【環境考察】2014年夏のメタゲーム変遷について

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数々の大型非公認大会が催された夏が過ぎ、今年も限定戦の冬が巡ってこようとしています。界隈が公式大会一色となる前に、「龍解ガイギンガ」リリース後のメタゲームを振り返りましょう。

■カードプールの変遷

2014年5月24日、《龍解ガイギンガ》がリリースされ、殿堂レギュレーションが一新されました。

新たに殿堂入りしたカードたちはこちら。

《勝利宣言 鬼丸「覇」》
《疾封怒闘 キューブリック》
《鎧亜の咆哮キリュー・ジルヴェス》
《予言者ローラン》
《デビル・ドレーン》
《陰陽の舞》

殿堂レギュレーションの更新により、前環境で活躍していたシューゲイザーワンショット」「ヒラメキスネーク」が大幅に弱体化し、ほぼ構築不能になりました。

また、「スクランブル墓地ソース」が使用する《疾封怒闘 キューブリック》、主に「キューブブラスター」がデッキに4枚搭載している《勝利宣言 鬼丸「覇」》が規制されたことで、前者は《時空の封殺ディアスZ》のようなサイキック・クリーチャー及び大型生物への対処法とデッキの回転力を失い、後者はゲーム決定力の高いフィニッシャーを失った格好です。いずれもデッキとして大幅に弱体化しています。

稀代のワンショットキル環境だったメタゲームは、この規制によって一気にその姿を変えました。さらにひとつ前の環境には、自重しないフルパワーのキューブブラスター(鬼丸「覇」を4枚投入できたのです!)とミラクルフィーバーを擁するフォーミュラが居ましたから、その傾向はより顕著ですね。これによって、デュエルマスターズは「ボードアドバンテージの獲得」を目指す堅実なゲームメイクが求められるようになりました。

話を「龍解ガイギンガ」に移しましょう。
プレイヤーからワンショットキル手段が失われた代わりに、デュエルマスターズには新しいカードが用意されました。

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そう!皆さんご存知、《龍覇 グレンモルト》及び《熱血星龍 ガイギンガ》です。
グレンモルトは盾を一気に5枚ブレイクして倒しきるワンショットや、《キング・アルカディアス》のように特定の行動を封じる事で制圧するゲーム、フォーミュラのような特殊勝利を行えるわけではありません。しかし、

・6というコストの軽さ
・cip生物全てとシナジーするその龍解条件
・たった2回攻撃すればいい

という破格のコストパフォーマンスを持ち、龍解に成功すれば

・パワー7000以下のクリーチャーを1体破壊
・バトル時13000の高パワー
・さらにもう1度攻撃可能

という圧倒的なボードアドバンテージを得られるカードです。

このカードの登場によって「グレンモルト」というデッキタイプが生まれ、グレンモルト及びガイギンガを活かすためのそのカラーリング、デッキ基盤を日本全国のプレイヤーが考えたことでしょう。僕自身もグレンモルトを研究しました。

他にも《龍素記号Sr スペルサイクリカ》《爆鏡 ヒビキ》《魔狼月下城の咆哮》等の新しいカード群が追加され、それによって新時代のメタゲームが形成されることとなります。

■メタゲームの変遷

前環境に蔓延っていた高速のワンショットキルデッキは姿を消し、そのおかげで所謂「ビッグマナ」という低速の大型デッキが本来のデッキパワーを発揮できるようになりました。
以前と比べ、ワンショットデッキを対策するために割いていたデッキの枠をビートダウンへと向けることが可能に。メタ意識も相まってビッグマナはグレンモルトへの対抗馬として復権しました。

グレンモルトは誰もが認める圧倒的なカードです。それをテーマにしたデッキもまた然り。

しかしそれだけでは、豊富な除去トリガーとガイギンガよりも更に決定力の強いゼニス等の大型クリーチャーを擁するビッグマナには勝ちきる事が出来ないのです。グレンモルトを使用するならば、それを活かした上で、使用者の多いビッグマナに対して勝率を取れる構成でなければトーナメントで突出することは叶いませんでした。

そんな中6月上旬に開催された「第3回のじぎくCS 個人戦」にてfogionの持ち込んだ「赤黒緑  / 弾丸ガイアールホール型グレンモルト」(以下、弾丸ガイホと呼びます)は非常に画期的なリストでした。

「赤黒緑弾丸グレンモルト@fogion 」
【第3回のじぎくCS 個人戦 4位 ※】
(※のじぎく個人の決勝Tはダブルイリミネーションでした。
レポートによると決勝トーナメントに於いてただ1人の全勝者として残ったとのこと。つまり通常のトーナメントなら優勝に相当する成績ですね)

