【第9回DM藤枝CC】メタゲーム・ブレイクダウン

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 RevF限定構築戦によるエリア代表決定戦の開催、革命ファイナル最終章のリリース、そして冬期休暇のCSラッシュ。激動の年末年始を経て、トーナメントシーンはいつにも増した速さでその姿を変貌させて参りました。

 1月15日(日)、藤枝市文化センターも2017年の開幕戦を迎えました。
 県下では滅多にない降雪の中、会場には定員を上回る選手が駆けつけて下さり、暖房が要らない程の熱気と気迫が立ち込めていたことが強く印象に残っています。
 今回は、そんな第9回DM藤枝CCのメタゲームを解析したいと思います。新CSプロモと第9回DM静岡CSのByeを懸け、選手達はどのようなデッキを選択したのでしょうか。

 

■メタゲーム・ブレイクダウン

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 遂に勢力図に大きな変化が訪れました。
 今まで長きにわたって絶大な支持を集めていた「バスター」の使用者数が、未だ1位ではあるものの……いよいよ次点である「NEXT」に僅差(第2部にて僅か1名差)まで追い詰められたのです。更に、第2部ではTop8進出者数が「バスター」1名に対し「NEXT」が3名と下剋上を遂げており、支持だけでなく環境支配の面でも陰りが見えて参りました。
 ただ、追い詰めに掛かっている「NEXT」の殆どに《蒼き団長 ドギラゴン剣》が採られているので、まだまだこのカードによってメタゲームが牛耳られていることに変わりはないのですが。それであっても、今までのバランスが崩れ始めたという事実は見逃せませんね。

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 革命ファイナル最終章のリリースは、主に「バスター」を追い上げるアーキタイプに好影響をもたらしました。
 特に「NEXT」と「デッドゾーン」の躍進は《終焉の禁断 ドルマゲドンX》がもたらしたものとして考えられるでしょう。どちらのアーキタイプも殆どのリストがこれを使用しており、以前と比べ様変わりした構築で勝ち星を重ねております。
 また「ヘブンズ」も《時の秘術師 ミラクルスター》という新たなるパーツを獲得し、また新しく開発されたループを引っ提げトーナメントシーンにカムバックを果たしました。今回は母数こそ少なかったものの、2部両方で準優勝に輝いたスペックは間違いなく本物。またシェアを拡げてくるのではないかと期待が持てます。

 シェアを拡げると言えば、「レッドゾーン」も見事カムバックを果たしたアーキタイプのひとつです。第2部で使用者数が少し伸えたな、と思っていたらまさかの優勝。「ヘブンズ」「落城」といったビートダウンが苦手なアーキタイプを勢いのままに轢いていったのは衝撃的でした。
 逆にシェアを全く獲得出来なかったのは「ジョバンニ」。年末年始のCSラッシュでの活躍っぷりは皆さんもご存知かと思いますが、今大会では使用者数も勝ち星も伸びず。私自身はこれについて、地域的な特性がそうさせているものであると判断していますが、実際のところはどうなのでしょうか。他のトーナメントのメタゲームと照らし合わせてみたいところであります。今週末に開かれる第2回レジェンドCSなんて、まさにうってつけですね。

 

 

 

■各アーキタイプ解説

【バスター】

バスター

 優勝しても使用者数が1位でも勢力に陰りがあると言われてしまうモンスターデッキ。異常なまでの支配率ではなくなりましたが、それでもメタゲームの玉座を手中とするのはこのアーキタイプのままです。

 12月頃からその実力を見てきていたフルカラー型が、遂にアーキタイプ内での1番の支持を獲得しました。
 殆ど多色カードで構成され、《裏切りの魔狼月下城》《レインボー・スパーク》《Mの悪魔龍 リンネビーナス》といった強力な多色武装を利用するこの構築。《界王類邪龍目 ザ=デッドブラッキオ》でのカウンターを擁していたり、《単騎連射マグナム》と《音精ラフルル》を揃えることを狙っていたりと、このグループの中では非常に遅い部類のデッキです(遅いと言っても、自力で最速4ターン目に《バスター》をブン投げることが可能なのですが)。

