アメリカでは現在のDMと同じデザインの英語版が2004年から発売され、その時のキャッチフレーズは「怪獣道」でした。
しかし北米版DMは2007年を最後に販売を終了し、生産されたのは12弾まででした。
日本でのイベントでは使えないものの、英語版限定のカードやプロモ版が存在しており、今でも筆者を含む一部のコレクターに人気だったりします。
それから5年後の2012年、従来のDMとの互換性のない新しいDMとして「Kaijudo: Rise of the Duel Masters」が発売されました。
残念ながらkaijudoの展開も2014年に打ち切られてしまいましたが、それまでに多くのカードが登場し、DMプレイヤーとして興味深いものです。
DMにはないKaijudoの特徴として、フォーマットに全てのカードが使える「オープン構築」の他に、最新の2ブロックのカードしか使うことができない「スタンダード構築」と、
未開封パックを開けてピックすることでデッキを構築する「ブースター・ドラフト」の2つのMTGのフォーマットが採用されている点があります。
タカラトミーが販売しているDMと違い、WOtCが直接開発・販売をしているためか、カードセット等にも随所にMTGを思い起こさせる要素があります。
発売されたkaijudoの各カードセットを、主人公Raidenの相棒であるボブこと《Tatsurion》とその派生カード15枚と共に見ていきましょう。
■First Editionブロック
■Rise of the Duel Mastersブロック
■Clash of the Duel Mastersブロック
■Quest for the Gauntletブロック
■プロモーションカード
■First Editionブロック
Tatsurion vs. Razorkinder Battle Decks
2012年6月26日発売。
記念すべき最初に世に出たkaijudoのカードセットです。
《Tatsurion》を中心とした火・自然のデッキと《Razorkinder》を中心とした水・闇のデッキの2つの構築済みデッキがセットになっていて、買ってすぐに対戦することが出来ます。
デッキケースが禁断の変形デッキとよく似てる、というか恐らく同じものを使用しているため、後にアウトレイジの書・オラクルの書に流用されたのだと思われます。
《Tatsurion》
スーパーレア
火
クリーチャー
コスト6
アーマード・ドラゴン/ビーストフォーク
パワー6000
■W・ブレイカー(このクリーチャーはシ-ルドを2枚ブレイクする)
■フュリー・チャージ:このクリーチャーは、バトルゾーンに出たターンに、タップしているクリーチャーを攻撃できる。
最初のTatsurionで、ブラックボックスパックに収録されたため知っている人も多いかと思います。
除去持ちのW・ブレイカーとして活躍したようです。
The Dojo Edition
2012年7月24日発売。
エキスパンション第1弾、全60種。
エキスパンションは1パックにカード9枚、1ボックス24パックです。
初期らしくバニラやブロッカーといったシンプルな効果のものが収録されています。
1弾にして《フェアリー・ライフ》に相当する《Sprout》が収録されていたり、《スパイラル・ゲート》に相当するカードがコスト4以下しか選べない《Ice Blade》や自身のコストが4になった《Veil Vortex》など殿堂カードになっているDMと比べ弱体化されていたりします。
《Chain-Lash Tatsurion》
レア
火
クリーチャー
コスト6
アーマード・ドラゴン/ビーストフォーク
パワー6000
■W・ブレイカー(このクリーチャーはシ-ルドを2枚ブレイクする)
■ウィップ・チェイン:このクリーチャーをバトルゾーンに出した時、バトルゾーンにある相手のタップされていないクリーチャーを1体選ぶ。このターン、バトルゾーンにある自分のクリーチャーはすべて、そのクリーチャーを攻撃できる。
Bull Rush
2012年7月24日発売。
Kaijudoは拡張パックと同時に再録カード中心の構築済みデッキを発売しており、これはMTGのイベントデッキやエントリーセットといったものの同じ手法です。
Bull RushはThe Dojo Editionとの同時発売の、1枚の新規カードと39枚の再録カードからなる火・自然の構築済みデッキで、再録カードのうち2枚がプロモ版となっています。
《Quilspike Tatsurion》
スーパーレア
自然
クリーチャー
コスト5
アーマード・ドラゴン/ビーストフォーク
パワー5000
■スパイク・アーマー:このクリーチャーが攻撃された時、このクリーチャーのパワーは+5000される。
Bull Rush唯一の新規カードは自然文明のTatsurion。
■Rise of the Duel Mastersブロック
Rise of the Duel Masters
2012年9月7日発売。
エキスパンション第2弾、全180種。
