[第5回DM藤枝CC]メタゲーム・ブレイクダウン

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 DMR21「ハムカツ団とドギラゴン剣」リリース後、殿堂フォーマットの玉座を巡る勢力図はめまぐるしく変化を続けました。
 目玉であるレインボーレジェンドカード《蒼き団長 ドギラゴン剣》《百族の長 プチョヘンザ》が一気にシェアを獲得し、かと思えば「ヘブンズ」や「サソリス」といった前年からの猛者達がそれらの進撃に待ったを掛ける。
 そんな攻防が続く中にDMX21「奥義伝授!! デッキLv.マックスパック」が放たれ、さあ勢力図にどんな変化が起こるかと期待が集まる2016年7月。今回は、その渦中に開催されました「第5回DM藤枝CC」の勢力分布を解析しようと思います。

 

 

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 まずは恒例、お馴染みの集計表に64名分のデッキを当てはめてみました。

 もう一目瞭然で「ドギラゴン剣」が大勝したことがおわかりになるでしょう。全体の使用率は約32.8%と、およそ3人に1人が「ドギラゴン剣」を握っていた訳です。しかもTop8に6人も輩出――なんかどこかで見たことのある数字ですね――した挙句、最早”順当”と言わんばかりに優勝と準優勝の座を掻っ攫って行きました。
 今回1番人気を集めたのは《ボルシャック・ドギラゴン》を採用した黒赤・・・もとい、赤単タッチ黒型でしたね。現環境に対するメタカードを多く採れることが人気の理由か。 また、第2回DM志太CSでブレイクした黒赤緑のギフト型と、第1回DM志太CSで3位入賞の5c《龍秘陣 ジャックポット・エントリー》型もそれぞれ入賞。それぞれデッキとしてのポテンシャルの高さを再び証明していきました。

バスターRevF限定戦でも活躍が期待される中、殿堂でも大勝とは天晴

  「ドギラゴン剣」の大勝は、風の噂で既にご存じだったかもしれませんね。
 では、この日の2番勢力は何だったのか、ということに焦点が集まる訳ですが・・・なんとそれは「レッドゾーン」でした。どこかでこの日の「ドギラゴン剣」並の大勝を収めたこのアーキタイプ、最近は若干覇権から遠ざかりつつありましたが、それでも全体の約17.1%の選手に選ばれたようです。
 特に人気を集めたのは黒赤カラー。《停滞の影タイム・トリッパー》をはじめとしたメタカードを交え、「ドギラゴン剣」よりも早いターンからシールドを攻めるプランが評価されたか。
 惜しくも入賞ラインには届きませんでしたが、その人気を改めて知らしめるのに十分なアピールが出来たのではないでしょうか。

 人気と言えば、3番手につけた「5c」は相変わらずファンが多い様子です。
 元からこの静岡という土地には根強いファンがいるようでしたが、今月に入ってからCSにてTop8入賞を何度か果たしたことでトーナメントプレイヤー達からも注目が集まったようですね。ちなみに今回の使用率は12.5%、私共が開催したイベントの中ではダントツで最高記録です。

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ファンの多さも強さの一つであることを証明

 そしてこの後「ドギラゴン剣」への対抗馬として注目されていた古豪「ヘブンズ」「サソリス」が続くのですが、どちらも今回は勝ち切れず。代わりに対抗馬として、新顔《百族の長 プチョヘンザ》擁するコントロールデッキが予選を突破していきました。
 従来の青黒緑カラーの「デッドゾーン」に《プチョヘンザ》を投入したタイプと、除去を多く採用した超次元ベースの白黒緑カラーがそれぞれ1人ずつ入賞。特に後者は決勝ラウンドでも「ドギラゴン剣」戦を2R制し3位。これからが楽しみなデッキタイプがひとつ増えましたね。
 ちなみに先に紹介しました「5c」、その殆どがこの《プチョヘンザ》を2枚以上採用していました。そういえば5c型の「ドギラゴン剣」にも厚く採られていましたし、今回は少数派でしたが5c以外のビッグマナ系や「ハンデス」にもよく採られています。

 《ドギラゴン剣》がそのアーキタイプで突き抜けて活躍しているので見落としてしまいそうになりますが、この《プチョヘンザ》も実はかなりシェアを拡大しつつありますね。やはりレジェンドを討つのはレジェンドだ、ということでしょうか。

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様々な構築に採用しやすいのが最大の魅力かもしれませんね

 

 さて今回完全な勝者となった「ドギラゴン剣」でしたが、この恐るべき程の支配力はそのうちトーナメントシーンを焼き尽くしてしまうことでしょう。他のCSの結果を見ても分かるとおり、既に広範囲で焦げ付き始めているようです。
 勝ち続ける様はまさに英雄ですが、それに討たれる者共からすれば悪魔みたいなもの。討たれる者が増えれば増えるほど、この英雄は悪役へと身を転じていくことでしょう。

 殿堂だけでなく、間もなく開幕するRevFブロック構築戦でも活躍という名の支配が期待される「ドギラゴン剣」。選手たちはそんな英雄と、どんな向き合い方をするのでしょうか。
 2016年の夏は、2つのフォーマットを股に掛けて英雄討伐が始まる予感・・・。

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カテゴリ:メタゲーム・ブレイクダウン