 今回ご紹介するのは、なんと前述した《裏切りの魔狼月下城》を採っていないリストです。
 本来《月下城》に割かれているスロットが《ウソと盗みのエンターテイナー》等に割かれており、ハンデス自体が一切採られておりません。これは「NEXT」が《リュウセイ・ジ・アース》や《永遠のリュウセイ・カイザー》、「ヘブンズ」が《時の秘術師 ミラクルスター》を多く採用していることを懸念しての判断なのでしょうか。非常に興味深いアイディアです。


 

さえぐさ選手 - 「5cバスター」
第9回DM藤枝CC 第1部 3位 / 殿堂レギュレーション(2017.01.15)
DMvaultハッシュ:5f65a6d46cb3945db2ce83cb741a7eb9

-メインデッキ(40)-
1 x 禁断~封印されしX~/伝説の禁断 ドキンダムX
4 x 爆砕面 ジョニーウォーカー
2 x 単騎連射 マグナム
1 x 神秘の宝箱
3 x フェアリー・ミラクル
3 x ドンドン吸い込むナウ
2 x ウソと盗みのエンターテイナー
4 x 絶叫の悪魔龍 イーヴィル・ヒート
2 x 青寂の精霊龍 カーネル
2 x 音精 ラフルル
4 x Mの悪魔龍 リンネビーナス
3 x 反撃のサイレント・スパーク
4 x 界王類邪龍目 ザ=デッドブラッキオ
4 x 蒼き団長 ドギラゴン剣
1 x 百族の長 プチョヘンザ

-超次元ゾーン(8)-
1 x 熱血剣 グリージーホーン/熱血龍 リトルビッグホーン
1 x 爆熱剣 バトライ刃/爆熱天守 バトライ閣/爆熱DX バトライ武神
1 x 銀河大剣 ガイハート/熱血星龍 ガイギンガ
1 x 真聖教会 エンドレス・へヴン/真・天命王 ネバーエンド
1 x 覇闘将龍剣 ガイオウバーン/勝利の覇闘 ガイラオウ
1 x 闘将銀河城 ハートバーン/超戦覇龍 ガイNEXT
1 x 恐龍界樹 ジュダイオウ/恐・古代王 サウザールピオ
1 x 無敵王剣 ギガハート/最強熱血 オウギンガ


 

 

 正統派(?)な黒赤緑の構築もまだまだ現役です。
 テンポを奪うスペシャリストっぷりは未だ健在。このデッキを象徴する代表的妨害札《解体人形ジェニー》《メガ・マナロック・ドラゴン》は、今大会でも数多くの戦略を葬り去りました。
 「5cバスター」が多いという読みからか、《マナ・クライシス》を採ったリストも散見されましたが、今回第1部で優勝したdarkblue選手のリストは《ライフプラン・チャージャー》を4枚フル投入した真っすぐな構築でした。今回の優勝で16枚目の《マナロック》を入賞させたこの選手のことですから、本番でも4枚の《ライフプラン・チャージャー》から何枚もの《マナロック》を繰り出したに違いありません。


 

darkblue選手 - 「黒赤緑バスター」
第9回DM藤枝CC 第1部 優勝 / 殿堂レギュレーション(2017.01.15)
DMvaultハッシュ:16c965694c77c529ae146d42a45ee668

-メインデッキ(40)-
1 x 禁断~封印されしX~/伝説の禁断 ドキンダムX
1 x フェアリー・ギフト
4 x 霞み妖精ジャスミン
4 x フェアリー・ライフ
1 x 鼓動する石版
4 x 解体人形ジェニー
4 x ライフプラン・チャージャー
2 x ウソと盗みのエンターテイナー
2 x 超次元リバイヴ・ホール
3 x 超次元ムシャ・ホール
3 x 絶叫の悪魔龍 イーヴィル・ヒート
4 x メガ・マナロック・ドラゴン
3 x 勝利のアパッチ・ウララー
4 x 蒼き団長 ドギラゴン剣