First Editionブロックはプレリリースのセットであり、公式サポートの店舗でのみの販売でしたが、このRise of the Duel Mastersからは一般の量販店でも扱われるようになりました。
First Editionブロックのカードは後のエキスパンションでほぼ全てが再録され、このRise of the Duel Mastersの全180種のうち、77種はFirst Editionブロックからの再録カードです。
《Tatsurion the Unchained》
スーパーレア
火
クリーチャー
コスト7
アーマード・ドラゴン/ビーストフォーク
パワー6000
■W・ブレイカー(このクリーチャーはシ-ルドを2枚ブレイクする)
■ハウザー:このクリーチャーをバトルゾーンに出した時、相手のパワー4000以下のクリーチャーを1体破壊する。
■フーズ・ネクスト?:このクリーチャーこのターンはじめてバトルに勝った時、このクリーチャーをアンタップする。
《Bestial Rage Tatsurion》
スーパーレア
自然
クリーチャー
コスト6
アーマード・ドラゴン/ビーストフォーク
パワー5000
■パワーアタッカー+3000(攻撃する時、このクリーチャーのパワーは+3000される)
■W・ブレイカー(このクリーチャーはシ-ルドを2枚ブレイクする)
■レイジング・マッド:このクリーチャーがバトルに勝った時、相手のシールドを1枚選ぶ。このクリーチャーはそのシールドをブレイクする。
Rocket Storm
2012年9月7日発売。
Rise of the Duel Mastersとの同時発売の光・火・自然の構築済みデッキです。
《Wrist-Rockets Tatsurion》
スーパーレア
火
クリーチャー
コスト7
アーマード・ドラゴン/ビーストフォーク
パワー5000
■ロケット・ランチャー:このクリーチャーをバトルゾーンに出した時、またはこのクリーチャーが攻撃する時、相手のパワー2000以下のクリーチャーを1体破壊する。
Sonic Blast
2012年9月7日発売。
Rocket Stormと共にRise of the Duel Mastersの関連セットで、こちらは水・闇文明の構築済みデッキです。
Evo Fury
2012年11月13日発売。
エキスパンション第3弾全60種。
進化クリーチャーが初登場します。
Rise of the Duel Mastersが実質的な第1弾であるとすると、こちらはDMでいう2弾「進化獣降臨」に当たるエキスパンションと言えます。
《Evo Fury Tatsurion》
スーパーレア
火
進化クリーチャー
コスト7
アーマード・ドラゴン/ビーストフォーク
パワー12000
■進化−自分のアーマード・ドラゴン1体の上に置く。
■T・ブレイカー(このクリーチャーはシールドを3枚ブレイクする)
■ドラゴン・ウィング:このクリーチャーをバトルゾーンに出した時、バトルゾーンにある相手のクリーチャーを1体選ぶ。次の自分のターンのはじめまで、そのクリーチャーは攻撃もブロックもできない。
《Flamespike Tatsurion》
スーパーレア
自然
進化クリーチャー
コスト6
アーマード・ドラゴン/ビーストフォーク
パワー8000
■進化−自分のビーストフォーク1体の上に置く。
■W・ブレイカー(このクリーチャーはシ-ルドを2枚ブレイクする)
■ビルト・トゥ・ブロー:バトル中、このクリーチャーのパワーは+6000される。
Tatsurionも進化クリーチャーに。
一気にパワーが上がったのがわかります。
Dragon Master Collection Kit
2013年2月19日発売。
Rise of the Duel Masters4パックとカードケース、プロモカード2枚のセットです。
DragonStrike Infernus
エキスパンション第4弾、全60種。
ドラゴンとそのサポートがフィーチャーされたドラゴン弾です。
DMで言う「超神龍の復活」のような立ち位置ですが、ドラゴンとファイアーバードが5文明全てで登場するので「超神龍雷撃」の方が近いのかもしれません。
Kaijudo唯一の規制カードであり、オープン構築1枚制限が掛かっているKaijudo版《ホーガン・ブラスター》である《Bottle of Wishes》が収録されたのもこの弾です。
《Ragefire Tatsurion》
ベリーレア
火
クリーチャー
コスト5
アーマード・ドラゴン/ビーストフォーク
パワー5000
■リーク・ハボック:自分の手札が1枚もない時、このクリーチャーは「パワーアタッカー+3000」と「W・ブレイカー」を得、呪文またはクリーチャーの能力によって、相手がバトルゾーンにあるクリーチャーを選ぶ時、このクリーチャーを選ぶことはできない。
Tatsurionもドラゴンではありますが、この弾では各文明のドラゴンのサイクルがSRを占めているためベリーレアになっています。
■Clash of the Duel Mastersブロック
Clash of the Duel Masters
2013年5月24日発売。
エキスパンション第5弾
全120種の大型弾で、レインボーカードが初登場します。