4 x 霞み妖精ジャスミン 
4 x フェアリー・ライフ 
3 x 天真妖精オチャッピィ
1 x 次元流の豪力

4 x 解体人形ジェニー 
2 x 希望の親衛隊ファンク 
4 x 地獄門デス・ゲート 

4 x 龍覇 グレンモルト
1 x カモン・ピッピー
4 x 超次元ガイアール・ホール

3 x 腐敗無頼トリプルマウス 
3 x 破壊と誕生の神殿
3 x 未知なる弾丸 リュウセイ 

2 x 銀河大剣 ガイハート/熱血星龍 ガイギンガ 
2 x 時空の喧嘩屋キル/巨人の覚醒者セツダン 
1 x 勝利のリュウセイ・カイザー/唯我独尊ガイアール・オレドラゴン
1 x ガイアール・カイザー/激竜王ガイアール・オウドラゴン 
1 x ブーストグレンオー/激竜王ガイアール・オウドラゴン 
1 x ハイドラ・ギルザウルス/死海竜ガロウズ・デビルドラゴン 

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《未知なる弾丸 リュウセイ》を対ビッグマナへのエンドカードとして機能させつつ、《超次元ガイアール・ホール》でグレンモルトに依存しきらない打点を作るコンセプトで作成された、非常に攻撃力の高いリストです。

また、これ以降のグレンモルトデッキには《地獄門デス・ゲート》の採用が目立つようになりました。このカードの存在によって、高コスト生物を棒立ちさせる行動には常に相手に大きなアドバンテージを与えうる危険性が付きまとう….という風潮が生まれました。

このリストが環境に与えた影響は非常に大きいと言えるでしょう。

一方、のじぎくのチーム戦及び7月上旬に行われた平城CSではメタゲームは別の側面を見せています。

「5色キューブブラスター@アンゼリカ」
【第1回平城CS 優勝】

4 × フェアリー・ミラクル
1 × セブンス・タワー
1 × ガチンコ・ルーレット
4 × ミステリー・キューブ

1 × 転生プログラム
1 × ドンドン吸い込むナウ
1 × ホーガン・ブラスター

1 × 蒼狼の始祖アマテラス
3 × 龍素記号Sr スペルサイクリカ

3 × ミサイル・バースト G
1 × 勝利宣言 鬼丸「覇」
1 × 暴走龍 5000GT

2 × ロスト・ソウル
1 × 偽りの王 ナンバーナイン

3 × 超次元ホワイトグリーン・ホール
1 × 龍仙ロマネスク
3 × 反撃のサイレント・スパーク
2 × 支配のオラクルジュエル
4 × 偽りの王 ヴィルヘルム
2 × 偽りの王 モーツァルト

1 × アルプスの使徒メリーアン/豪遊!セイント・シャン・メリー
1 × イオの伝道師ガガ・パックン/貪欲バリバリ・パックンガー
1 × サンダー・ティーガー/雷獣ヴォルグ・ティーガー
3 × 勝利のプリンプリン/唯我独尊ガイアール・オレドラゴン
1 × 時空の花カイマン/華獣の覚醒者アリゲーター
1 × 激相撲!ツッパリキシ/絶対絶命ガロウズ・ゴクドラゴン

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そう、キューブブラスター、通称「キューブ」です。
先の規制によって覇を失ったこのデッキタイプですが、サイクリカというそれに代わる新しい選択肢を手に入れました。

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サイクリカがもたらすアドバンテージは既存のコスト論を超えた動きをもたらします。また、トリガーや受け札としてグレンモルトデッキを強く意識した採択がなされている為、そういったグレンモルトに対して強く出ることのできるカードをより多く使用することが出来るのです。
《ミサイルバースト・G》等にその影響を感じることが出来ます。

前期ほどの爆発力はなくなってしまいましたが、今期のキューブはそれを埋めるように、受けのしっかりしたアドバンテージを堅実に稼ぐデッキタイプへと変貌しました。

また、このデッキの特徴として、いわゆる「理不尽」が多いという事が挙げられます。ミラクルでの過剰ブースト、キューブでの大きなコストの踏み倒し、転生プログラムからの踏み倒し、トリガーのカウンター、etc…..