-超次元ゾーン(8)-
1 x サンダー・ティーガー/雷獣ヴォルグ・ティーガー
1 x 勝利のプリンプリン/唯我独尊ガイアール・オレドラゴン
1 x 勝利のリュウセイ・カイザー/唯我独尊ガイアール・オレドラゴン
1 x 時空の指令 コンボイ・トレーラー/司令官の覚醒者 コンボイ
1 x 勝利のガイアール・カイザー/唯我独尊ガイアール・オレドラゴン
1 x 紅蓮の怒 鬼流院 刃/バンカラ大親分 メンチ斬ルゾウ
1 x アクア・アタック〈BAGOOON・パンツァー〉/弩級合身!ジェット・カスケード・アタック
1 x 激天下!シャチホコ・カイザー/絶対絶命ガロウズ・ゴクドラゴン


 

 

【NEXT】

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 《終焉の禁断 ドルマゲドンX》という新しい兵器を得て、この多色環境に真っ赤なドラグナー達が蘇りました。

 以前は《龍秘陣 ジャックポット・エントリー》が採られていたことが多かったですが、今季は《スクランブル・チェンジ》を厚く採るのがトレンド。
 殆どの構築に《バスター》をはじめとする大型革命チェンジが採られており、かなり早い段階から《スクランブル・チェンジ》で《マナロック》や《超戦龍覇 モルトNEXT》を走らせ革命チェンジし、一気にゲームの決着を迫ります。
 このプランはミラーマッチや《デッド=ブラッキオ》のマナ武装を達成していない状態の「5cバスター」に対し積極的に採られ、このプランを太くする為か《スクランブル・チェンジ》《バスター》、そして《バスター》から投げられる優秀な多色ドラゴン《リュウセイ・ジ・アース》をフル投入した構築が多く確認されました。


 

リョウ選手 - 「赤緑NEXT」
第9回DM藤枝CC 第2部 Top8 / 殿堂レギュレーション(2017.01.15)
DMvaultハッシュ:d9e5940f392bed1f9bf02be7c0fa7193

-メインデッキ(40+最終禁断)-
1 x FORBIDDEN STAR ~世界最後の日~/終焉の禁断 ドルマゲドンX
4 x メンデルスゾーン
4 x フェアリーの火の子祭
4 x スクランブル・チェンジ
2 x 無双竜鬼ミツルギブースト
4 x メガ・マナロック・ドラゴン
4 x リュウセイ・ジ・アース
4 x 超戦龍覇 モルトNEXT
3 x 次元龍覇 グレンモルト「覇」
3 x 永遠のリュウセイ・カイザー
4 x 熱血龍 バトクロス・バトル
4 x 蒼き団長 ドギラゴン剣

-超次元ゾーン(8)-
1 x 熱血剣 グリージーホーン/熱血龍 リトルビッグホーン
1 x 爆熱剣 バトライ刃/爆熱天守 バトライ閣/爆熱DX バトライ武神
1 x 銀河大剣 ガイハート/熱血星龍 ガイギンガ
1 x 真聖教会 エンドレス・へヴン/真・天命王 ネバーエンド
1 x 闘将銀河城 ハートバーン/超戦覇龍 ガイNEXT
1 x 覇闘将龍剣 ガイオウバーン/勝利の覇闘 ガイラオウ
1 x 恐龍界樹 ジュダイオウ/恐・古代王 サウザールピオ
1 x 無敵王剣 ギガハート/最強熱血 オウギンガ


 

 

【デッドゾーン】

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 革命ファイナルに入り《絶叫の悪魔龍 イーヴィル・ヒート》、《Dの禁断 ドキンダムエリア》、《ZEROの侵略 ブラックアウト》と強化パーツを得続けてきたこのアーキタイプが、またもや《終焉の禁断 ドルマゲドンX》という大きなパーツを獲得です。