また、各文明の支配者である強大なクリーチャー、Monarchが初登場し、水の《King Tritonus》と火の《Infernus the Immolator》が収録されました。
《Tatsurion the Relentless》
スーパーレア
火/自然
進化クリーチャー
コスト9
アーマード・ドラゴン/ビーストフォーク
パワー13000
■マナゾーンに置く時、このカードはタップして置く。
■進化−自分の名前に《Tatsurion》とあるクリーチャー1体の上に置く。
■T・ブレイカー(このクリーチャーはシ-ルドを3枚ブレイクする)
■ウェポン・ブレイジング:このクリーチャーが相手のパワー5000以下のクリーチャーとのバトルに勝った時、このクリーチャーをアンタップし、相手のシールドを1枚ブレイクする。
多色になったTatsurion。
Tatsurionから進化し、《熱血龍フルボコ・ドナックル》のようなアンタップとブレイク能力を持っています。
《Tatsurion the Champion》
レア
火/自然
クリーチャー
コスト6
アーマード・ドラゴン/ビーストフォーク
パワー6000
■マナゾーンに置く時、このカードはタップして置く。
■W・ブレイカー(このクリーチャーはシ-ルドを2枚ブレイクする)
■スタンド・アンド・ファイト:このクリーチャーをバトルゾーンに出した時、自分の山札の上から1枚目をマナゾーンに置いてもよい。それが火のカードであれば、そのターン、このクリーチャーのパワーは+2000され、このクリーチャーは「スピードアタッカー」得る。(「スピードアタッカー」を得たクリーチャーは召喚酔いしない)
Cip1ブーストと条件付きのSAとドラゴンとしてはかなり手堅い能力。
Psychic Assault
2013年5月24日発売。
Clash of the Duel Mastersと同時発売の光・水の構築済みデッキ。
Skycrusher’s Might
2013年5月24日発売。
Psychic Assaultと共にClash of the Duel Mastersと同時発売の構築済みデッキで、こちらは闇・火のデッキです。
Triple Strike
2013年6月12日発売。
水・闇・火の構築済みデッキで、全カードが金枠のホイル仕様でスーパーデッキに当たるセットです。
Tatsurionと共に水文明のマスコットGlu-urrgleと闇文明のScaradorableがフィーチャーされたデッキであり、それぞれのカードが収録されています。
《Rampaging Tatsurion》
スーパーレア
火
クリーチャー
コスト7
アーマード・ドラゴン/ビーストフォーク
パワー8000
■W・ブレイカー(このクリーチャーはシ-ルドを2枚ブレイクする)
■アフターショック・シェル:このクリーチャーがバトルに勝った時、バトルに負けたクリーチャーよりパワーの低い相手クリーチャーを1体破壊する。
Shattered Alliances
2013年9月13日発売。
エキスパンション第6弾、全90種。
敵対色のレインボーカードと、光のMonarch 《Eternal Haven》と闇のMonarch 《Queen Kalima》が収録されました。
また、拡張パックとしては初めてTatsurionが収録されてなかったりします。
Solar Eclipse
2013年9月13日発売。
Shattered Alliancesと同時発売の構築済みデッキで、光・闇の敵対二色デッキです。
Invasion Earth
2013年11月8日発売。
エキスパンション第7弾、全90種。
悪役Chotenと彼が従える種族Corruptedが登場します。
Corruptedは水文明と水を含む多色カードを中心としており、サバイバーのように味方のCorruptedを強化するカードが多く存在します。
また、自然のMonarch《Almighty Colossus》が収録され、全てのMonarchがカード化されました。
《Tatsurion the Brawler》
レア
火/自然
クリーチャー
コスト6
アーマード・ドラゴン/ビーストフォーク
パワー7000
■マナゾーンに置く時、このカードはタップして置く。
■ガードマン(自分の他のクリーチャーが攻撃される時、このクリーチャーをタップしてもよい。そうした場合、攻撃クリーチャーはかわりにこのクリーチャーを攻撃する)
■W・ブレイカー(このクリーチャーはシ-ルドを2枚ブレイクする)
■フィアース・フレンド:自分の名前に「Scaradorable」か「Glu-urrgle」があるクリーチャーが攻撃する時、このクリーチャーをアンタップし、そのターン、このクリーチャーのパワーは+5000される。
Scaradorable とGlu-urrgleのアタックでアンタップするTatsurion。
仲間の力を借りて強くなるのは主人公感がありますね。
Choten’s Army
2013年11月8日発売
火以外の4色の構築済みデッキで、「チョーテンの兵」Corruptedを中心としたデッキです。
Booster Brawl
2014年2月21日発売