どんなに相手が自分よりも環境への理解度が高く、プレイミスをしない選手であっても、それを打ち破るだけの可能性を持っています。

ミラクルでの初動に成功してしまえばその後は連鎖的にリソースを拡張していける為、初動に成功した際の勝率は非常に高いものになっています。とにかくデッキパワーが高く、アドバンテージを積み重ねることが出来ればそれによって結果的に満遍なく勝てるといった感じでしょうか。

このため、この環境下に於いてキューブは特にチーム戦で非常に好まれました。個人戦は基本的に予選は1敗まで、決勝トーナメントでは全勝が絶対必要なのに対して、チーム戦では7割方勝てばよく、チームメイトの勝ち星の噛み合いで上位に食い込む事が可能です。
(※9回戦において、6勝3敗 ないし 7勝2敗 を全員が達成できればおそらくは上位入賞が可能でしょう)
夏のCSラッシュでも、入賞チームには高頻度でキューブが居る、という事態になりました。
この流行は環境終期まで続きます。

「黒赤緑グレンモルト」「5色キューブブラスター」の躍進はプレイヤーの思考に影響を及ぼし、環境は少しずつ動いていきます。

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8月はCSラッシュ。8月上旬に行われた「第5回岡山CS」を皮切りに、おやつCS summer Festival 2014の各地域等々数多くの大会が開催され、そして数多くのドラマが繰り広げられました。

「黒赤緑シューゲイザーグレンモルト@◆斎藤
【第5回岡山CS 準優勝】

4 x フェアリー・ライフ
4 x ピクシー・ライフ
3 x 天真妖精オチャッピィ
1 x 次元流の豪力
1 x 鳴動するギガ・ホーン
2 x 超次元フェアリー・ホール

4 x 解体人形ジェニー
2 x 希望の親衛隊ファンク
4 x 地獄門デス・ゲート

1 x カモン・ピッピー
4 x 龍覇 グレンモルト
1 x 永遠のリュウセイ・カイザー

2 x 腐敗無頼トリプルマウス
1 x 無双竜鬼ミツルギブースト
1 x 鎧亜の咆哮キリュー・ジルヴェス

3 x 神聖麒 シューゲイザー
2 x 神聖斬 アシッド

1 x 時空の踊り子マティーニ/舞姫の覚醒者ユリア・マティーナ
1 x 将龍剣 ガイアール/猛烈将龍 ガイバーン
1 x 銀河大剣 ガイハート/熱血星龍 ガイギンガ
1 x 魂の大番長「四つ牙」/バンカラ大親分 メンチ斬ルゾウ
1 x タイタンの大地ジオ・ザ・マン/貪欲バリバリ・パックンガー
1 x 勝利のプリンプリン/唯我独尊ガイアール・オレドラゴン
1 x 勝利のリュウセイ・カイザー/唯我独尊ガイアール・オレドラゴン
1 x 勝利のガイアール・カイザー/唯我独尊ガイアール・オレドラゴン

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プレイヤーの研究によってあるデッキタイプの構築が洗練されていくにつれ、ミラーマッチの勝率が5割前後に収束してしまう現象は、いつの時代もプレイヤーの悩みの種です。そこから脱却するにはどうすべきか。

そのミラーマッチの性質を理解し、デッキに相手よりも強いカードを多く投入することがひとつの解決策です。

シューゲイザー及びアシッドは差がつきづらいグレンモルト同士の競り合いをそのカードパワーで制し、なおかつどんなデッキタイプ相手にも腐りづらい選択肢として機能しています。この環境下では新たな安定した選択肢、安牌として名乗りを上げました。メタ要素が抜けた部分をカードパワーで補っている為、ビッグマナに対しても劣らない試合展開が望めました………後述する《ノーブル・エンフォーサー》の流行までは。

「墓地ソース@ヤーハウェイ
【第4回長岡CS 優勝】

1 x エメラル
3 x シンカイタイフーン
4 x 終末の時計 ザ・クロック
1 x アクア・スーパーエメラル
1 x アクア・メルゲ
3 x フェイト・カーペンター

1 x 盗掘人形モールス
3 x 地獄門デス・ゲート
2 x 白骨の守護者ホネンビー
3 x 停滞の影タイム・トリッパー
2 x 超次元リバイヴ・ホール

3 x 百万超邪 クロスファイア
2 x 暴走龍 5000GT
3 x 爆鏡 ヒビキ

4 x 戦略のD・Hアツト
3 x 金属器の精獣 カーリ・ガネージャー
1 x 疾封怒闘 キューブリック

1 x 時空の凶兵ブラック・ガンヴィート/凶刃の覚醒者ダークネス・ガンヴィート
1 x 勝利のガイアール・カイザー/唯我独尊ガイアール・オレドラゴン
1 x 勝利のリュウセイ・カイザー/唯我独尊ガイアール・オレドラゴン
2 x ヴォルグ・サンダー/雷獣ヴォルグ・ティーガー
1 x サンダー・ティーガー/雷獣ヴォルグ・ティーガー
1 x 勝利のプリンプリン/唯我独尊ガイアール・オレドラゴン
1 x 激天下!シャチホコ・カイザー/絶対絶命ガロウズ・ゴクドラゴン