 リストがかなり固定されてきた「NEXT」と違い、「デッドゾーン」のドルマゲドン型はまだリストに大きなバラツキがあります。《終断α ドルーター》や《復讐ギャロウズ》を採って速度を上げた構築や、コスト軽減クリーチャーと《暗黒鎧 ヴェイダー》を採った「ヘルボロフ」のような構築、《ボルメテウス・ホワイト・フレア》や《閃光の守護者ホーリー》等の白のトリガーを厚く採った構築など、選手によって構築の方向性が異なります。
 今回入賞したのは、《復讐 ブラックサイコ》《S級不死 デッドゾーン》の侵略8枚に加え、9枚目の侵略として《禁断の轟速 レッドゾーンX》、そしてそれらを使いまわす革命チェンジ《Kの反逆 キル・ザ・ボロフ》を2枚採った、重い攻撃を与え続けることに秀でたリストでした。


 

まさぽん選手 - 「黒赤デッドゾーン」
第9回DM藤枝CC 第2部 Top8 / 殿堂レギュレーション(2017.01.15)
DMvaultハッシュ:2808456fc17d5fc7ad7fee7be142d47c

-メインデッキ(40+最終禁断)-
1 x FORBIDDEN STAR ~世界最後の日~/終焉の禁断 ドルマゲドンX
4 x 勇愛の天秤
3 x ボーンおどり・チャージャー
3 x リロード・チャージャー
4 x 終断γ ドルブロ
4 x 復讐 ブラックサイコ
4 x 絶叫の悪魔龍 イーヴィル・ヒート
2 x 終断δ ドルハカバ
2 x ZEROの侵略 ブラックアウト
4 x S級不死 デッドゾーン
1 x 禁断の轟速 レッドゾーンX
4 x 禁断 V キザム
2 x Kの反逆 キル・ザ・ボロフ
3 x 熱血龍 バトクロス・バトル


 

 

【落城】

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 攻撃的なアーキタイプが多い環境ですので、トリガーが厚いこのアーキタイプが活躍するのも頷けます。

 《サイバー・チューン》の登場以来構築に大きな変化はありませんが、常に微々たる変化はし続けています。
 今大会はやはり「5cバスター」を重く意識するのが共通認識だったようで、退化先のファッティの比率を《世紀末ヘヴィ・デス・メタル》に寄せたリストが何名かいらっしゃいました。この後ご紹介するアツイ選手のリストも、《奈落の葬儀人デス・シュテロン》と《ヘヴィ・デス・メタル》の割合を2:4になっています。
 また、5枚目の《死神術士デスマーチ》として《鬼面妖蟲ワーム・ゴワルスキー》、5枚目の《龍脈術 落城の計》として《センジュ・スプラッシュ》を採ったリストが増えています。退化を決めなければ試合にならないから、と言えばそれまでですが、逆にこのコンボを成功させるだけで十分勝利を手繰り寄せることが出来る環境だからこそ、可能な限りパーツにスロットを割いているという見方も出来ますね。


 

アツイ選手 - 「青黒落城」
第9回DM藤枝CC 第2部 3位 / 殿堂レギュレーション(2017.01.15)
DMvaultハッシュ:b456acdf2c41c04af8e0e7e5a7074a45

-メインデッキ(40)-
4 x 死神術士デスマーチ
1 x 鬼面妖蟲ワーム・ゴワルスキー
4 x 戦略のD・Hアツト
4 x エマージェンシー・タイフーン
4 x 終末の時計 ザ・クロック
4 x 龍脈術 落城の計
4 x サイバー・チューン
1 x センジュ・スプラッシュ
4 x 斬隠蒼頭龍バイケン
4 x 地獄門デス・ゲート
2 x 奈落の葬儀人デス・シュテロン
4 x 世紀末ヘヴィ・デス・メタル

