利のリュウセイ・カイザー/唯我独尊ガイアール・オレドラゴン
1 x 時空の凶兵ブラック・ガンヴィート/凶刀の覚醒者ダークネス・ガンヴィート
1 x 勝利のガイアール・カイザー/唯我独尊ガイアール・オレドラゴン


 

 

 

【ゲイルヴェスパー】

 数々の凶悪デッキを世に放った《ベイB ジャック》が禁止となりましたが、自然文明は早くも次なる兵器を生み出しました。《天風のゲイル・ヴェスパー》《ジーク・ナハトファルター》コンボは、一見自然文明らしいシンプルかつ豪快な戦略なのですが、決まるとその瞬間にほぼゲームフィニッシュに直結する、非常に無慈悲な戦略でもあるのです。
 《ジャンボ・ラパダイス》や《ボント・プラントボ》といった強力なファッティサポートの恩恵を受け、4~5ターンでの起動を目指すことが出来てしまうこのコンボ。そう、あの「サソリムカデ」と同等かそれ以上の速度でゲームフィニッシュまで駆け上れてしまうんです。
 しかもこのコンボは特にクリーチャーを踏み倒している訳ではなく、あくまでもコストを最低限まで下げて召喚し続けているだけなので、《オニカマス》や《洗脳センノー》といった環境を代表するメタクリーチャーから妨害を受けないのも大きい。逆に、妨害を与えられるのは《制御の翼 オリオティス》《絶対の畏れ 防鎧》ですが、今大会にこれらを採るデッキがあまり存在しなかったのも追い風だったのでしょう。個人戦、団体戦共に見事入賞ラインへ選手を到達させました。

 フィニッシュ手段はパワー12000以上のクリーチャーであればなんでもOKと言っても過言でありません。色事故を防ぐべく《古代楽園モアイランド》《界王類絶対目 ワルド・ブラッキオ》、光文明のS・トリガー《Dの牢閣 メメント守神宮》との抱き合わせで《無限銀河ジ・エンド・オブ・ユニバース》なんかが代表的ですが、1番人気はやはり《水上第九院 シャコガイル》でした。山札を掘るだけ掘って投下すれば勝ち、という1番シンプルで確実な勝利方法は魅力的ですよね。


イタリアン選手 - 「緑単ゲイル・ヴェスパー」
第11回DM静岡CS 団体戦 3位 / 殿堂レギュレーション(2018.03.04)
DMvaultハッシュ:423ebf0d82e537614a0abc74a119bcd2

-メインデッキ(40)-
4 x 界王類七動目 ジュランネル
4 x デデカブラ
4 x デスマッチ・ビートル
4 x ジャンボ・ラパダイス
4 x ボント・プラントボ
3 x リブロッコ・タンク
4 x タマタンゴ・パンツァー
2 x 水上第九院 シャコガイル
3 x キキリカミ・パンツァー
4 x 天風のゲイル・ヴェスパー
4 x ジーク・ナハトファルター

-超次元ゾーン(8)-
2 x 時空の踊り子マティーニ/舞姫の覚醒者ユリア・マティーナ
1 x シルバー・ヴォルグ/撃墜王ガイアール・キラードラゴン
1 x 勝利のプリンプリン/唯我独尊ガイアール・オレドラゴン
4 x ヴォルグ・サンダー/雷獣ヴォルグ・ティーガー


 

 

 

 さて、いかがだったでしょうか。新環境の幕開けは、皆さんの想定した通りの様相をしていましたか?

 このメタゲームを完璧に予想出来た人は殆ど居ないと思います。「バスター」が突出した支持を得る、「サソリムカデ」「デスザーク」といった新勢力達がメタの一角を担う、というのは予想しやすかったかもしれませんが、「青緑カウンター」系の隆盛、「ロージアダンテ」の再生と進化等は、並の研究では届き得ない極地であると言えるでしょう。

 メタゲームとは選手達が創り上げるものです。そしてこの新しいメタゲームは、もう既に轟音を鳴らしながら走り始めました。この記事が公開された数日後には2017年度の日本一決定戦が控え、それを経た後も毎週の如くチャンピオンシップは開催されていきます。様々なアイディアが暴れ回るこのメタゲーム、選手達の手によって向かう先は、一体どのような終着点なのか。そもそも、終着点なんてものがあるのか。

 2018年度の王座を懸けた選手達の戦いの軌跡、まずはその1ページ目をここに綴らせて頂きました。第11回DM静岡CSにご参加された全ての選手、そして全ての関係者に、最大の感謝と敬意を込めて――

 

 それでは、また次の舞台でお会いしましょう!
 Thunders#36


カテゴリ:メタゲーム・ブレイクダウン