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こちらはグレンモルトというデッキタイプへの強烈なアンチとして環境に現れました。度重なる規制によってデッキのパワー自体は弱体化していますが、環境における強さは他のデッキの動向によって決まります。「メタ次第で戦えるデッキ」の典型ですね。

グレンモルトというデッキは《終末の時計 ザ・クロック》に対抗する手段が非常に少なく、この時期の墓地ソースは特に「弾丸ガイホ」に対して著しく有利が取れました。メタ生物を前面に押し出し、クロックを後ろに構えてガネージャーとクロスファイアで打点をバックアップする構成を取っており、さながらメタビートのような構成になっています。

しかし、増加傾向にあった「白ビッグマナ」(後述)に対して厳しい戦いを強いられてしまうのが響いたためか、上位入賞多数とはなりませんでした。

「黒単コントロール@Timber
【おやつSummer Festival 2014 関西大会 優勝】

1 x 龍神ヘヴィ
3 x 解体人形ジェニー
4 x 虚構の影バトウ・ショルダー
4 x 西部人形ザビ・バレル
4 x 特攻人形ジェニー
2 x 学校男
4 x 地獄門デス・ゲート
3 x 魔天降臨
4 x 魔狼月下城の咆哮
4 x 超次元ミカド・ホール
4 x 超次元リバイヴ・ホール
1 x ポカポカ・ハンマー
2 x ゴースト・タッチ

1 x 時空の凶兵ブラック・ガンヴィート/凶刃の覚醒者ダークネス・ガンヴィート
1 x 勝利のガイアール・カイザー/唯我独尊ガイアール・オレドラゴン
1 x 時空の封殺ディアスZ/殲滅の覚醒者ディアボロスZ
3 x ヴォルグ・サンダー/雷獣ヴォルグ・ティーガー
1 x 超時空ストームG・XX/超覚醒ラスト・ストームXX
1 x 激天下!シャチホコ・カイザー/絶対絶命ガロウズ・ゴクドラゴン

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墓地ソースが対グレンモルトのアンチだとするならば、こちらは対ビッグマナのアンチデッキとして一部のプレイヤーに使用されました。明確に不利がついたデッキがない、という特徴を持っています。環境中期のチーム戦で多く見られたキューブに対して有利でしたが、他のデッキタイプに対しては5割前後の勝負になってしまう為、最後まであまり流行する事はありませんでした。


「黒緑速攻@ゴミ鮫」

【おやつSummer Festival 2014 中部大会 優勝 】

4 x 闇戦士ザビ・クロー
4 x 孤独の影ロンリー・ウォーカー
4 x 緊縛の影バインド・シャドウ
4 x 死神術士デスマーチ
4 x 停滞の影タイム・トリッパー
2 x 死神竜凰ドルゲドス

4 x 冒険妖精ポレゴン
4 x スナイプ・モスキート
1 x ダンディ・ナスオ
2 x ジオ・ナスオ
4 x 密林の総督ハックル・キリンソーヤ
3 x 無頼封魔アニマベルギス

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グレンモルトデッキの主流がシューゲイザー型に移り変わったことで、マナカーブの少し遅いシューゲイザー型に対して有利を取るために、想定しているデッキパワーを発揮させないという解決方法が提示されました。
前で述べた「キューブ」、また後述する「白ビッグマナ」に対しても十分に勝つ見込みがある、という選択肢として5年にわたって環境に居座る黒緑速攻が再びフィーチャーされました。
こちらもキューブ同様相手に一定の理不尽を押し付けるという性質があり、チーム戦で好まれたデッキタイプです。その特性によって優れた成績を残しています。

「白ビッグマナ@PRIDE」
おやつSummer Festival 2014 関西大会 優勝】

4 x フェアリー・ライフ
4 x ピクシー・ライフ
1 x セブンス・タワー
1 x 再誕の社

4 x ドンドン吸い込むナウ
1 x ノーブル・エンフォーサー
1 x 蒼狼の始祖アマテラス
1 x サイバー・N・ワールド

1 x 爆進イントゥ・ザ・ワイルド
1 x ボルシャック・スーパーヒーロー
2 x 永遠のリュウセイ・カイザー
2 x 不敗のダイハード・リュウセイ
1 x 勝利宣言 鬼丸「覇」