-超次元ゾーン(8)-
2 x ヴォルグ・サンダー/雷獣ヴォルグ・ティーガー
1 x 勝利のリュウセイ・カイザー/唯我独尊ガイアール・オレドラゴン
1 x 時空の凶兵ブラック・ガンヴィート/凶刃の覚醒者ダークネス・ガンヴィート
1 x 勝利のガイアール・カイザー/唯我独尊ガイアール・オレドラゴン
1 x 激天下!シャチホコ・カイザー/絶対絶命ガロウズ・ゴクドラゴン
1 x 時空の支配者ディアボロスZ/最凶の覚醒者デビル・ディアボロスZ
1 x 超時空ストームG・XX/超覚醒ラスト・ストームXX


 

 

【ビッグマナ】

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 多色武装により、殿堂レギュレーションの「ビッグマナ」も新時代を迎えました。

 予てから「刃鬼」「VAN」などジャンル豊富なアーキタイプでしたが、その多くのジャンルが革命ファイナルにて登場した2つの多色武装カード、《獅子王の遺跡》と《大革命のD ワイルド・サファリ・チャンネル》によって一新。メインデッキの多色比率を大きく上げ、この2枚で膨大なマナを生み出す構築にシフト。
 革命ファイナル最終章で登場した《ジョリー・ザ・ジョニー Joe》等、新しいジャンルの開発も進んでおりますが、やはり一番人気は「刃鬼」。《ボルバルザーク・エクス》や《閃光のメテオライト・リュウセイ》等の質の高い多色ハンタードラゴンと、《ワイルド・サファリ・チャンネル》や《蒼龍の大地》との相性は抜群です。


 

ウインユニファイド選手 - 「白青赤緑刃鬼」
第9回DM藤枝CC 第1部 成績優秀者(4-2) / 殿堂レギュレーション(2017.01.15)
DMvaultハッシュ:640944bef15b29ffb34c8d620b0191b4

-メインデッキ(40)-
4 x フェアリー・ライフ
2 x ピクシー・ライフ
3 x ドンドン吸い込むナウ
4 x 獅子王の遺跡
2 x フェアリー・シャワー
3 x 青寂の精霊龍 カーネル
2 x トップ・オブ・ロマネスク
1 x 斬隠オロチ
3 x 大革命のD ワイルド・サファリ・チャンネル
1 x ボルバルザーク・エクス
2 x 不敗のダイハード・リュウセイ
2 x 閃光のメテオライト・リュウセイ
1 x 悠久を統べる者 フォーエバー・プリンセス
2 x 百族の長 プチョヘンザ
4 x 蒼龍の大地
1 x 勝利宣言 鬼丸「覇」
2 x 「必勝」の頂 カイザー「刃鬼」
1 x 「修羅」の頂 VAN・ベートーベン


 

 

【レッドゾーン】

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 「5cバスター」の《デッド=ブラッキオ》が各ビートダウンを悩ませている中、ならばマナが揃う前にシールドを割り切ろう、という発想に辿り着いた選手が何人も居た様で。「バスター」よりも一手早く打点を投げ込むこのアーキタイプも、そんな理由でまたフィーチャーされたのでしょうか。第2部優勝という大金星を挙げ、見事カムバックです。

 侵略にスロットを可能な限り割き、一気に《伝説の禁断 ドキンダムX》の封印を剥がしに掛かる赤単型、《ヘブンズ・フォース》と各スパーク系を採った白赤型、《虹彩奪取 ブラッドギア》《停滞の影タイム・トリッパー》といったテンポを稼ぐカードを厚く採った黒赤型等、全体の使用者数が少ないながらもバリエーションに富んだこのグループ。
 今回玉座を手にしたのは、《終末の時計 ザ・クロック》と《サイバー・チューン》《斬隠蒼頭龍バイケン》のパッケージを搭載した青赤型でした。《サイバー・チューン》が侵略獣の確保、《バイケン》とのマッドネスコンボだけでなく、タッチ投入された《禁断の月 ドキンダムーン》でリアニメイトするソニック・コマンドを事前に準備しておくという役割も持っております。感覚としては、前のめりな「落城」といったところでしょう。