8パックと3枚のプロモカード、プレイマット等のセットです。
開封したパックで共通デッキを作って遊ぶ変種ルールのための専用キットで、MTGで言うところの統率者戦やプレインチェイスのセットのような立ち位置です。
The 5 Mystics
2014年3月14日発売。
エキスパンション第8弾、全60種。
各文明に新種族Mysticsとベリーレアの大型呪文Absolute spellsが収録。
光のMysticsの《The Mystic of Light》はkaijudo初(多分)のエクストラウィンの能力を持っています。
また、MysticsとAbsolute spellsのサイクルは同じ文明のカード同士はイラストが繋がっている仕掛けが施されていたりします。
■Quest for the Gauntletブロック
Quest for the Gauntlet
2014年5月30日発売。
エキスパンション第9弾。
全170種の大型弾で、ブースター・ドラフトのために1ボックスに36パック、1パック14枚入りにパックが変更されました。
レインボーカード等のギミックが早期に導入されたkaijudoですが、意外なことにシールドトリガー付きのクリーチャーはこの弾が初登場だったりします。
《Warmaster Tatsurion》
スーパーレア
火
進化クリーチャー
コスト6
アーマード・ドラゴン/ビーストフォーク
パワー9000
■進化−自分の火のクリーチャー1体の上に置く。
■W・ブレイカー(このクリーチャーはシールドを2枚ブレイクする)
■メテオバーン―このクリーチャーが攻撃する時、このクリーチャーの下にあるカードを1枚選び墓地に置いてもよい。そうした場合、このクリーチャーをアンタップする。
メテオバーンの能力も初登場。
Evolution Swarm
2014年5月30日発売。
Quest for the Gauntletと同時発売の構築済みデッキで、光・自然のデッキです。
Horde Onslaught
2014年7月25日発売。
火以外の4色の構築済みデッキで、Triple Strikeと同じような全カード金枠ホイルのスーパーデッキであり、3枚の新規カードが収録されています。
Vortex
2014年8月29日発売。
エキスパンション第10弾、全170種。
販売された最後のエキスパンションで、進化Vのカードが登場します。北米版DMも進化Vが出た弾で終わっているのは偶然の一致でしょうか。
ガチンコ・ジャッジもここで初登場しますが、こちらでのキーワード能力名は「Clash」であり、これはガチンコ・ジャッジの元ネタとなったMTGの激突/Clashと同じ名前であるため、先祖帰りしていると言えます。
Eye of the Storm
エキスパンション第11弾、全85種。
Vortexが最後のエキスパンションと書きましたが、KaijudoオンラインでのみEye of the Stormが存在しており、これが真の最終弾といえます。
最後らしく、全体的にカードパワーが高めです。
《Ultimate Tatsurion》
スーパーレア
火/自然
進化クリーチャー
コスト8
アーマード・ドラゴン/ビーストフォーク
パワー24000
■マナゾーンに置く時、このカードはタップして置く。
■進化V−自分の火または自然のクリーチャーのいずれか2体を重ねた上に置く。
■ワールドブレイカー(このクリーチャーは相手のシールドをすべてブレイクする)
■ホールド・ナッシング・バック!:このクリーチャーをバトルゾーンに出した時、
そのターンの終わりまで、自分の他のクリーチャーはブロックされず、アンタップされているクリーチャーを攻撃できる。
最後の、そして究極のTatsurion。
Kaijudo最大(多分)のパワーとワールドブレイカーを持ち、味方の強化も行います。
■プロモーションカード
イベントなどで配布されるプロモカードにもTasurionがいるので紹介します。
《Bristling Tatsurion》
スーパーレア
自然
進化クリーチャー
コスト6
アーマード・ドラゴン/ビーストフォーク
パワー8000
■進化−自分の自然のクリーチャー1体の上に置く。
■W・ブレイカー(このクリーチャーはシ-ルドを2枚ブレイクする)
■ソーン・ショット:このクリーチャーは、パワーが12000以上の時、「T・ブレイカー」を得る。
■クイルスパイク・ディフェンダー:自分の他のクリーチャーは攻撃されない。
■メテオバーン―このクリーチャーが攻撃する時、このクリーチャーの下にあるカードを1枚選び墓地に置いてもよい。そうした場合、次の自分のターンのはじめまで、このクリーチャーのパワーは、バトルゾーンにある自分の他のクリーチャー1体につき+3000される。
2014年7月期の公認大会で配布されたプロモです。
進化条件の緩い進化クリーチャーであり、状況によってはT・ブレイカーになります。
いかがだったでしょうか。
MonarchやMysticsなど紹介しきれなかったものは別の機会があった時に紹介しようと思います。
忘れ去られそうな世界ではありますが、これも広大なDMの一部ですね。