1 x 光牙忍ハヤブサマル
1 x アポカリプス・デイ

4 x フェアリー・シャワー
3 x 超次元ホワイトグリーン・ホール
1 x 反撃のサイレント・スパーク
1 × 無双竜機ミツルギブースト
1 × 龍仙ロマネスク
1 x ボルバルザーク・エクス
2 x 「智」の頂 レディオ・ローゼス
2 x 「必勝」の頂 カイザー「刃鬼」

3 x 勝利のプリンプリン/唯我独尊ガイアール・オレドラゴン
1 x 時空の花カイマン/華獣の覚醒者アリゲーター
1 x サンダー・ティーガー/雷獣ヴォルグ・ティーガー
1 x アルプスの使徒メリーアン/豪遊!セイント・シャン・メリー
1 x イオの伝道師ガガ・パックン/貪欲バリバリ・パックンガー
1 x 時空の戦猫シンカイヤヌス/時空の戦猫ヤヌスグレンオー

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1週目…環境中期における結論であり、環境の頂点に君臨したデッキタイプ「白ビッグマナ」です。これといって苦手なデッキが存在せず、先程述べた「シューゲイザー」「墓地ソース」「黒緑速攻」の全てに対して有利が取れました。大きな対応力を持ちその場に応じた行動を取ることが出来る点が強みです。

ホワイトグリーンホールやフェアリー・シャワー等、カードを回収するカードが多く採用されており、それによって行動の選択肢も増えるため、扱いが難しく使用者の力量がかなり反映されやすいという性質があります。このデッキを扱う者が常に最善の選択肢を取り続け、さらに引きにも恵まれたとしたら….?そこには圧倒的な勝利が約束されるでしょう。

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「暴龍ガイグレン」を一旦のゴールと設定した際の環境終期。
この段階でおおまかなデッキタイプ自体は出揃い、環境は2週目以降に突入します。
大きな大会として第4回静岡CSが2日間に渡って開催されています。

PRIDEがおやつSummer Festival 2014の全国大会、所謂おやつFinalに優勝したことにより白ビッグマナはその使用者を増やしましたが、増えたのはデッキタイプだけではありません。

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白ビッグマナに限らず、「黒戦慄」「シータビッグマナ」等にも、そのリストにはノーブル・エンフォーサー》が1枚ないし2枚搭載されたものが目立つようになりました。

この時点での流行りのデッキタイプは「白ビッグマナ」「キューブ」「黒緑速攻」「シューゲイザー」の主に4つ。大型をぶつけ合うミラーマッチでは役割はないとしても、「黒緑速攻」「シューゲイザー」にはこのカード1枚で非常に高い制圧力を発揮します。

「黒緑速攻」「シューゲイザー」にとってノーブルはゲームエンド級のフィニッシャーです。

前者はダルマンディや速度での解決が要求され、そういった構築にシフトしていきました。
元々ノーブルはビッグマナには入りうるカードであり、柔軟に対応することが可能でした。

問題は後者。アシッドを採用しているタイプは小型生物をシューゲイザー等に入れ替える、小型とグレンモルト組み合わせることで大きなボードアドバンテージを得る事を目的としてデッキが作られているため、ノーブルで止まってしまうとデッキのほとんどが機能停止してしまう危険性がありました。次元展開しか有効な攻め手段がなくなってしまうのです。

この影響でシューゲイザー…..特にアシッドを中心にする型が勝つことは難しくなってしまいました。

そして「シューゲイザー」が衰退した結果、高パワーの次元生物を展開する事でノーブルの制圧を無力化することが出来、なおかつ「白ビッグマナ」「黒緑速攻」に有利の取れる「弾丸ガイホ」が2週目で再び有力な選択肢となり、勝ちやすくなりました。

また、ノーブルに対抗策のある「黒緑速攻」も、白バキを乗り越えてしまえば依然として勝てるデッキでした。それらのデッキが終期の大会で好成績をマークしています。

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こうして暴龍ガイグレンのリリースによって一旦環境は終わりを迎えました。
まだ目立った環境の変化はありませんが、それはこれからのプレイヤーの動向次第で我々の前に現れることでしょう。
筆者自身もこの環境下の大会に参加し、少なからずメタゲームに影響を与えることが出来た事を非常に嬉しく思っています。

-fin-

Special Thanks :PRIDE


カテゴリ:メタゲーム・ブレイクダウン