 

PenGin選手 - 「青赤レッドゾーン」
第9回DM藤枝CC 第2部 優勝 / 殿堂レギュレーション(2017.01.15)
DMvaultハッシュ:785242b64815dc72c3e808fe86829aed

-メインデッキ(40)-
1 x 禁断~封印されしX~/伝説の禁断 ドキンダムX
4 x 一撃奪取 トップギア
4 x 終末の時計 ザ・クロック
4 x サイバー・チューン
3 x 轟速 ザ・レッド
4 x 轟速 ザ・ゼット
3 x 轟速 ザ・マッハ
4 x 斬隠蒼頭龍バイケン
4 x 禁断の月 ドキンダムーン
4 x 轟く侵略 レッドゾーン
3 x 熱き侵略 レッドゾーンZ
2 x 禁断の轟速 レッドゾーンX



 

 

 

【その他】

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 今大会は使用者数が少ないアーキタイプの活躍が目立ちました。使用者数が突出したアーキタイプが存在せず、メジャーなリストから新しいアイディアが光るリストまで、非常に様々のデッキタイプが存在した良環境だったと思います。

 「ヘブンズ」が2部両方で決勝戦進出を果たすなど、使っている本人達以外は誰も想像出来なかったのではないでしょうか。
 やはり《時の秘術師 ミラクルスター》を獲得した影響はかなり大きいようで、特に今までキャストされたらKO寸前だった「5cバスター」の《裏切りの魔狼月下城》や、「落城」の《デス・シュテロン》に対する耐性が出来たことが今回のカムバックに強く関与していると考えられます。
 第1部の準決勝では、「落城」が放った《デス・シュテロン》のメガハンデスに「ヘブンズ」が《ミラクルスター》を合わせ、《転生スイッチ》を含む呪文数枚を回収しバウンスするというビッグプレー。何故かメガハンデスを放った側がリソース枯れで追い込まれ、2ターン後には《奇跡の精霊ミルザム》と《音感の精霊龍 エメラルーダ》の施しによって全ての山札を手札に変換されてしまっておりました。


 

どりあん選手 - 「白青黒ヘブンズ」
第9回DM藤枝CC 第1部 準優勝 / 殿堂レギュレーション(2017.01.15)
DMvaultハッシュ:44c1e3a85dcb76f71c7f119658a147d8

-メインデッキ(40)-
4 x サイバー・チューン
1 x ハイドロ・コミューン
2 x パクリオ
4 x クリスタル・メモリー
4 x 音感の精霊龍 エメラルーダ
1 x ポジトロン・サイン
4 x 転生スイッチ
4 x 生死の天秤
4 x ヘブンズ・ゲート
2 x 黒神龍ブライゼナーガ
1 x 神聖で新生な霊樹
4 x 目的不明の作戦
3 x 時の秘術師 ミラクルスター
1 x アルカディア・スパーク
1 x 奇跡の精霊ミルザム

-超次元ゾーン(8)-
1 x ブーストグレンオー/激竜王ガイアール・オウドラゴン
1 x 勝利のリュウセイ・カイザー/唯我独尊ガイアール・オレドラゴン
1 x 激相撲!ツッパリキシ/絶対絶命ガロウズ・ゴクドラゴン
1 x 時空の指令 コンボイ・トレーラー/司令官の覚醒者 コンボイ
1 x 勝利のガイアール・カイザー/唯我独尊ガイアール・オレドラゴン
1 x 激天下!シャチホコ・カイザー/絶対絶命ガロウズ・ゴクドラゴン
1 x 激沸騰!オンセン・ガロウズ/絶対絶命ガロウズ・ゴクドラゴン
1 x 超時空ストームG・XX/超覚醒ラスト・ストームXX


 

 使用者を募れたアーキタイプが攻撃的なデッキが多かった分、少数精鋭組にはコントロール色の強いアーキタイプが名を連ねております。が、続いてご紹介するするのはこれまた攻撃的なデッキ、「グロウダンテ」。グロウとは”成長する(grow)“という意味で、1コストのアタッカーを革命チェンジによって大きくしていく様を表現した名前です。エリア代表決定戦でも、これの「バスター」型が活躍していましたよね。
 今回の記事にて何度か「5cバスター」の攻略法として速度で勝負するというニュアンスの解説をして参りましたが、このデッキもそれにあたります。他の速度で勝負するデッキはトリガーや妨害札を厚くしていることが多かったですが、このデッキは《時の法皇 ミラダンテXII》が「バスター」どころか今回のTier1殆どのアーキタイプを封じ込めてしまうので、もうこれを最速で出すことにオールイン。3ターン目に《ミラダンテXII》が着地すれば、もう殆ど逆転は不可能と言っても過言ではないでしょう。


 

ハイド選手 - 「白緑グロウダンテ」
第9回DM藤枝CC 第1部 Top8 / 殿堂レギュレーション(2017.01.15)
DMvaultハッシュ:4b3c2f44b333749a5b032ec818bc99da

-メインデッキ(40)-
4 x スナイプ・モスキート
4 x 冒険妖精ポレゴン
3 x お目覚めメイ様
4 x 次元の霊峰
4 x 未来設計図
4 x 密林の総督ハックル・キリンソーヤ
1 x ミラクルストップ
4 x ファイナル・ストップ
4 x 二族 ンババ
3 x 一族 ミア・ダママ
4 x 時の法皇 ミラダンテXⅡ
1 x 百族の長 プチョヘンザ

-超次元ゾーン(8)-
1 x ブーストグレンオー/激竜王ガイアール・オウドラゴン
1 x 激相撲!ツッパリキシ/絶対絶命ガロウズ・ゴクドラゴン
1 x 勝利のリュウセイ・カイザー/唯我独尊ガイアール・オレドラゴン
1 x 激沸騰!オンセン・ガロウズ/絶対絶命ガロウズ・ゴクドラゴン
1 x 勝利のガイアール・カイザー/唯我独尊ガイアール・オレドラゴン
1 x 時空の指令 コンボイ・トレーラー/司令官の覚醒者 コンボイ
1 x 激天下!シャチホコ・カイザー/絶対絶命ガロウズ・ゴクドラゴン
1 x 超時空ストームG・XX/超覚醒ラスト・ストームXX


 

 

 

 ようやく「バスター」が支配する環境も、曲がり角を迎える機会を掴んだと評するか。はたまた、これだけ環境が動いている中でも好成績を収めたこのアーキタイプを再び評価するか。このひとつのトーナメントの解析結果をご覧になって、貴方はどうお考えになられますでしょうか。

 年が明けたばかりではありますが、今期は既にブロック最終章がリリース済みであり、残すは再録パックを2つ。徐々にクライマックスが近づいて参りました。
 その過程で見逃せないのが日本一決定戦であり、そしてその近辺で殿堂レギュレーションについての御触れが発表されるのではないか、と各所で話題となり始めております。この環境との決着の時が刻々と迫ってきている、そんな雰囲気がして来ましたね。

 まもなく第2回レジェンドCSが開催されます。CSで幾度となく入賞してきた猛者達が栄冠を懸けて争うこのイベントは、まさにこの環境の答えを求める場として相応しいものとなるでしょう。誰が勝つのか、どのデッキが頂点に輝くのか――

 

 答えを知った者同士、会場でお会いしましょう。
 それではまた、来月頭の第10回DM藤枝CCをお楽しみに!

 Thunders#36


カテゴリ:メタゲーム・ブレイクダウン